【考察記事】『祈りのカルテ』はなぜ一部不評で終わってしまったのか?
『祈りのカルテ』、最初から最後まで好んで見ていましたけど。。
一部の間では、「つまらない」という声が続発。
その結果、視聴率が全体を通して5.3~6.9%という、堅実な視聴率ではあるものの、あまり高く伸びなかった模様。
どうしてこのような結果になったのか、私なりに考察してみましたので、よろしければ最後までご覧下さい。
※ネタバレ注意
・その1
まず、『祈りのカルテ』は”ハートウォッチングミステリー”だということ。
ダブルクオーテーションで強調したところを忘れないで頂きたい。
ハートウォッチングミステリー、つまり、簡潔に言えばあまりミステリーのようなドキドキハラハラするような展開は全くなく、どちらかというと、優しい謎で構成されたミステリーだという事。
優しい謎です。
ハートウォッチング、です。
ミステリーです。
世間一般で言われるようなミステリーと言えば、緩急があって謎が解決されていく、そんな物語が予想されがちですが。。。
『祈りのカルテ』はあくまでハートウォッチングだということ。
つまり、最初からそんなのがない。
それなのに。
それなのに。
それなのに、ですよ?
世間一般はハートウォッチングミステリーのミステリーに着目して、「あ! ミステリーだから見よう!」という気になって見てしまうんです。
そして、ドラマを見るうちになり……
「……あれ、思ってたのとちゃうぞ」
こうなるわけです。
この点で簡潔にまとめるとすると……。
「制作陣と新規視聴者との齟齬」が原因だと思われます。
・その2
ここの部分に関しては、私も気になっている点でございます。
その点というのは、「オリキャラの描き方」が下手ってこと。
『祈りのカルテ』の原作で出てくるのが……
諏訪野良太は勿論のこと。
冴木親子、立石聡美、四十住沙智、広瀬秀太が原作に当たるのです。
それに対し、ドラマオリジナルキャラクターというのが……
上に挙げた六人以外がそれに当たります。
原作勢にとってみれば、原作から出ている六人は何となくのイメージがついているから良いのです。
けど、オリキャラの印象が全然無いのよ。
例えば、曽根田みどり。
彼女、どうして「むかつく」という言葉を事がある度に発していたの??
え? って。
あんまり過去なんか描かれなかったし……。(他の登場人物とかも同じ)
オリキャラが主人公と絡んで一緒に仕事を熟す場面、何度か出てきたけど、その時に描いて欲しかったなぁって思ってます。はい。(素直)
私だったら、主人公とオリキャラが共通の謎を解いていく時に対立し合ったり、協力し合ったり、互いの過去を明かしたり……。
そういうことができるはず。
これが無いと、ごくごく平凡なドラマにしかならんのです。
それに、描写としてものすごくうっすいものになってしまいがち。
・その3
魅力的な謎というものがない、ということ。
その魅力的な謎って何? と思いがちですが、大体は主人公に関するものだったり、主人公の周辺に関するものがそれに当たるんです。
ですが、『祈りのカルテ』はそれがほぼないということ。
ほぼない、ということになれば、当然つまらなくなってしまうこともある。
だから、原作は人間関係を主に出して表現されていたんです。
そこは知念先生らしい描き方として良いんですが……。
ドラマに落とし込めるとどうなるか。
これ、制作陣に対する批判になってしまうけど、知念先生が表現される人間関係を無下にしている感じがして気持ち悪かった。
知念先生は先生らしく、構成をしっかりと固めて書いているんです。
それなのに?
日テレくんはそれを蹴り飛ばしてエモエモエモ! みたいな感じにしているんですよ。。
気持ち悪っっ!!!!!!!!!
「わいわいさせておけばいいや!」
「ここ、感動的な場面にしとけ!!」
「冴木裕也、とりあえずネタキャラにしとけ!!」
みたいな感じにしている感じが否めなくて、頭を抱えそうになった。
……知念先生、今度からドラマ化する放送局を選びましょうよ。
・結論
とまあこんな感じです。私なりの考察としては。
知念先生の作品はどれも素晴らしいもので、面白いんですけど……。
それを蹴り飛ばしてつまらなくさせた制作陣、日テレくん。
まじで気持ち悪っっ。
私なりの評価を下すとしたら……。
「原作の評価を制作陣が勝手に落とした惜作」
かな、と。
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