【合格体験記】ITストラテジスト試験に独学で合格した勉強方法
2023年春のITストラテジスト試験に合格しました。
この記事では、合格体験記として勉強方法や学習時間など、今後ITストラテジスト試験を受験する方の役に立ちそうな情報を残しておきます。
ITストラテジストとは
試験を開催しているIPAによると、ITストラテジストの対象者像は次の通り。
ざっくりというとITコンサルタント向けの資格です。
技術視点だけでなく、経営の視点も持ち合わせてIT戦略の立案できる人物像が求められています。
ITストラテジスト試験の難易度
例年の合格率は15%前後です。
他の高度情報処理試験も合格率がだいたい15%前後ですが、ITストラテジストは高度区分の試験の中でも特に難しい試験と言われています。
その理由として、経営の視点が求められることと、受験者にベテラン層が多いことが挙げられます。
普段、経営的な視点での業務を行っていない方の場合、まずは経営戦略について学ばなければ合格は難しいです。また、他の高度区分試験を経験している受験者も多く、その中での競争となるため合格にはしっかりした準備が必要です。
試験内容
他の高度情報処理試験と同様、4つの試験区分からなります。
午前I
選択問題。内容的には応用情報技術者試験の午前と同じ。
応用情報技術者or他の高度情報処理試験に合格していると免除も可能。
(1日がかりの試験なので、体力的に極力免除を狙いたいところ)
午前II
選択問題。ITストラテジストに特化した問題が出題される。
経営系の問題が増えるが、一般教養で乗り切れる問題も多い印象です。
午後I
長文問題。全4問中2つを選んで解答する。
問題の答えが文章全体に散らばっているので、システムアーキテクトを受験したときに比べると若干難易度高く感じました。
午後II
論述試験。全3問中1つを選んで論述する。
受験者が最も苦戦するのがココです。試験までにどれだけネタを準備できるかが勝負の鍵となります。
学習時間
学習時間は概ね200時間です。
私は2回めの受験で合格しました。
1回目:150時間程度勉強して不合格
2回目:50時間程度勉強して合格
初回は経営戦略、業界特性についての勉強不足、論文のネタにした業界の調査不足が不合格の原因だと考えています。
2回目の試験では、ITストラテジストのテキストだけでなく、経営戦略の本や業種別審査事典での知識の補完を行うことで合格に繋がったと自負しています。
勉強方法
各試験区分ごとに勉強方法、使用したテキストを紹介します。
午前I
私の場合、午前Iは免除でしたので受験していません。
(データベーススペシャリスト合格での免除期間がギリギリ有効でした)
仮に免除期間でなければ、応用情報技術者用の過去問道場を使用していたと思います。
スマホでいつでも学習できますし解説も充実しているのでテキストをあえて購入する理由はないかと思います。
午前II
本当は午前IIも過去問道場を使いたかったのですが、ITストラテジスト用の過去問道場は存在しないようです。そのため↓のテキストを購入して勉強しました。
※私が利用したのは2021年度版ですがリンクは最新のものにしてあります。
午前IIはそこまで難易度の高い試験ではありませんが、ノー勉で受かるほど簡単な試験でもないので、最低2周程度はしておいたほうが良いと思います。
ちなみにこの本は、ITストラテジストだけでなく、他の高度区分にも対応していますので1冊持っていると便利かもしれません。
午後I
午後Iもとにかく過去問演習を行いました。特別知識の求められる問題ではなく国語の問題なので、とにかく出題パターンを掴むのが効率的です。
私の使用したテキストはこちらです。
このテキストであれば解ききれないだけの過去問がついてきますので、午後Iはこの1冊があれば十分です。
午後II
ITストラテジスト試験対策の7割はこの午後II対策に時間を使いました。
論文試験はシステムアーキテクトでも経験していたのですが、1回目は論文でD評価となってしまい不合格でした。。。。
(やはり、求められるレベルがITストラテジストの方が高いのだと思います)
対策はまた別記事でもまとめようと思いますが、主な対策は次のとおりです
1.業界知識、経営戦略を学ぶ
論述の対象とした企業の事業概要、業界の特性、ビジネスモデル、経営戦略、etc…技術系の知識だけでは対応できない問に対して論述する必要があります。
業界の知識であれば、業界研究本や題材としたい企業のIR情報などが参考になると思います。
参考までに、私が勉強に使った書籍やサイトを載せておきます。
※業種別審査事典は買うより図書館で読んだほうがいいです(高いし重い)
経営戦略本は書店にいくつもあると思いますので、入門的なものを1冊読むとよいかと思います。
2.論文のもととなるストーリーを用意する
「1.業界知識、経営戦略を学ぶ」である程度の予備知識をつけたら、論文の元となるストーリを用意しました。(1回目の受験ではいきなりストーリーを作ろうとして微妙なできになってしまったので、事前知識は大事ですね)
ストーリー準備の参考に使用した本はこちらです。
自分の書こうとしている業界と同じ事例はないかもしれませんが、論文の組み立て方や、設問に対する答え方など、非常に参考になる本でした。
3.使いまわしできるフレーズを用意する
論文を書いていると、毎回使うようなフレーズが結構あります。
例えば
「論述の対象は〜〜〜」
「私はITストラテジストとして・・・」
「XX事業の特性は〜〜〜である」
etc…
これらは試験会場でフレーズを考えず事前に準備して置くことで時短を狙うことができます。試験までに極力たくさんのフレーズをストックしておくことをおすすめします。
4.時間を測って論文をかく
タイトル記載のとおりです。
いくら良い論文でも時間内に書ききれなければ不合格です。
時間を測って練習することで試験当日の時間配分を体で覚えることができます。試験までに極力場数をこなしておきましょう。
5.読み直して悪い点を修正する
論文を書き終わったら自分で読み返して悪い点を書き出していました。私の場合、自分で読み返して修正していましたが理想としては第三者に読んでもらうことです。
自分ではわかっていても読み手には理解できないことがあると思いますので、友人でも家族でも良いので誰かに読んでもらったほうが良かったなぁと思います。
受験を終えて
受験直後の手応えとしては「下手したら午後Iで落ちてるな。仮に午後I受かってても午後IIは厳しいな。。。」です。
特に午後IIについては想定していない題材だったので、開始3分で軽く絶望していました。
しかし、結果を見てみると午後Iは86点、午後IIはA評価。なかなかの好成績でした。
これまでの高度系もそうでしたが、私の場合は手応えのない試験のほうが合格率が高いような気がします。
以前の合格体験記でも記載しましたが、今後受験をされる方は、もし途中で「落ちたかも」と感じても調整が入る可能性があるため最後まで諦めずに解き切ってほしいなと思います。
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