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「Subversion Origin 2」と7/14〜7/20の日記

お知らせ

2023年2月よりオーストラリア メルボルンへ移住。大学院にてMBAを取得。現在はプログラミングを学びつつ永住権取得に向けてあれこれ頑張っています。Absolute MMAというジムでグラップリング/ブラジリアン柔術の練習に励んでいます。
noteには、メルボルン生活をより充実したものにするため、日々をより意識的に過ごすために毎週ちょっとした文章と数枚の写真とその週の日記を投稿しています。少しでも面白いものを載せられるように頑張っていきますので、記事が面白いなと思ったり、メルボルンの生活はどんなか気になったと言う方はぜひ、サポートよろしくお願いします。もちろんハートマーク押してもらえるだけでも嬉しいです。

今週の文章は「Subversion Origin 2」です。

今週の文章「Subversion Origin 2」

シドニー遠征の締めくくりとして、Subversionというオーストラリアで1、2を争う規模のグラップリングプロ大会を観戦してきました。規模というのは観客動員もそうだし、招聘されている選手も海外の選手などを含め人気、実力ともにそれなりの人が抑えられており、試合の質という意味でも高いレベルを提供している。

とはいえ中心はオーストラリア選手なのあまり日本で知る機会のある選手は多くない。カードの紹介などをしてもなんのこっちゃと思われるだろうから、今回は実際に前日の計量から試合当日まで現場で触れた感想を記したいと思う。

観客数は現場は席数から換算するとおそらく400〜500人ほど?そこまでとんでもない大観衆ではないものの熱気はあってかなり盛り上がっている印象だった。

ライブ配信はFlo Grappling

コロナ以降のイベントはライブ配信が必須。一方でUFC Fightpass, Flo Grappling, 日本だとU-Nextなど多くの配信プラットフォームが乱立しており、月々又は年間のサブスクリプションでお財布が圧迫される。イベントによっては独自のプラットフォームで配信を行っている場合もある。

いずれの場合でも本当にみたいイベントであればお金を払って見るのだが、そうは言ってもハードルが高い。Flo Grapplingというのはグラップリングをそれなりに楽しんでいる人であればIBJJFやADCCなどの大会を見るために加入している人も多く、そういう人にリーチするためにFloを通じて配信するというのはありな選択肢だと思う。

始まりはコロナ禍にジムで開いてた小さな大会

グラップリングという競技の歴史の短さを考えると納得する話ではあるのだが、この大会は決して昔からずっとやっていたようなものではなく、コロナ禍にジムで開いていた小さな大会が始まりらしい。

コロナは大変な時期だったけど、一方でこのような新しいものが生まれるきっかけにもなっている。焼畑農業のように一度焼け野原になったところにこそ生まれる新しい息吹もある。焼け野原になることを歓迎するわけではないけれど、勇気づけられるような事実だと思う。

プロダクションや舞台の質の高さ

イベント制作はある程度形から入るべきだと自分は常々思っている。というか、形が整わないとどれだけ質のいいものを作っていたとしても悪い意味でのアングラ感を脱することができず、広く世間に向けてアピールするということができなくなってしまう。日本でイベント運営をしていた時もなるべく形をしっかり整えることを意識してやってきたし、形が整えば質は後から付いてくると思ってやっていた。

そういう意味でSubversionのプロダクションは本当に質が高くて、事前のSNSの告知の質も、前日計量の配信も、当日のマットの設営も演出もどれもプロフェッショナルな舞台という印象を整えるには十分な出来だった。舞台が整っていれば観客も盛り上がるし、出場したいという選手も増えるし、そうなれば熱戦も自ずと生まれてくるものだと思う。そのような舞台装置の部分にしっかり戦略的にお金をかけてやっているいい団体だと思った。
(やりすぎると今回のADCCのように何がまず優先されるべきなのかという批判/議論を招くことにもなってしまうのでバランスももちろん大事なのだが)

国際戦/コミュニティ対抗戦は盛り上がる

今回のメインイベントはチームオーストラリアVSチームブラジル。と言ってもブラジルから選手を呼んできているわけではなく、オーストラリア国内で活動しているブラジル人柔術家によるチーム編成という形だった。ブラジル人選手たちはあまり大会などでオーストラリア人選手と絡む機会が少なく、またADCC予選などは国籍で地域が分けられているのでアジアヨーロッパ予選に出場することもないので、勝負論が生まれる、いい興業のアングルだと思った。

特にブラジル側は観客も異様な熱気で盛り上がっており、コミュニティの力の強さを感じた。日本にも例えば在日米軍だったり各地のブラジル人コミュニティだったり、色々なコミュニティがあったりするのでこういう試合の組み方は意外と結構面白いんじゃないかとか思った。

まとめ

柔術をやることがメインのスポーツから興業として見ることを楽しめるスポーツに変えようと動きは世界中でも色々あって、まだ正解がない状態ではあるのだが、それでもやることを楽しむ人の数が増えていることで興業として成立するものが少しずつ増えている。日本ではまだ格闘技自体がどうしてもアングラ趣味の場合が多かったり、デザインも一昔前のプロレスからあまり進歩していなかったりすることが多く、このSubversionのように洗練された興業が増えてくれば見え方も変わってくるんじゃないかなと思った。

開場前のエントランス

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