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日常に潜む非日常⑨「パラサイト 半地下の家族」

韓国にこんな諺がある。


「幸せは分け合えば倍増し、不幸は分け合えば半減する」

ドイツの詩人・シラーは幸福ではなく友情で例えたが、なるほど、これも一理ある。日本では幸福を分けるという考え方は貴重なのではないだろうか。情けは人の為ならず、辺りか。でも日本では何方かと言うと陰口を言って不幸を分け合っている方が多い気がする。

他人の不幸ほど自分の無駄なプライドや劣等感を覆い隠す蜜は無い。

「パラサイト 半地下の家族(2019)」

韓国と言えば何を思いつくか。
国を上げての受験戦争?生まれた時から決まっている貧富カースト?徴兵制度?嫌日?慰安婦?似たような顔立ちと容姿のKーPOPアイドル?……挙げて行けばキリがない。


そもそもこの映画を知ったきっかけは、アカデミー賞やパルム・ドールを取るよりも前、日本公開が決まった頃Twitterに流れてきた韓国版フライヤーだった。

フライヤーからビンビン滲み出るこの不穏な空気よ。

ハングルは全く読めないからなんて書いてあるか分かんないけど、こんなの見せられて観に行かないわけが無い。
フライヤーでこれ程までに人を惹きつける作品もなかなか無いのでは無いのだろうか。それだけに日本版のフライヤーには左下の足が消されてたりしててちょっと残念だった。
ちなみに原題タイトルは「寄生虫」。どストレート過ぎる。

登場人物は主に2組の異なる家族から成る。
全員失業中、内職で細々と生きる薄汚い半地下のアパート暮らしのキム家
片や高台の大豪邸に住み、何不自由ない生活を送るIT企業を運営するパク家。
大まかなあらすじとしてはキム家長男のギウが友人からパク家のご令嬢の家庭教師の代理を依頼され、そこからパク家に文字通り”寄生”していく…のだが、パク家の住む邸宅にはパク家も知らない”秘密”があった、というかなりエッジの効いたスリラー作品である。

家族ごとに異なるカメラワーク、ウィットに富んだブラックでシュールな笑い、そして息をつかせぬ怒涛の展開。CMを観てかつ作品を観た方なら分かってくれると思うのだけど、この作品に無駄なシーンなんてひとつも無いんですよ。それだけに瞬きすら出来なかった。見ることに全集中したお陰で体力を使い、鑑賞後韓国料理屋に直行した。

件のTwitter

フォロワーの中には「CMが怖くて見られなかった」という人もいたが私はガッツリ味噌チゲも食べてました。
作中に出てくる例のラーメンはまだチャレンジしてないので、近いうちにお肉買って挑戦します。

ちなみに同じような好奇心で観て死ぬことになった映画のレビューはこちら↓

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