絶対に気をつけたい、脊髄損傷者がやってしまう、火傷の恐怖。
脊髄損傷の方は、麻痺している部分が動かないだけではなく、熱い・冷たい・痛い・かゆいなどの温痛覚も麻痺がある場合があります。
例えば、
麻痺している脚が切れて出血しいていても、画びょうを踏んでいても、火傷をしていても、気が付かない。
ということです。ですが、感じないからと言って、
最強人間になった!
わけではありません。痛みや熱さを感じないだけで、身体にはその分の負担?影響?はかかっています。むしろ、
傷を治す力も麻痺している部分は弱いので、健常部分よりも治るのに、非常に時間がかかります。
さらに、切り傷とは異なり、火傷した部分の細胞自体が死んでいます。生き返ってくっついてくれません。新しく皮や肉などの組織が作られないといけません。時間もかかりますし、治している間に膿んでしまい、悪化。脚自体を切断しなければならない場合にもなりかねません。
私が初めてあった脊髄損傷の火傷をされた方は、腿の上に置いたコーヒーから火傷して、治るのに、
『3年間!!!』
たった10分のうっかりが、3年です。
冬は、火傷の宝庫です。以下、脊髄損傷者の方々の実例をご紹介いたします。脅しているわけではなく、心の底から火傷をしないように気をつけていただきたい!なので、以下をご参照いただき、日常生活でお役立ていただき、火傷をしないでいただけましたら本望です。
1、トレーに乗せて、膝の上で運ぶコーヒー
上記でも紹介しました、車椅子ユーザーなら普通に日常やってしまう動作です。
ちょっと運ぶだけだから
トレーの上に乗せていれば大丈夫かなぁと
脚の間に挟んでいたホットコーヒー、うっかり忘れてた
熱々のものでなくても、低温火傷になる場合もあります。トレーも薄いものや熱を通してしまうものは、脚へ熱がそのまま伝わります。絶対にやめましょう。
「鍋」も論外ですが、同様です。「少しの距離だから」と、煮立った鍋を膝の上に乗せて運ぶようなことは決して行わないでください。
バランスの悪い”もも”の上に乗せて、うっかり倒れて、こぼしてしまう。なんてこともあります。「その場でズボンが脱げなかったので、ちょっと時間たってから見たら、腿の上全部が火傷してました。」
座っている時間の多い車椅子ユーザーにとって、うつ伏せに寝て股関節のストレッチが不可になります。腿の上は、よくモノが触れたり、洋服の脱ぎ着でも触れてしまう部分です。治りかけても触って皮が破れて、を繰り返し、直すのに、かなりの注意と時間がかかってしまうことでしょう。
熱を通さないトレーを使う。ドリンクホルダーに入れる。缶コーヒーなどはタオルなどに包む。など手で持って熱いと感じたものは、脚も熱いです。
2、焼き肉のテーブル下が熱々
外食の機会は減っているかもしれませんが、焼き肉など鉄板が備え付けられているテーブルがありますね。
車椅子に座っていると、椅子に座るより、膝の位置が高く、膝や脚がテーブルの下で当たってしまうことがあります。中には、テーブルの下側が熱くなっている場合があるんです。
全然気付かなかった
テーブルの下が熱かったとは
高温という場合もあり、表面だけでなく、見た目以上に深い重度な火傷になる場合もあります。焼けてしまった細胞を切除し、大きく怪我した部分を治すのには非常に時間もかかります。
テーブルに案内されたときに、テーブルに脚が当たらないかチェックすると思いますが、鉄板などが備え付けられているテーブルは、途中でテーブルの下の温度を確認しましょう。
3、お風呂の給水口
やっぱり湯船につかって温まりたい♡温まっていただきたい。ですが、湯船に入っている際、「追い炊き」で給水口から熱々のお湯がでてきていませんか?
そんなに熱いとは思わなかった
給水口からは結構熱いお湯が出てくる場合もあります。低温でも長い間、素肌に直に当たっていれば低温火傷という場合もあります。
最初から座る位置を注意する。途中で身体の姿勢を変える。などリラックスしつつも、要注意です。
4、ホッカイロの恐怖
どこでも貼れる、どこでも入れらえる、カイロ。
貼ったまま寝ちゃった
ポケットに入れておいた
足裏に貼ってた
服の内側だから大丈夫だと思って
火傷の原因No.1と言っていいほど、本当に多いです。どこでも、手軽に使えるカイロだからこそ、十分に注意が必要です。
カイロの貼れるところ、全身が火傷になってしまう可能性をもっています。これは、「気をつける」しかありません。洋服1枚、2枚はさんだだけでは、カイロの暖かさは防ぐことはできません。場所によって「数分ごとに置く場所を変える」くらいの気遣いをしてください。
カイロを悪く言う気はありませんが、気をつけられない方は、使わないでください。絶対火傷します。と強く言いたいです。
5は次編に続く。。。
火傷をすると
日常生活で、常に火傷をした部分を保護するよう気をつけたり、火傷の場所によっては座っている時間の制限、ベッド上で生活しなければならなかったり、アクティブに動けず運動やトレーニングの制限が出てしまう場合もあります。
治療中に火傷部分から悪化したり、重度になれば、脚自体を切断。という原因にもなりかねません。
上記のようなモノを使用する際は、十分気を付ける。
ブランケットや厚手の服などで代用する。
麻痺部も動かすことによって、自ら温める。
など、工夫して、火傷のない、楽しい冬をお過ごしください。