予想を反するほうが学びが大きい
家庭料理の新デザイン 最終回
Nサロンのゼミの一つ「家庭料理の新デザイン」
本当に【新】デザインだった。
予想を反するもののほうが学びが大きい。
「もう、家庭料理なんて今更教えてもらってもね」
「お酒飲めなくなるからスープ苦手なんだよね」という気持ちからこのゼミに出るつもりはなかった。
Nサロンのゼミは夜なので、外で家庭料理を習うくらいならおうちで子どもたちに家庭料理を作っていたかった。
雑誌に出てくるようなカリスマ主婦によるキラキラ料理教室は苦手だ。
かーさん業を長くやっていると、雑誌に出てるおしゃれな友達の友達のその友達のサロンにお付き合いでいっぱい出たりする。
サロンじゃなくてもお料理教室に通ったという友達が招いてくれるランチ会や子どものお誕生パーティーがまぁすごかったりする。
ワイン好きな友達が手料理を作って「ワインとのマリアージュ」を教えてくれる。
なんか、極めた人ってすごいな、都会ってすごいな…、と気後れして帰宅してはしょんぼり九州のお醤油で家庭料理を作って食べた。
「正直、お料理教室はおなかいっぱいです」と思っていた。
周りのみんなが
「あのスープレシピの先生だよ」とか
「よくつくるんだよね~おいしいよね」
とかいうので説明だけ聞いてみようとゼミ説明会の時に先生の前に並んだ。
大変失礼ながら「まぁ、聞いてみてもいいかな」くらいから入った私の「家庭料理の新デザイン」は見事に予想を裏切って学びが深かった。
料理を通してそこにある意味とか、理由とか動きとか、ワークショップすべてをひっくるめて、まさに「デザイン」だった。(それでこんなタイトルなんだ…)
有賀さんの言葉選びが心地よく、すっと入ってくる。
長年料理を普通にしてきた人にこそ受けてほしい。
たくさんのレシピをすでに自分のモノにしている人に受けてほしい。
このゼミはスープレシピを持って帰る料理教室ではない。
料理をする人には、もともと身についていたことを「それはこういう計算方法ですよ」と教えてくれるゼミだ。料理をあまりしない人には「知らなかった計算方法」を学べるゼミだ。計算方法がわかればレシピの可能性は無限に広がる。自分でデザインができる。このゼミに男性もたくさん参加していたのは、そこも魅力だったんだろう。
楽しい。
たった3回のゼミで足し算だけだった私の家庭料理は引き算もできるようになったし、掛け算もできるようになった。
見事にわたしの予想を裏切った「家庭料理の新デザイン」は、これからも私の家庭料理を変えていく。
きっとこれがうちの「かーさんのデザイン」になっていき、子どもたちに引き継がれていくんだろう。
「おなかいっぱい」でも食べてみるものだ。