【読書記録】生き物の死にざま ~はかない命の物語~
先日、本屋さんで購入した「生き物の死にざま はかない命の物語」を読了しました。
「生き物の死にざま ~はかない命の物語~」は、以前記事にした「生き物の死にざま」の姉妹本という位置づけです。
取り上げられているエピソードは違いますが、本の構成は似なような感じになっています。
どんな本?
タイトル通り、色々な生き物の命の終わりを描いた本です。
「死」という重たいテーマを小説のような物語形式で紹介してくれます。
著者は稲垣 栄洋さん。職業は大学教授らしいのですが、難しい専門用語は一切なしにわかりやすく生き物を紹介してくれます。
著者について調べていたら東洋経済オンラインのこちらのページがヒットしました。本で取り上げられている内容が一部無料で読めたのでもしよければご参照ください。
チーターの話
今回も印象深かった動物の話を1つだけ取り上げようと思います。
この本で特に印象深かったのはチーターの話でした。
チーターというと肉食動物なので、他の生物を「食べる側」の動物です。狩りの成功率は40~50%で、ライオン(20%~30%)と比較して高いと言えます。
しかし、チーターは一度に5~6頭の子供を生むそうです。
(ちなみに、ライオンは2~3頭、シマウマは1頭)
たくさんの子供を生むということは、それだけ生存率が低いということ。たくさん産まないと生存競争に勝ち残れないということです。
ライオンよりも狩りの成功率は高く、シマウマを「食べる側」の動物でありながら、なぜチーターの生存率が低いのか。その理由が本書では紹介されていました。(続きは本書で)
生存競争の点で考えると、「食べる側だから有利」「狩りの成功率が高いから有利」とは一概にいえないんですね。生き残り競争の難しさを感じるエピソードでした。
最後に
本書で取り上げられている「死」はその生き物の特性だけではなく、人間社会の影響で引き起こる「死」についても書かれています。
例えば、
などです。
そのため、姉妹本の「生き物の死にざま」以上に命について考えさせられる点が多かったです。
最近は生きた動物にふれる機会が少なく、「生物の死」というのはどこか縁遠い感覚がありました。
そんな私にとって、この日常生活が「生物の死」によって支えられていることを再認識する良い機会となりました。