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ちょっとヨーグルドについて語らせて。
マクドナルドに足を運ばせたのは、義務感でしかなかった。
ドラえもん好きとして周囲に認知されている私がこれを買わなければ示しがつかない。
広告通りの青いデザイン、ヨーグルトという想像しやすすぎる味。新商品への興味はまるでなく、それを買いに行く自分を過剰に意識しているだけだった。
全国のドラえもんファンの皆さんごめんなさい。ドラえもんをファッションにしてる戯けです。
と思っていたら、注文番号209が呼ばれた。
受け渡された青いそれを見たとき、私の全細胞が呟いた。
「か、かわいい…」
さっきまでいたファッションドラえもんファンは姿を消した。
青と白の爽やかな2トーン、シンプルでスタイリッシュだが、彼のあらゆる曲線が愛らしさもつくっている。素顔を半分しか見せてくれない奥ゆかしさの中で、その視線は熱くこちらに向けている。
ゴチャゴチャせずとも彼の魅力を最大限引き出しているそれは、あたかも前もって私のツボを抑えていたかのようだった。
この時点で私の心は満たされていた。
中身などさして気に求めていない。
だってヨーグルト味ってなんとなくわかるじゃん。
私は業務的にストローを口につけた。
「えっ」
舌が感じ取ったものは私の浅はかな想像を瞬く間に塵にしたのだ。
ヨーグルト界の重鎮・"バニラヨーグルト"を彷彿とさせるような優しいミルクの風味と、酸味をはるかに圧倒する甘さ。
ダイエッターを嘲笑っているのだろうか、昨今の低糖質ギリシャヨーグルトブームを横目にこんな甘いヨーグルト味を再現するとは。
ストローが行儀の悪い音を出し始めるまで一瞬だった。
外見至上主義が蔓延るこの世において、デザインも中身も妥協しない。それを安価で提供する。
ファーストフード界の神とキングオブ国民的キャラクターがタッグを組み、素晴らしい商品をこの世に爆誕させた。
ありがとう。
ありがとう。