「ユダヤ人の町、バラクラバ その3」と「2017年 松本と長野」と2/25〜3/2の日記
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今週の文章は「ユダヤ人の町、バラクラバ その3」
今週の写真は「2017年 松本と長野」
です。
今週の文章「ユダヤ人の町、バラクラバ その3」
この前の記事に引き続き、2月に引っ越してきたバラクラバという町について、特にそこに住むユダヤ人コミュニティについてを中心に調べたことをまとめている。
1回目の記事はユダヤ教徒/ユダヤ人について、知らなかったことをランダムに。
2回目の記事はバラクラバという町の歴史について、合わせてユダヤ人コミュニティの形成について。
で、今回はバラクラバにおけるユダヤ人コミュニティついてを書きつつ、特に中心となって目立つハシディーム派。
バラクラバの町におけるユダヤ人コミュニティ
前の記事にも書いたが、バラクラバの町にユダヤ人コミュニティが形成されたのは、第二次世界大戦後にヨーロッパから多くのユダヤ人が移民としてやってきたことがきっかけとなった。
バラクラバに住むユダヤ人は主に正統派(Orthodox)と呼ばれる人たちであり、その中でもハシディーム派(Hasidim)とノン・ハシディーム派(non-Hasidim (Mitnagdim or Yeshivish))の人が混在している。
ハシディーム派とは?
ハシディーム派とは、中世ユダヤ教における司祭/宗教指導者であるラビ/ラバイの1人、Israel Baal Shem Tov(1698〜1760年 意外と最近!)の提唱した愛、喜び、人間賛美をモットーとした宗派。
元々神秘的で一部の司祭による解釈で運用されていたユダヤ教の教義をわかりやすく実用的な形に翻訳しているのが特徴で(このあたり日本の仏教の変遷やキリスト教プロテスタンティズムにも通じるものがあって興味深い)、ハシディーム派の教徒の男性はその出自に関わらず神や人間社会との関係を学び、より良い信徒になるために学び続ける。
いわゆる「超正統派」と呼ばれるグループがハシディーム派に当たるが、一方で当人たちにとっては特別なことをしているのではなくユダヤ教の教えを実践しているだけだということなので、超正統派という呼称ではなく、ハシディーム派またはユダヤ教徒という形の呼称の方が良いらしい。
同じハシディーム派の中でも濃さのようなものが存在し、携帯もインターネット、テレビも気にせずに使う人たちもいる一方で、使いはするものの使用時間や用途を厳しく制限しているようなグループもいる。また、一番濃いグループになると男性は皆、神や人間社会と自己のあり方を宗教を通じて考え続ける世捨て人のような存在になることが決められており、わかりやすくいうと世俗的な仕事につかないらしい。
昼間からフラフラしている人や(それを目撃している時点で自分も昼間からフラフラしているのだが)、意外と着ているスーツがみすぼらしくて汚い人などがいて、ユダヤ教徒というと金持ちという偏見があったのでどういうことなんだろうと思っていたのだが、このあたりのことを調べていて合点がいった。
バラクラバの町におけるユダヤ教
ユダヤ教徒の多いまちなので当然ユダヤ教に関連した施設も町中に多く存在する。
散歩中に遭遇したお祭り?は、通りの端からこのシナゴーグがある逆の端まで大音量のトラックに先導されて牛歩のような速度で移動したのち、全員がこのシナゴーグの中に裏口から吸い込まれていった。
ハシディーム派において音楽は「魂のペン」と呼ばれており、信仰においても重要なものらしい。
ユダヤ系の学校も、おそらく幼稚園からカレッジレベルまでが集まっており、いくつも校舎が立ち並んでいる。
大学の友人のアンドリューはユダヤ教徒なのだが(ハシディームではなくもっと世俗的)、彼もバラクラバの幼稚園や小学校にかよい、今子供もバラクラバの幼稚園に通わせているらしい。
はっきりしたことはわからないのだが、しっかり宗教的な教育をしている家の子どもほど普通の学校へ行くといじめに遭うらしく(お皿の帽子かぶっているからすぐわかってしまう)、このような宗教学校に通わせることが結果的に子どもにとってもいいことが多いようだ。
学校の敷地としては同じで校舎も並んでいるのだが基本的には男女別学で、ハシディーム派の男性などは女性と生涯ほとんど会話をすることなくお見合い結婚するような人もまだ多いらしい。
まとめ
ユダヤ教の人による解説ページにおいては、神(God)の表記がG_dなどになっており、ハリーポッターとかにおける「名前を言ってはいけない存在」の原型が見られる。このように、宗教や歴史は現代社会の文化に当然非常に大きな影響を与えており、どのようなものかを少しでも知ることがより一層社会を知ることにつながってくるのだと思う。
引っ越してくる際はワクワクしていたものの、ユダヤ教徒が多い町ときいて心のどこかでは「反イスラムの強硬派の人ばかりだったらどうしよう」「アジア人として差別されるのではないか」というような偏見に基づいた不安があったことも確かで、生活する中でも解消されていく部分は大きいが、知ることでより一層そのような考え方とは無縁な人たちであると知ることができる。
世界には色々な人がいて、その人たちのことを本当に知ることはできないけど、せめてその周りのことだけでも知り、色々な人がいることを知るだけでも接し方や考え方を知ることができるものだと思う。
参考記事
今週の写真「2017年 松本と長野」
今週の写真は2017年 松本と長野です。前週に引き続き発掘した昔のSDカードから引っ張ってきた写真からセレクトして現像しました。
松本、長野は自分の中で住みたさと住みたくなさが同居している街で、街の佇まいや歴史、そして城や寺などの文化財は本当に好きなのですが、山に囲まれた閉鎖的な雰囲気にどうしても息苦しさを感じてしまう部分もあります。岐阜などにも言えることなのですが、長野は冬季オリンピックを招致する際に「有害」と指定したお店などをまとめて潰してしまったらしく、1990年代特有の臭い物に蓋をして見過ごそうとするまちづくりがどうしても馴染めない気がしてしまいます。でも松本城はやっぱり一番かっこいいお城だと思うし善光寺も最高です!
この頃は仕事で本当に全国あちこちに行かせてもらっていて、大変だったけどいい経験だったなと今では思います。
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