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Studio Visit : Khadija El Abyad
Bonjour! ラバトに来て3日目、今日はアーティストのKhadija El Abyad(カーディジャ・エル・アビヤッド)の取材に行ってきました。これまで使ってたスタジオは雨漏りでダメになり、現在は家族のいるモハメディアと故郷アガディールの実家を行き来しながら作家活動をしているというカーディジャの提案で、インタビューは彼女の仕事場であるアート・レジデンスの一室で行うことになりました。
彼女はモロッコの著名な美術評論家Abdellah Karroumが主催するアーティスト・レジデンス・プログラムL' APPARTMENT 22のコーディネーションを作家活動の傍行っているそう。若手アーティストにとってはモロッコ国内およびヨーロッパ各国の美術館やギャラリーでのエキシビション開催への扉を叩く登竜門的な存在のようです。カーディジャ本人も、あくまで自身の作家活動を主体としながら、将来的な活動領域を広げるためにここで働いていると言っています。
話がそれましたが、インタビューの方は友人の写真家ファティマが通訳のために来てくれたおかげで濃い会話ができたように思います。カーディジャは美大へ転入する以前はスペイン文学とフランス文学を専攻していたこともあり、言葉の選び方とセンスが抜群で、またその表現を巧みに英語に翻訳してくれたファティマの存在はありがたく感じました。
インタビューの後は、即興で手元にあったマテリアル(ストッキングとハンガー、彼女が2年間収集している自身の髪の毛)を使って、インスタレーションパフォーマンスが始まりました。僕は夢中でシャッターを切るあいだ、カーディジャは次の瞬間には消滅していくその場限りのアートを生み出し続ける。それは美しくて儚くてまさに彼女の作品そのものでした。
気づけばあっという間に2時間が経過し、僕らは旧市街のスーク(市場)の雑踏で撮影を行うことに。3人で写真を撮りながら市場の果物を手に取り、てんとう虫を捕まえ、何かを勘違いして言いがかりをつけてきたおじさんと大げんかをしたりして、巨大な迷路を彷徨いました。
終着点は、ラバト随一の名所であるAndalusian Gardensにある茶屋へ。打ち付ける大西洋の荒波に赤茶の城壁が見事なカスバ・ウダイヤを眺めながらミントティーをいただきました。
「あなたにとってアートとは何でしょう」
「私自身でしょうか。私が私であることにすべての意味があります」