47. 難っ!~入試問題(英語)を読む【2024年度福岡女学院中学校】~
小学校での英語が必修となり、中学入試にも英語を導入する学校が増えていると聞きました。
ネット上に過去問を公開している学校も多くあり、興味を持って何校かの過去問を拝見しました。
中でも、リスニング音声を公開いただいている福岡女学院中学校の2024年度入試問題をレビューいたします。
1. リスニング
まず、大問5問から成るリスニング問題から始まります。
音声は日本語による指示も英語による出題も、自動音声によって作られています。
音声のスピードはゆっくりで、問題は2回流されます。
英検4級の音声と比較すると、福岡女学院中学校の音声は、リズムに配意し、より自然なイントネーションを意識した音声でした。
印象として、英検3級の音声に近い速度(聴解難易度)だと感じました。
問題文には、序数、現在進行形、比較級の表現が含まれていて、小学校英語素人の私は驚きました。
続いて、wh-のオープンクエスチョンの聞き取りや、数値を聞き取らせて計算させる問題が続きます。
まるで中学校のリスニング問題のようで、予想を超える難易度にのっけから驚かされました。
小学生がこの問題を解くのですね・・・。
2. リーディング
次に、大問7問から成るリーディング問題です。
会話の空欄補充、和文英訳の並べ替え問題、イラストや図表を用いた読解、そして最後に長文が2問です。
過去進行形、熟語・慣用表現が並んでいます。
イラストや図表を利用した問題は、ヒントが視覚化されていますので、ここは得点源となりそうです。
長文は、現在形の表現が並ぶ評論風のものと、過去形(不規則活用)の表現が並ぶ物語調の計2題です。
長さは、英検3級で出題される長文とほぼ同じ文字量でした。
この問題に小学生が臨むとは。驚きです。
指導する側の苦労を想像してしまいました。
3. 総括
明らかに、小学校での内容を超える文法事項が出題されており、専門塾での対策が必要だと思います。
英検のレベルとは単純に比較できませんが、英検4級(中学校中級程度)の知識は必須だと感じました。
英検3級までの知識があれば完璧ですが、合格点突破を目指すなら、英検4級の知識と過去問演習で対応できそうです。
初めて中学入試の問題を目にしましたが、これは教える方がきちんと考えて取り組まなければならず、責任の大きさを感じました。
今後、数年分の問題にふれられれば、さらに踏み込んだ分析ができると思います。
今回、福岡女学院中学校の入試問題から得た教訓はたくさんありました。
問題を公開している中学校は多かったのですが、音声を公開している学校はあまりなく、リスニング問題の音声に行きついた時は、福岡女学院中学校の懐の深さに心から感謝いたしました。
公開いただいてありがとうございます。