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【翻訳】 Eddie Bravoの考えるコンバット柔術の魅力

1月10日のIRE(今成ロールエクスタシー)プロ大会を前に、創始者であるEddie Bravoがコンバット柔術の魅力について語っている動画を見つけたので、その内容をざっと翻訳してみました。
まだ一般的には馴染みの薄いコンバット柔術ですが、どのような面白さがあるのかが端的に伝わる内容だと思います。

Eddie Bravoは10th Planetという世界的な有名柔術ジムの創設者で、自身も伝説的な黒帯で、コンバット柔術の創始者です。Eddie Bravoについてはもっと詳しい人がたくさんいるので多く語ることはここではしないですが、彼はラバーガードなどの「MMAの中で使える柔術」を研究してきた選手/コーチでトニー・ファーガソンをはじめとするMMA選手の柔術コーチも務めています。そんな選手が提唱するものとしてコンバット柔術を捉えると面白味がわかってくるような気がします。コンバット柔術とは、サブミッションオンリー(絞め技、関節技による一本勝ちのみで勝敗が決まる組技の試合)をベースに、どちらかが床に座ったり手を着いた状態であれば掌底による打撃が認められた、組技に打撃の要素を加えたルールの格闘技です。

動画は2021年12月に行われたCombat Jiu-Jitsu Worlds - Cowboy vs Jonesという興行に向けたカウントダウン番組で、メインイベントであるドナルド・セラーニ、クレイグ・ジョーンズ双方の意気込みのほか、大会内で開かれたフェザー級16人トーナメントの出場選手の紹介/インタビューが収録されています。その冒頭でエディ・ブラボーがコンバット柔術の面白さについてを語っており、IREに向けて興味深い内容だと思ったので該当部分を翻訳してみました。

エディ・ブラボーの語るコンバット柔術

(以下、この段落は全てEddie Bravoの発言を私が翻訳した内容です。内容が伝わるように意訳になってる部分もあります、ご了承ください。)
 コンバット柔術は、おれの見解では、UFCの1番面白い部分が凝縮した競技なんだ。おれが柔術フリークなのもあるけど、柔術に打撃の要素が加わることで格闘技の1番面白い形態になってると思うんだ。確かにコンバット柔術のことが嫌いな人もいるけど、おれは1番面白いと思ってる。嫌いな人はUFCを見てればいいんだ。
 コンバット柔術はMMAの中の柔術の部分を抽出したものなんだ。スタンドでの打撃とレスリングを排除することで、レスリングの要素は少し残ってるけど、MMAの中の柔術の要素が残るんだ。だからこの競技は柔術オタクのための競技だといえる。どの試合でも、始まって1分も経てばグラウンドに移行して、お互いのことを極めるか掌底でKOしようとするかの勝負になるんだ。
(動画の主題となっている大会でメインイベントを務める)クレイグ・ジョーンズはMMAの経験はなくて、サブミッションオンリーのグラップリングの試合を通じて有名になってきた選手だ。(中略)UFCの選手がサブオンリーのグラップリングの試合に挑戦する場合、95%の選手はうまく対応できないで終わるんだ。柔術選手たちは毎日100%の時間を柔術に注いでいるのに対して、MMA選手は打撃にもレスリングにも時間を割かなければならなくて、サブミッションにかけられる時間はそこまで長くないんだ。だからどんなにオクタゴンの中で強くて実績があって大きなUFCファイターでも、クレイグのような最高峰の技術をもった選手にはそれだけでは勝てないんだ。もしクレイグのような選手とMMA選手がサブオンリーの試合をするというならそれはミスマッチだよ。おそらくその試合は早々にレッグロックで終わると思うよ。でも、コンバット柔術はちょうどMMAと柔術の真ん中なんだ。選手たちはそこでお互いに向き合うことになる。掌底がありになることでMMA選手にも勝つチャンスが生まれるし、見る側にとっては面白味が出てくるんだ。サブオンリーの試合だとそこまでの面白味は生まれない。MMA選手が打撃で勝つかもしれない。柔術選手がサブミッションを取り切るかもしれない。何が起こるかわからないんだ。(中略)これまでコンバット柔術に挑戦するとは思われなかったサブオンリーのスター選手もどんどん挑戦を表明してくれてるし、UFC選手もどんどんやらせてくれと言ってきている。彼らに勝機があることをわかってるんだよ。実際のところ、オッズは少しMMA選手たちの方に傾いてきてると思う。
(翻訳以上)

実際の試合 ドナルド・セラーニ Vs クレイグ・ジョーンズ

動画内で語られているドナルド・セラーニとクレイグ・ジョーンズの試合はUFCファイトパスで見られるほか、Youtubeにも違法アップロードされているものがありました。試合の中ではクレイグ・ジョーンズがUFCの猛者であるドナルド・セラーニに対してポジションを取らせず、自身もガードポジションからの攻防を行わないことで掌底を打たせない戦い方をしていることが印象的でした。

個人的には2020年のFINISHで行われていた橋本知之選手と和田竜光選手の試合なんかはコンバット柔術だったら全然違う試合になって面白くなりそうだなと思いました。また、アメリカでもまだ発展途上の競技なので、コンバット柔術に向けた独自の技術などがもし生まれてくれば、アメリカのスター選手と日本人選手が戦うという余地も十二分にある分野だなと思いました。
今回自分はアマチュアの部でIREグラップリングルールのトーナメントに出場しますが、機会があればコンバット柔術にも挑戦してみたいなと思いました。

IREは1月10日19時からAbemaで無料で見られるようです。みんなで見ましょう!!

お知らせ

2023年2月よりオーストラリア メルボルンへ移住し、現在はMBA取得に向けて大学院に通いつつ、Absolute MMAというジムでグラップリング/ブラジリアン柔術の練習に励んでいます。
noteには、メルボルン生活をより充実したものにするため、日々をより意識的に過ごすために毎週ちょっとした文章と数枚の写真とその週の日記を投稿しています。よかったら毎週の投稿も是非ご覧ください!


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Kennosuke Shimizu
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