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東京大学「カレッジ・オブ・デザイン」ってどんな学部になりそうなの?

2025年1月31日(金)に開催されました 第10回価値創造デザインフォーラム に参加しました。

予想通り、完全アウェイで涙目だったのですが泣、大変興味深い話を聞くことができ、勇気をふりしぼって行ってよかったです。


生産技術研究所所長時代から「デザイン」の重要性を強調されてきた藤井総長。そのリーダーシップのもと、工学や技術の枠を超え、社会システム全体の変革を視野に入れた広義の「デザイン」の推進が現状どこまで進んでいるのか。

そして、その取り組みは、2027年秋にスタートする新課程「College of Design」のなかでどのように活かされるのか。

個人的な関心事項はこのあたりになります。

藤井総長は2025年の年頭挨拶でもこのようにおっしゃってました。

私が重視している「デザイン」は見映えのよさの追求にとどまらず、学びや研究を設計し直し、多様な知を結集して、直面する世界の諸問題を解明し解決する、あるいは新たな価値を創造する、そうした考えや行動を組み立て、そして実施することです。

諸課題について、できるだけ多様な立場の人びとが一緒に考えることが重要であり、女性や留学生、さらにはさまざまな世代の方々にもっとキャンパスに集まってもらう必要があります。その際、「学際」や「学融合」の理念がもともとそうであるように、デザインにおいてもまた対話を通じて共同で行うことがきわめて重要です。制度や慣習にしばられない自由な対話なくしては、理想を深く掘り下げることも、事実を共有することも、さまざまな知恵を結びあわせていくこともできないでしょう。

昨年11月に開催した東京フォーラムでも、デザインの本当の力は「co-design」にこそあるという話がありましたが、人びとがともに解をみつけようとするなかで、真剣な対話が生まれ、意外なイノベーションを生みだす力が育っていくのだと思います。

2025年 藤井総長年頭挨拶|https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/z1304_00111.html


東大のデザイン教育の今

東大では現状、主に大学院生を対象にデザイン人材の育成がはかられているようです。思考法から総仕上げにいたるまで、さまざまな教育プログラムが展開されています。


また、産業界向けにも教育プログラムを提供。


2024年9月からは、第一線の実践者・専門家との対話と、手を動かす活動を組み合わせた社会人教育プログラム「UTokyo Design School」もスタート。

民間企業・行政・教育研究機関・コンサルタントなど、幅広い分野の社会人を対象に学びが展開されています(デザインの実務経験は不問)


UTokyo College of Design(CoD)の全貌

さて、ここからが本題。

東大は、2027年秋に新課程「 College of Design(CoD) 」を開設予定であると発表しています。


この発表からおよそ1年、ここまで追加の情報に乏しく、なかなか全容が見えてきませんでした。そうこうしているうちに2025年となり、開設まであと2年しかないことを考えると、そろそろ情報公開してもらわないと学生募集にも影響が出るのでは!? と余計な心配をしてしまいます。受験生たちも志望校検討や出願準備に時間が必要ですからね。

おそらくは、大学院生&社会人向けの教育プログラムで得たノウハウを結集し、学部生でも学べるようなものとして建てつけ直したものになるのでしょう。フォーラムで発表された資料からもそんな雰囲気が感じ取れました。

スライドには、リーダー(Change Maker)だけでなくクリエイター(Future Shaper)も育成するのだと書かれてあります。それがどのような人物像なのか、詳しい説明はありませんでしたが、ビジョンを語るだけでなく、自ら手を動かせるところに力点が置かれているのではないかと想像します。

そして、もうひとつ。College of Design(CoD)そのものがひとつの課程でありながら、全学共通基盤としても機能することを考えているようです。

分野横断は東大のみならず、多くの大学で理念として掲げられますが、実際に運用するとなると大きな壁に阻まれると聞きます。

ディシプリン(特定の分野を体系化し、方法論や概念、枠組みを共有する専門領域)を持たないことは柔軟性がある反面、強度が低くなるのも指摘されるところです。

まったく違う分野に入っていくということは、その分野のコモンセンスを共有していないということ。そこには創造的な摩擦が生じる。たがいの異なるものの見方を通して新たな価値判断の基準をつくりあげていかなければならない。

フォーラム後半の対話では、こうしたお話もありました。

このような理想的なありかたをどうシステム化し実践に落としていくのか。課題の解決をめざすのがデザイン思考の真骨頂。そのデザイン思考を通して自らに突きつけられた課題をどのようなアプローチで解決していくのか。注目したいと思います。


入試とカリキュラムに関して新たにわかったこと

入試やカリキュラムについては、これまで発表・報道されてきたことから大きく変わるところはなさそうでした。

おさらいもかねて、これまで公表されてきたことと、スライドや発表を通して今回(私として)新たにわかったことをそれぞれまとめます。

◆入試について

〈これまで公表されていたこと〉
・1学年100名程度
・グローバル入試を実施し、日本国内を含め世界から学生を受入
・入学時期は秋、従来の大学入試にとらわれない新しい選抜方法で、多様性を確保

〈新たにわかったこと〉
・国内生が50-60%、海外生が40-50%を想定
・重視する多様性のなかには年齢も入れたい。
 (浪人生、ギャップイヤー組、社会人など門戸は広く開かれそうです)

◆カリキュラムについて

〈これまで公表されていたこと〉
・授業はすべて英語で実施
・学士課程&修士課程一貫の5年制課程
・学生自身がテーマを選定した上で気候変動や医療、教育などさまざまな分野を横断的に学べるようにする

〈新たにわかったこと〉
・デザインの基本的な知識技能を学びつつ、年次があがるにつれてプロジェクトを通して実践していく
・修士課程はチームプロジェクトと個人プロジェクトの2本立て
・学士課程では個人の関心や問題意識に従い分野選択を行う。現状想定されているのは以下の6領域
 - 環境持続可能性
 - メディア コミュニケーション
 - AI テクノロジー
 - アート人文科学
 - ビジネス経済
 - ヘルスケア ウェルビーング
 (※将来的に適宜開設)
・学士課程のうち約1年間はオフキャンパスの学びとして留学やインターンを行うことを想定

大学の学びの基盤ど真ん中に打ち込まれることになる「デザイン」。

これによってどのような化学変化が起こるのか楽しみです!

Voicy でも取り上げました

こちらの記事の内容を Voicy でも取り上げました。記事には盛り込めなかった個人的な雑感なども話してます。あわせてどうぞ!

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