総額2000万円⁉︎ ハロウ安比の新奨学金制度
先日、YouTube でとあるチャンネルを見ていたんです。
「インターナショナルスクール ch」というチャンネルだったのですが、そこで国際教育ジャーナリストの村田学さんが、ご自身で作られた「近年開校したスクール一覧」という業界マップを公開されてました。
これを見て、ここ数年でインターナショナルスクールや国際系の学校が増えたなと改めて感じました。世はコロナ明けムード。もしかしたらここからペースが上がって、さらに増えるのかもしれません。
そうした最近誕生した学校のひとつに「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン(Harrow International School Appi Japan)(以下ハロウ安比)」があります。
この学校が、2024年の秋に高校生向けの課程(シックス・フォーム)を新しくはじめるということで、それに合わせて新しい奨学金制度を発表しました。
この記事では、このハロウ安比と新奨学金制度について取り上げていきます。
奨学金の対象者
ハロウ安比が開校したのは2022年のことでした。
日本の小学校高学年にあたる課程(プレップスクール)と、日本の中学生にあたる課程(シニアスクール)の教育は、今すでに行われています。
そして、来年2024年の秋に日本の高校課程にあたる2年間のシックス・フォームが新しく誕生します。それとタイミングを合わせるかたちで新たな奨学金制度が発表されました。
どのような内容かと言いますと、いわゆるフルスカラシップです。学費と寮費の全額を奨学金として受け取ることができます。
シックス・フォームは2年制ですので、2年分の学費・寮費ということになります。1年間の学費と寮費が約1000万円ですので、総額にすると約2000万円。かなり大型の奨学金制度であるのは間違いありません。
対象者となる生徒
奨学金制度にエントリーできるのは今、中3~高1の学年(の一部)となります。
新年度のはじまるタイミングは春入学の日本と秋入学のイギリスでは違います。よって学年の考え方も違っていて、対象となるのは、2007年の9月1日以降に生まれたお子さんから2008年の8月31日までに生まれたお子さんとなります。
平たく言うと、高校1年生で9月から3月末の間に生まれた生徒。そして、中学3年生で4月から8月末までの間に生まれた生徒が対象になるわけです。
ここがちょっとややこしいところなので気を付けていただければと思います。
イギリスの学校の種別とハロウ校
ハロウ安比の「ハロウ」は、イギリスにあるハロウ校という、とても有名な学校の名前から来ています。名門パブリックスクールのひとつですので、名前くらいは聞いたことがあるかもしれません。
イギリスのパブリックスクールは「公」を示す「パブリック」という言葉が使われているのですが、実は公立の学校ではありません。“有名私立学校” くらいなかんじで受け止めてもらえればいいんじゃないかと思います(ややこしい)。
日本で言うところの公立学校は、イギリスではステートスクールと呼びます。
それとは別にグラマースクールという学校もあり、一般に学力選抜があり、比較的学力の高い生徒が集まります。日本では国立の学校をイメージしてもらえると近いかもしれません。
そして、ステートスクールと、グラマースクールとはまた違うタイプの学校として、インディペンデントスクールという独立系の学校があります。日本で言うところの私立学校ですね。
そのインディペンデントスクールのうち、名門とされる約200校ほどがパブリックスクールと呼ばれます。寄宿舎があり、校舎が豪華で、富裕層の子弟が集まる、そんな映画やドラマの中の「イギリスの学校」を体現しているのがパブリックスクールです。
さらにさらに、その200校ほどあるパブリックスクールのなかでも、特に有名な学校が9つありまして、その9つのパブリックスクールを総称して「ザ・ナイン」と呼んだりします。
泣く子も黙るザ・ナイン。有名どころでいくと、歴代イギリス首相を20人前後輩出している超有名校イートン校。そして、そのイートン校と並び称されるのが、今回話題になっているハロウ校なのです。
ただ、ハロウ安比はハロウ校直営の学校なのかというと、ちょっと違います。中国を中心としたアジア圏でハロウ系のインターナショナルスクールを幅広く展開している AISL(Asia International Schools Limited) という会社があるのですが、そのグループの1つがハロウ安比、ということになっています。
経営が違うということは質も違うのか?と気になるところですが、おそらくのれんを貸している以上は、質に関しても一定の面倒を見てるんじゃないかなと思っています。
奨学金の背景と挑戦のすすめ
話を奨学金に戻します。
AISL がアジア圏で運営する学校はいずれも同じような奨学金制度を持っていまして、今回、その枠組みのなかで同様のセレクションをするのであれば、学業に秀でた生徒だけじゃなく、アートやスポーツなど様々な分野で秀でた生徒を対象とするんじゃないかと思います。希望的観測なんですけれども。
多様な分野で活躍してるお子さんたちを集めると、環境的にもすごく豊かなものになりますので、そういった効果を狙っているのかもしれません。
もうひとつ、背景で考えられるのは、2年後の進学実績を下支えする意図です。
新しく学校をつくったものの進路があまりパッとしないと「なんだ、大きく宣伝していたわりにはイマイチじゃんか!」という評判になってしまいます。
ですので、見栄えのする合格実績や進学実績にするためには、基礎学力のある生徒を集めるための施策が必要なのかなと、これは邪推ですけれども、思ったりしています。
普通の日本の学校の生徒でも大丈夫
このハロウ安比の新しい奨学金制度を知った当初、もしかしてイギリス系のカリキュラムを学んだ子だけが対象になるのかな?、なんて思ったんです。
というのも、AISL の奨学金制度には、GCSE あるいは IGCSE と呼ばれるイギリスの中学校卒業時の試験で好成績を残した生徒が対象となりますという条件があるからです。同じ条件が適用されるならば、イギリス式のカリキュラムで学んだ生徒じゃないと対象になれないのかなと思ったんですよね。
この点に関して、ハロウ安比の広報に直接問い合わせてくださった方によると、必ずしもGCSE/IGCSEでなければならないわけではない、広く門戸を開きます、というお答えだったそうです。
ですので、日本の普通の学校に通っている生徒さんでも対象になり得ます。ちょっとでも興味があれば挑戦を検討してみてはいかがでしょうか。
※ 奨学金申し込みの締め切りは【12/8】とのこと。お早めに!
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