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うたわれるもの ロストフラグ×WHITE ALBUM2コラボシナリオを雪菜派が読んだ。「それでもあなたに出逢いたい」、と叫ぶ物語
お久しぶりです。コラボからだいぶ時間が空いてしまいましたが、大まかに内容を振り返りながら感想書いていきます。
以下、WHITE ALBUM2=WA2
うたわれるもの ロストフラグ=ロスフラと表記
絶望の過去から
ロスフラのメインヒロイン、ミナギは、過去の時代を疑似体験します。
彼女の目的は、自分が唄を披露するための経験を積むこと。
そこで、遠い昔に「伝説のライブ」したらしい人たちの時代(WA2の学園祭があった2007年)行って弟子入りしよう!という流れ。
…ん?
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なんか見覚えのある後悔流れてきた…。
疑似過去旅行を制御しているキネマロマネからしても想定外の事態のようで、謎(笑)の強いマイナスの念が原因でバグがあるっぽいです。
この演出には妙があって。
・「うたわれるものの時代」から見て「WHITE ALBUMの時代」は遥かな昔である
・WA2原作の冒頭も「後悔する回想」から始まる
・コラボシナリオに「過去の物語」という性質を与えることで、「後悔する回想で始まる演出」を自然にセルフオマージュしている
そして、この後悔そのものが、コラボシナリオの核となっていきます。
いいですよね。考えすぎかな?ところで最近のWA2、タイムリープもの多くね?
立ちはだかる後悔
雪菜、かずさを探すミナギ。
何かを慈しむような優しいピアノの音が耳に入り、早速かずさを見つけます。
かずさに教えを請うミナギの勢いが凄い。どこぞの春希や雪菜みたいに駆け引きをせず、勢いだけで引きずり込むのがギャグにもひたむきさの表現にもなってて良いなぁと。
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なかなか順調かと思いきや…
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シミュレーション世界は崩壊し、追放されてしまいます。
「伝説のライブ」に辿り着くには、この世界を覆う後悔の念に立ち向かう必要があるようです。
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崩壊の理由は、あの「伝説」が、どうして伝説になったのか考えれば明白で。
客寄せパンダかと思いきや、歌もMCもめっちゃ上手い世界一かわいい美少女。
キーボード専任かと思いきや、あらゆる楽器を引きこなす天才美少女。
「SOUND OF DESTINY」のギターソロを、必死に演りきった努力家。
これらの要素だけで、学園祭にしては凄いと言えるのかもしれないけれど。
あのライブが伝説たり得たのは、「届かない恋」に、誰もが何かを感じずにはいられなかったから。
WA世界において大学の風物詩になるほど、
とある役者にとっては全てを投げ売って取り組む題材になるほど、
歌の向こうに奥行きがあったから。
その奥行きを生じさせたのは、誰かの必死で大切な、壊れそうなほどの感情で。
そこにミナギが踏み込むということは…。
繰り返しの世界
ミナギは、もう一度過去世界に挑戦します。
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ロスフラでは「唄」、WA2原作は「歌」と書き分けるニュアンスの違い、良いですね。
原作プロローグ↓
ついに雪菜ちゃん登場です、、、。
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かわいいなぁ。かわいいなぁ。
アニメで考え事をしているとき髪をいじくる仕草を見せていたけど、
それを立ち絵に逆輸入した形でしょうか(公式の人そこまで考えてないと思うよ)。
雪菜にも弟子入りを懇願するミナギですが、そこで雪菜が取った手段はカラオケでした。
雪菜ちゃんの友達づくりって、もしかして毎回初手カラオケ?
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春希くんの態度が「誰にでもそう」だと聞いて、「あ~」ではなく「あ~あ」って言葉が出てくるの、かわいい…。
それでも「歌いたい」
ミナギは雪菜達の関係から、その行く先を察し、葛藤します。
かずさや雪菜たちが出逢わない世界のほうが、おそらく楽な世界。
出逢えば、その先に待つのは三角関係。
唄を学ぶにはあのライブに到達しなければなりませんが、自分の行動次第で運命は変わってしまいます。
そして流れてくるあの旋律。
冷たい風を震わせて、音色が──
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「出会う」を「出逢う」と書くのも意図的でしょう。
※WA2本編では「出会う」
大切な縁だと察しているんですね。
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(つまり、学園祭のあと、春希に一歩を踏み出した雪菜は本気だった)
そして、物語は核心へ。
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虚無と悲喜こもごも、どっちが辛いんだろう。
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このときの雪菜はまだ恋愛なんて経験していなくて、どんな未来が正しいのかなんて分からないけれど。
ひとつだけ言えること。彼女が辿り着く結論は必ず、「歌いたい」。
closing chapterでもcodaでも見てきた彼女の本質。
このスクショを見ているだけでなんだか涙が止まらなくなりました。
僕は、歌うのが大好きな雪菜が、大好きなんです。
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またループから弾き出されてしまいましたが、ミナギは諦めません。
ループもの終盤の覚悟ガンギマリ主人公っていいよね。
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舞い落ちる雪のように
もう一度訪れたあの世界。
彼女たちをつなぐために、今度は必死にギターを鳴らしてみるけれど、やはり付け焼き刃。
また振り出しに戻され、ピアノも頑張るけれど、「彼ら」に届く気配はありません。
限界が見えてきました。
彼女の演奏は空を切り。
空気は震えど、心までは震わせられず。
もう駄目かもしれない。
けれど。
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繰り返す世界の中でも、ちゃんと想いは届いて残っていたようです。
ミナギのループは、
セーブデータのリセットではなく、
つよくてニューゲームだった。
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ミナギにとって、この物語は当初「唄のための師匠」を求めたものだったけれど、
彼女は本気でかずさ、雪菜の魅力を感じて、
人間性を信じて、真摯に向き合っていました。
誠実に頑張ったことは、ちゃんと届いていました。
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そして雪菜は、あんなに楽しそうなWHITE ALBUMが流れていたら、歌わずにはいられなかった人なんですよね。
「雪菜が歌ってくれない可能性」なんて、心配しなくてよかったのかもしれません。
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これは一見、後悔をリセットできるタイムリープもの。
でも、彼らの行く先は三角関係。
何億回繰り返しても、全員の恋が届く結末にだけは辿り着けない。
きっと傷付くし、傷付ける。
そして、誰かを傷付けた十字架は、
彼らの良心を蝕み続けるのだとしても。
その全てを引き受けて、彼女らはそれでも、と願いました。
たとえどれだけ傷ついても、
この辛さと嬉しさは、全てかけがえのないものだから。
この痛みも、この痛みが、「わたしたち」だから。
ここで流れる挿入歌、「舞い落ちる雪のように」。
あなたとの想い出の すべてを雪のように
真っ白に染め消してしまえばいいと 思うけれども
舞い落ちる わたしの今 静かに積もりささやく
その言葉は また舞い上がり キラキラと降り落ちてく
胸の中で 消えることはない
初代WHITE ALBUMアニメ版の曲であり、雪菜も公式でカバーしている曲です。
初めてSuaraさんが「WA2の挿入歌」を担当した記念すべき瞬間でもあります。
下川さんが音楽を付けているそうですが、本当に素敵な演出です…。
似たテーマを描いた「さよならのこと」ではなく、こちらを持ってくるセンス、さすがだなぁ。
SuaraさんはうたわれとWAをつなぐのに最適なボーカリストです。
穏やかに大切な結論を噛み締めているこの場面にも馴染んでいます。
そして、伝説のライブへ
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装いを新たに始まる、伝説のライブ。
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春希くんもイベント復刻とかでプレイアブルキャラにしてほしいですね。
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届かない恋の未来へ
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ミナギと、三人の物語はこれで終わり。
そして始まる、届かない恋の物語。
ループから解放されたラストに「しんどい物語が始まりまーす」って示すのなかなか斬新では?
(BGMもしっかり届かない恋)
余談
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いや、良かったです。
2014年のミニアフター以来、超久しぶりに「ノベルゲームとしてのWA2」を堪能できました。
テキストだけではなく、背景や立ち絵、音楽、スクリプト演出といったゲームとしての総合力で訴えかけてくるのがノベルゲームです。
この媒体で綴られる物語がやっぱり大好きだし、これからも大好きでいたいな、と思います。
これまでWA2の他ゲーコラボはハートフルパーティ、嫁コレ、ダンジョントラベラーズ2-2とあり、どれもありがたかったです。
ただ、丸戸さんがまとまったシナリオを執筆してくださったのはロスフラが初めてかな?
アクアプラスさんとしても肝いりの企画のひとつであったことでしょう。
素晴らしい体験でした。ありがとうございました。
あと、推しと花札できるんですねこのゲーム。
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最近色々出ていて、ありがたいですね(語彙力/Zero)。
今回のシナリオは原作の終盤における、雪菜と春希の「出会わなければよかったのかな?」→「嫌だ」の会話と似たようなことをやっています。
ここではいつも涙してしまうので、
改めてこの「あなたと出会わなかった未来なんて絶対に嫌だ」っていう物語を読めて嬉しかったです。
それくらいの想いを抱ける誰かに出会うことって、どんな結末になったとしても、とても素敵なことだと思うんですよ。
だから雪菜は、ミニアフターにおいても中学の友達や春希の母親に会いに行くし、
自分を振った春希とかずさとも繋がり直すんだなと。
さて、大アクアプラス祭とか、これからも色々あるようで嬉しいですね。
春希たちの恋路と、アクタたちの旅路と、我々の推し活(特にチケット運)がよいものでありますように。
(長文でしたがお読みいただきありがとうございました!)