100ミリちょっとの (Fishmans)
ドラム日記 第34回
ドラム日記の中のミニコーナー、ビートシリーズ第7回はついにFishmansです。
この「100ミリちょっとの」でボクはFishmansを知りました。思い出深い曲。
「90日間・トテナム・パブ」という坂井真紀さん初主演?ドラマの主題歌でした。オール海外ロケ。オッケーバブリー!!
トテナムパブは、松雪泰子さんの初主演作品であるバナナチップス・ラブの後続の番組でしたね。たしか。
あの枠、ほんと面白かった。あの頃の8chはイケてた。
バナナチップス・ラブ好きだったなー。松雪さん大好きだったからなー。大好きすぎてビデオも買いました。状態あんまり良くないけどまだ観られるのかな?
あれ、何の話ですっけ?
そうそう、Fishmansでした。
◇◇◇
あの頃は、スカとかダヴとかレゲエとかが市民権を得てきてて、BEAT UKでもダヴMIXなんかで溢れてました。カッコいい低音ブリブリなダンスミュージックがたくさんありました。
「100ミリちょっとの」は歌謡曲ぽく作られていて、あまりレゲエ感・ロックステディ感ないので、最初はFishmans=レゲエという印象ではありませんでした。
その後、アルバム買って、昔の曲も聴いたりして、そして田舎から東京に出てきたばっかりで、はしゃいで渋谷とか下北とかによく通ってたボクは、あの街の持つ独特な雰囲気も理解し、Fishmansの世界観の正体も知りました。
懐かしいな。あの頃楽しかったな。
ただ、カッコいい音楽やってるな、心地いいな、Chillいな、という感じで、Fishmansというバンド自体にどハマりしたわけではありませんでした。なのでライブに行ったりもしませんでしたし、この頃はまた欣ちゃんのこともよく知りませんでした。
その後、ポリドール移籍したくらいから、ボクは社会人なんていうつまらない者になってしまい、Fishmansもあまり聴かなくなりました。なので実は、ナイトクルージングとか世田谷3部作とかってあんまりリアタイでハマったりはしていないんですよね。いま考えると、もったいなかったなって思います。
そして。
佐藤さんが亡くなったニュースが耳に入り、またすぐにスカパラの青木さんが亡くなったニュースも聞くことになり、喪失感からFishmansとスカパラを遡ってまた聴くようになって。
そしたら欣ちゃんがスカパラに入るようになって。
人生ってタイミングですよね。
◇◇◇
Fishmansって、不思議な浮遊感とか脱力感とかあると思うんですけど、レゲエビートによるところは大きいのかなって思います。
レゲエのリズムといえば、んっちゃっ!んっちゃっ!ていうやつですよね。
レゲエはスカが歴史を経てゆったりになったやつ、っていうくらいの知識。その途中のロックステディとレゲエの違いは正直聴いてもわかんないです。
ボクは、レゲエはコンピレーションアルバムでいろんなアーティストの曲を聴くのが好きですが、思いっきりレゲエと名乗ってるコンピレーションよりも、ラヴァーズ・ロックというまとめ方しているアルバムの方が好きかも。
ラヴァーズ・ロック (Lovers rock) はレゲエのサブジャンルの一種。歌詞の主題は主に恋愛やロマンスであり、甘い質感のあるサウンドを特色とする。1970年代中期のロンドンで誕生した。
でも、よくよくコンピとか聴いてみると、ジャンルなんてけっこうごちゃごちゃです。
ジャマイカの文化背景はいろいろあって、ほんとはそれも含めて聴いたら、よりエモいんでしょうけど、ボクみたいな雰囲気リスナーとしては、甘いボーカルが乗っかった、ゆったりなラヴァーズ・ロックが好きです。
Wikipedia先生によると、
レゲエにおけるドラムビートは、「ワンドロップ (One Drop)」、「ロッカーズ (Rockers)」、「ステッパーズ (Steppers)」などに分類することができる。
だそうです。ほっほーぅ。
以下、大好きなラヴァーズ・ロックのコンピから、曲をチョイスしながらお勉強してみたいと思います。
◆ワンドロップ
これが、みんながよく言う、いわゆるレゲエビートなんですね。
1拍目にアクセントがなく、3拍目のみがスネアドラムのリムショットとバスドラムによって強調される。
今は、スネアは3拍目というのは守られても、バスドラは結構いろいろ入ってますよね。頭にも入るし、4つ打ちだったりもします。
Wikipedia先生には、他にもレゲエの特徴として、面白いこと書いてあります。
・フィルインではクライマックスになってもシンバルをたたかない。
・バスドラムの中にたくさんものを詰め込んで、深くドスンとパンチのあるタイトな音にする
・ライドシンバルは使わない。ハイハットでタイムキープする。アクセントにはディケイの早い(音が早く鳴りやむ)薄いクラッシュシンバルを使う。
派生ジャンルでは、もう何でもアリな感じで、上記に沿わないのもたくさんありますが、まあでもわかるー!って感じです。
◆ロッカーズ
典型的なロックドラムのようにハイハットで4分音符にアクセントをつけているパターンのようである。
引用
https://yujihb.hatenablog.com/entry/2019/05/26/010239
↑こういうことですかね?
曲で言うとこんな感じなんでしょうか?↓
ハットがチキチキいってます。ただしこれはちょっとハネてる。
これが進化してダヴになったんですかね。こうなってくると、ロックとかポップスとかとの違いもわかんなくなってきます。
◆フライング・シンバル
Wikipedia先生曰く、
ワンドロップのドラムに、通常はギターやキーボードが強調する2拍目、4拍目をハイハットのオープンショットによって強調する奏法。
これはまさにドラムだけでやるレゲエビートですね。
ダンスビートにも通じます。
◇◇◇
4分の裏、いわゆるバックビートのギターやシンセのアクセントイメージが強いですが、ノリノリなレゲエビートでは、8分の4つ目のウラも音を変えて強調されるのも実は特徴。ツツタド ツツタド。
つまり、レゲエビートはウラだらけなんです。
なので、ウラ耳を鍛えるにはもってこいです。電車で聴いてるだけでウラに馴染むことができます。
これって、めっちゃ8ビートの練習にもなるんです。ハイハットをアップダウン。スネアを大きいリズムで感じてスコーン!と抜けた音で叩く。4分/8分シンコペーションの感覚だって掴めます。4分/8分でアクセント移動の練習にも使えます。
すごーい。
レゲエにだって、三連ハネもあります。スウィングレゲエ。
あと、たまに聞く、リディムという言葉もレゲエ用語なんですね、知らなかったー!
↓Wikipedia先生。
また「レゲエのリズム」のことをジャマイカ英語で「リディム」といい、曲名ではなくリディム自体に名前がついていることも多い。
リディム(Riddim)とはヴァージョン(Version)とも呼ばれ、ドラムと特徴的なベースラインで演奏されるレゲエのリズム体である。このジャマイカ英語(パトワ)の言葉は、英語の「リズム(Rhythm)」が変化した言葉であり、他の音楽ジャンルでは、グルーブやビート、トラックなどと呼ばれている。リディムという言葉が用いられるのは、レゲエとその派生ジャンル(ラヴァーズ・ロック、ダブ、ラガマフィン、ダンスホール・レゲエなど)においてである。1990年代以降はR&Bやレゲトンでもリディムが用いられることがある。
◇◇◇
レゲエの簡単なお勉強した後で、Fishmansにもどります。
初期のNeo Yankees' Holiday、Chappie, Don't Cryは「いわゆるレゲエビート」な曲が多いですね。
その後は、レゲエがさらに進化したように、どんどんいろんなタイプの曲、エレクトロで、ロックで、ポップで、複雑なリズム、まさに欣ちゃん!て感じの曲が増えます。
タイトルにした「100ミリちょっとの」なんて「いわゆるレゲエ感」はめっきり薄くて、ちょっとカッコいい歌謡曲って感じ。
ハイハットの4分のウラが強めなのが、なんとかレゲエぽさを保ってる。一応ウラにタンバリンみたいのも入ってて、強調はされてますね。
あとボーカルのメロディラインの落とし方もレゲエっぽいんですねたぶん。
狙ったのか、ビジネスなオトナに言われたのか、わかりませんが、まあでもいい曲だな。
絶妙なレゲエ感とポップ感。やっぱ好きです。
◇◇◇
あれ。欣ちゃんについて触れるまでもなく、なんかいらんことたくさん書き殴っちゃいました。まあボクみたいなど素人に、欣ちゃんの何がわかるんだ、と言うところなので、こんなところで。
そうそう、この夏に映画化されますねえ。つい先日、完成したというツイートが。
楽しみですねえ。想像しただけで泣けてきますねえ。
次回はまたビートシリーズお休みして、宇多田さまのある曲について、わー!きゃー!言わせてください。