おうち英語派の憧れ校になる!?昭和女子大学附属昭和小学校の変化
国際教育界隈を揺るがすであろうビッグニューズが飛び込んできました。
2024年4月に開講される昭和女子大学附属昭和小学校の国際コース(仮称)がケンブリッジ国際認定校として認められたそうです。
今回は、こちらのニュースを追いかけてみたいと思います。
ケンブリッジ国際認定校とは
ケンブリッジ国際は、国際標準化された教育カリキュラムの1つです。
日本で有名な国際標準カリキュラムといえば「国際バカロレア」がありますね。いわゆる IB と呼ばれるものです。それに加えてこのケンブリッジ国際、この2つが、国際標準化されたカリキュラムの2トップと言っても過言ではありません。
国際バカロレア(IB)は、良き地球市民を育成の目指す、比較的意識の高い教育理念を特徴とするのに対して、ケンブリッジ国際は、言うなれば、古き良きイギリス伝統の教育スタイルを特徴としています。
また、国際バカロレア(IB)は、文科省がかなり熱心に導入を進めており、今年の春には国内の認定校数が200校を超えました。理由はおそらく、日本の教育の考え方と近いところがあるからでしょう。早期に専門化せず、さまざまな分野を幅広く学ぶ点において日本型教育との共通点を感じます。
一方のケンブリッジ国際は、国内で学べるところがまだ少なく、現時点では10数校~20校程度。かつ、そのほとんどがインターナショナルスクールとなっており、文科省の学習指導要領に基づいていないカリキュラムで学ぶ学校です。
今回、報じられた昭和女子大学附属昭和小学校は、日本の一条校(文科省の学習指導要領に基づいた学校)でありながら、ケンブリッジ国際にも認定されました。
同様の学び方をしている国内の学校は他にもいくつかあります。
工学院大学附属中学校・高等学校や、数年前に星美学園中学校高等学校から名前の変わったサレジアン国際中学校高等学校、そして来春から始めることを宣言している上野学園中学校・高等学校です。
しかし今回、昭和女子大付属昭和小学校は、日本の一条校の小学校として初めてケンブリッジ国際認定を受けました。その点が画期的だと思っています。
国際標準化された教育カリキュラムのメリット
ケンブリッジ国際認定のカリキュラムで学ぶとどのようなメリットがあるのでしょう。最大のメリットは文字通り、国際標準化されている点です。
ケンブリッジ国際認定のカリキュラムで最も有名なのは、高校を卒業した後に取る資格( A level )。A levelは、高校卒業資格 兼 大学入学資格となっています。この資格を持っていると、イギリスやオーストラリアの大学を受験するのがスムーズになるのです。
日本では、高校を卒業した後に、高校卒業資格が与えられ、その資格をもって大学進学をします。しかし、イギリスやオーストラリアの大学へは日本の高校卒業資格では直接進学ができないのです。
その代わりとして、ファンデーションコース(大学準備コース)と言われるコースがあり、ほとんど場合はこちらに1年ほど通い、これだったら大学に進学しても大丈夫と“お墨付き”をもらってから、現地大学に進学するという段取りとなります。
ケンブリッジ国際認定のカリキュラムで学び、卒業時の試験で A level 資格を取っていると、こうした回り道をせず、直接進学ができます。時間的にも費用的にもロスがなく、それらの国の大学に進学することができるのです。
当然ながら、アメリカなど、イギリスやオーストラリア以外の国の大学であっても、そのまま出願・進学することができます。
今回、昭和女子大学附属昭和小学校は、あくまでも小学校が認定されましたという位置付けですので、まだ、中学校や高校はケンブリッジ国際認定のカリキュラムとはなっていません。
しかしながら、もし今後、中学高校の中等教育課程も認定されることになったとすると、一気通貫、海外の大学まで行けるカリキュラムとなり、しかも、国内の大学進学にも対応できる学校となりますので、本当に画期的だと感じます。
英語イマージョン教育環境にも注目
もう1つ注目したいのは、英語イマージョン教育環境です。国際コースに限って言うと、授業内容の6割以上を英語で学ぶ環境となっています。
具体的に言うと、国際コースは、国語・社会・道徳以外の科目を英語で学ぶようです。日本の文化や歴史と密接に絡んでいる国語や社会、道徳に関しては、日本語で学び、理数系科目を中心としたそれ以外の科目は英語で学びましょうという建てつけです。かなり英語教育にも力を入れてるのがわかるかと思います。
最近、本当に「おうち英語」の話題をよく目にし耳にしますが、 幼児期に英語教育に力を入れていても、就学後に学びを繋げていくのがなかなか難しいという課題があると捉えています。
その時の「出口」というか、「入口」の1つとして、この昭和女子大学附属小学校は、かなり良いポジショニングになるのではないかと門外漢ながら感じるところです(わが家はおうち英語をしないまま子どもたちが大きくなりましたので、現役の親御さんの温度感はわかりかねるのですが…)
変革を進める昭和女子大学
昭和女子大学、今回ニュースとなった附属昭和小学校だけではなく、附属の中学・高校、そしてもちろん、大学もあるのですが、グローバル教育に真摯に向き合っている学校だと近年の動きを見て感じています。
総長はどなたかご存知でしょうか。
『女性の品格』を書いた坂東眞理子先生です。2016年からこちらで総長をお勤めになり、教学の部分でもリーダーシップを発揮されています。
個人的に1番グッとくるポイントは、大学でダブル・ディグリーが取れる点です。学校の敷地内にアメリカのテンプル大学もありますが、それだけではなく、例えば、中国の上海国交通大学やオーストラリアのクイーンズランド大学などとも協定を結んでいます。いずれも世界大学ランキングでも50位前後と、かなりの上位に位置づけられる名門大学です。
大学入学後、昭和女子大学で3年学び、追加の2年を現地で学ぶ。そうすると、昭和女子大学の学位も取れるし、提携大学の学位も取れる。2重に取れるんですね。これはすごく良い制度だと思います。
そして、このダブル・ディグリー制度、昭和女子大学の授業料で現地大学の学費も設定されているんです。昨今、海外大学の授業料は著しく高騰しています。それが日本の大学の授業料で学位取得まで可能になる。
意欲さえあれば、非常にリーズナブルに、グローバルな経験と、良い学位を得られる。すばらしい制度だと受け止めています。
最後に
こうした国際教育の先進的な取り組みは、これまで、どちらかというと新興校や、イメージチェンジを企図した学校が手がけることが多かったように思います。
名門校・伝統校と呼ばれるような昭和女子大学附属昭和小学校がこのようなかたちで変革を進めていくのは、1つのターニングポイントなのかなとも感じます。
来春から始まる昭和女子大学附属昭和小の国際コースは定員が36名とのことで、まだまだ規模は小さいですが、こうした動きが広がっていくと、他にも追随する学校は出てくるでしょうし、興味深い展開になっていきそうな気もします。期待したいと思います。
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