おしりの守護神に検査をお願いしたら推しに見護られながら初めての大腸カメラに至った話
婚約破棄ならぬ腸活破棄
「レラ・カブーイ、今日限りで君との婚約を破棄する!わかっているな?」
ある時期俺は腸内環境から婚約破棄されてしまった。
理由は過度のストレス。
上京前から慢性胃炎・逆流性食道炎を患うような環境で新天地を求めたものの、全く別の業界での仕事に四苦八苦。
度々胃腸風邪と診断され発熱も経験。
一時期体重は50kgまで減少。
いやぁ成人後の最軽量っすよー。
周囲の方々に色々言われ、入籍を機に仕事量を減らした。
それでもストレスは不定期に俺を襲い、浦和戦奈良ちゃんGK事件時には迷走神経反射を等々力のトイレで発症危うく失神寸前。
神戸戦では蕁麻疹発症、体中痒いし試合はアレだし。
それはアウェイ遠征中もお構い無しにやってくる。
あれは山雅戦の帰り、特急へ乗る為に乗ったバスで腹痛起こしトイレが無いからス○ッパ飲んで凌いだ。
あれが拍車をかけたのかあずさ車内で体感おかしくなる。
多分熱発してたのだろう。上着をかけてほぼ寝てた。
翌日病院で「牡蠣や焼き鳥、唐揚げ食べてないですか?」
「はぁ、山賊焼きは食べてますが」
「山賊焼きって一枚肉揚げてるよね?多分それ。観光地でのカンピロバクター多いんですよ」
え?旦那とシェアして俺だけアウトなんだ。
心で泣いた。
楽しい松本での想い出、山雅サポとの交流、美味しいクラフトビール、何も悪くないのに某店舗で食べた山賊焼きを諸悪の根源にされた。
これ以後も突発的な腹痛に悩む。
もう何がトリガーかわからない。
腹痛が起こる度絶食する。診断名は慢性腸炎。
家にはスポドリ・ゼリー飲料・お粥が常備されている。
コロナにおけるニューノーマルな世の中、道中のコンビニはトイレを貸してはくれない。
あー、ツラい。
そんな感じで腸内環境に嫌われやり過ごしてたんだけど、ある日等々力で衝撃的な出逢いをする。
「新しい広告バナーだ、ん?おしりの守護神!」
帰宅後調べた。
「こ、これは俺が求めていた大腸内視鏡検査をやってくれる病院!」
苦境に陥る悪役令嬢が見つけた光明の如く。
こうして俺はおしりの守護神に助力を求めたのだった。
センシティブだけど大腸がんの話
大げさに思われるかもしれないが、当方がんには気をつけないといけない。
俺がオギャーする前に亡くなった父方の祖父(オヤジの親父)はガンだったらしい。
親父は胃がん全摘、さらに別んとこも摘出後ガン判明。こっちは絶縁してるが存命ではある。
兄貴にも血液系がん疾患の履歴がある(現在寛解)。
女性は大腸がんの死亡率が高い。
部位が部位だけに病院への足が遠退きやすいのは事実である。
でも行っとかないと!
大腸がん、潰瘍性大腸炎、静かにやってくるかもしれない。
まだ生きていたいの天国の母さん。
来ないで来世!
現世は俺が育てた(錯乱)
最近は闘病記も色々あるね。
内田春菊先生の「がんまんが」
ひるなま先生の「末期ガンだけど元気です」
潰瘍性大腸炎だと島袋全優先生の「腸よ鼻よ」
このあたりお勧め!
という訳で実はそういう願いもこめて書いているのだった。
下剤、下剤、また下剤
初診、事情を説明する。
この日は女医さんだった。
(女性の皆様、ここ女医もいらっしゃるのでお気軽に相談を)
日頃から突発的な腹痛があること、整腸剤のお世話になっていること、出先どころかアウェイでも困ること、ガチャフロ沼なんで見た目で判る俺のガチサポっぷり(笑)
診察室にはスケジュールポスター。
フロサポ的にはこれ欲しさにアズネロのスケポスキャンペーンでグッズを買ってしまうのだ。
勿論我が家にも貼ってある。
(フロサポはもう当たり前になってるけど、他クラブはどうなんですかね?)
「大腸カメラは挿れたいと思った時がベストです!」
という名言を頂戴する。誰も好き好んでやりたがらないよな、俺ぐらいだよと思いつつ。
承諾書に署名し下剤と腸管洗浄剤を処方される。
そして検査日前日プルゼニド(下剤)を飲む。
場合によっては食事制限。今回は夜ゼリー飲料とか豆腐とか繊維質の無い物で対応。
兄貴はよくレトルトの検査食を食べていた。
水分はよく摂る。
当日、検査時間にもよるがさらなる腸管洗浄剤を飲み始める。
朝食は抜く。
はい、きたー!
まず立てて開封、水を半分程所定の量まで入れる。
一度蓋を閉めA剤を溶かす。
そして横にしてB剤部分を押すとシーリングが圧で剥がれ混ざるので溶かして更に水を入れる。
合計2リットルの洗浄剤完成である。
これをゆっくりコップ2杯10~15分かけて飲む→脱水するので水分(水かお茶、ノンシュガーで)もコップ1杯摂取、これを繰り返す。
味は梅しそっぽいスポドリ、どっかの病院のサイトでビタミンCが入ってるので女性にお勧めと書いてあったが、下剤として流すものにビタミン気にしている余裕あんのか?
答え・そんなこと考える余裕は全くナッシング!
大腸に固形物が残ると腸壁がよく見えないので奮闘したが、いやぁたいへーん。
回数を増すごとにトイレへ籠もる時間が長くなる。
透明になるまで飲む、後半はほぼ水分が出てる感じになる。
旦那氏は出社日だったので青ざめた顔の妻を見届けて出発した。
あー、便には消化酵素が含まれているので赤ちゃんや介護されている方にいち早く排泄介助をというのが実感できる。
最終的に座れない、痛いから。
結果1.5リットル位飲んだかな。
大腸内視鏡検査、揺れる想い(以下略
着替えていよいよ病院イン。
更に検査着になった。
下はスリットの入った不織布製ショートパンツだ。
検査室に案内される。
何と!スケジュールポスターと目が合う。
ここにも貼ってあるのか。
しかも三笘きゅんではないか!
(参考画像、これは自宅に貼っているもの)
神様、俺は推しに見護られながら初の大腸内視鏡カメラやれってことなのですね。
検査台に横たわり左側臥位になる。
そこで左側臥位と出ちゃうとこが職業病なんだろな。(介護職)
脱水症状防止の為点滴も。
看護師さんに「鎮静剤入れます?」言われたけど保留した。
眠くなる場合があるからだ。
自分の腸壁なるべく見たい。
鼻から挿れる胃カメラもそうした。
いざ挿入となるとその決意も余裕も無くなった。
大腸というものは非常に蛇行している。
ヘアピンカーブみたいなとこでカメラを進めるとどうしても腸壁に沿う為痛みというか気持ち悪さが出てくる。
どうしても眉間にシワが寄るし、ウッとなる。
「鎮静剤入れましょう」
察した看護師さんが点滴のとこから鎮静剤追加。
我慢はイカンか。
やがて腸壁の確認をする。
「綺麗な腸壁ですよ」
「あー、そうですか(ということは炎症で腹痛起こしてる訳ではなさそう)」
「うんキレイキレイ、あ、あったね」
あぁ、大腸ポリープあったか。
何と!大腸ポリープあっても小さいものなら即切除できる。
その代わり手術扱いになるので診察料上がるの、ぐほほ。
この段階でお支払い万単位ケテーイ。
まぁ15分程度で終わり、点滴全部落ちるまで安静。
終わったとこでお着替え。
再度医師による説明。
「妻からすっごいフロサポが来たよと言われたけど貴方でしたか」
はい、ワタシが変なフロサポです。
そしてご夫婦で勤務されておりましたか。
「ポリープは生検出すので2週間後結果を聞きにまた来てください。ポリープ切除したので食事制限あります、詳しくは別紙に」
今日はゼリーとか具の無い物で、徐々に常食に戻す。
あと1週間禁酒。
ビール好きにキツい処置。
患部出血の恐れが有るとか。
生活的には3日間激しい運動をしない、ランニング・水泳・重い物を持たない、ウッ。
出勤したら移乗介助は代わってもらおう。
「あと医療保険とか支払対象になる筈なんで加入してるなら保険屋さんに相談してね」
はい、これ確認してました。
ポリープ切除は手術になるので支払対象。
万単位払っても保険金で戻ってくる、今回踏み切った理由のひとつ。
キッチリお支払いして帰宅。
途中プリンや卵豆腐を買った。
ようやくありつけたご飯が卵豆腐。
あとは地道に快復の日々。
休肝日無しの旦那にとっておきの限定ビール飲まれたりしたけど(笑)
悪役で胃腸の再出発
そんなこんなの2週間後、重い腰(尻がデカいからな)を上げて受診。
医師、開口一番「取らなくても良かった位良性ポリープだったよ、腹痛は整腸剤で様子見て大丈夫」
あー、これは軽い腸過敏ってことでよろしおすな?
炎症無かったんだからさ。
まぁ暴飲暴食に気をつけて、鶏肉はよく焼いて食べるよ。
こうして俺の大腸内視鏡検査ばーじんは終わった。
悪役令嬢が新しい人生を活き活きと過ごすように、俺もまたなるべく楽しく過ごそうと心に誓うのであった。
ワクチン2回目接種済だし旅に出たいぞ、と。