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識字障害とワニの口

下の子は識字障害である。正直、自分の子供が識字障害を持って生まれてくるまで、「単なるわかったつもりになっただけの自分事になっていない人」だった。
国語なんて、ある程度普通にやってれば、爆発的に良い点は取れないけど、そこまで悪い点も取らないよ、なんてことを上の子の時には言っていたが、本当に世の中を知らないバカ丸出しの言葉だったと思う。

重度ではない、けど、軽度でもない。1年生の頃、何でこの子は平仮名書けるようにならないんだろう、くらいからスタートして、時間経過とともにどんどん周囲の「普通の子」との差が開いていく。ワニの口のように。

漫画を使って、少なくとも「読み」はいくらかできるようになってきた。漫画も自ら読み始めたのは3年生くらいか?

今6年生。ほとんど漢字は書けない、読めない漢字も多い、文章題のようなものは圧倒的に理解が遅い。おそらく頭の中で文字を処理するプロセスにたくさんのキャパが取られてしまって、他の処理ができなくなり、そもそもの文章の大意を見失ってしまうのだと思う。馴染みのない題材だと、ほぼ理解できない。

当然だが、理科も社会も、算数の文章題もハンディキャップを背負っている。ノートが書けないから学習速度も遅い。

随分AIは発達したが、そんな簡単には「文字を書かずに済む教育」にはならないだろう。評価項目も「文字を読み書きする前提」に立っていて、クラスのテストも入試も、そのKPIを測りたい。そりゃそうだろう。文字を読み書きする能力は「定量化した上で伸ばしてあげたいKPI」だから。

ワニの口はどんどん開いていく。しかしながら、実は上顎の方は、高校程度(大学受験くらい?)でほとんどの人は伸び止まる。プラトーに達して、場合によっては落ちてくる。下顎の方はその後、どこまで上るのか?プラトーを経て落ちてきた集団に、下顎の方は追いつくのか?

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