「解けるニット」がほしい?!
こんにちは。
ニットの伸びるチカラで「1本の糸から素敵な未来づくり」を創造する、
アパレル界のニット姫こと、工業ニットスペシャリストの
<a href="https://improve-knit-info.hp.peraichi.com/">インプルーヴ</a> です。
私は、同じアパレル業界に関わる人たちと長らく研究している
「作り手の想いを着る人に届ける」プロジェクトに参加して、
もう5年以上になるかと思うのですが、
最近は、この中の主要メンバーと、私たちの月一集まる研究の
様子をもっと広く知ってもらおう…と、
Facebookのライブ機能を使ってオンライン配信をしています。
最近は「おっさんが…」というお題で
(お題の疑問は動画を御覧にて解決してくださいw)、
毎回私たちを取り巻く環境の急激な変化にどう対処すれば
着る人に私たちの想いを伝えることができるのかーを
議題に議論して後ほどYoutubeにてアップしてるのですが、
その動画に少しづつコメントがつくようになってきて❣
先月のそのシリーズによせていただいたコメントに、
私自身ハッとすることがあったので
そのことを少し書きたいと思います。
それは、「解けるニットがほしい」
…というご意見です。
以下、一部抜粋したいと思います。
「…服飾関係で働いたこともないし、
編み物も気が向いた時しかしない 繊維業界のことなど
全く知らない、ド素人の意見ですみませんが、
既製品のセーター、解くことが出来るようにしてもらえたら、
いいかなと思います。…」
この方は、ニット服を解けばまた1本の糸に戻せるような
作り方をしてくれるなら、高額でも価値がある…
というご意見を聞かせてくださったのです。
「…そちらで扱うようなセーターだとおそらくお高めで、
でもいい糸も使ってるものだと思います。
でも流行もありますし、いずれタンスの肥やしになります。
その時に 解いて編み直せると、ありがたいです。-」
- 中略 -
「…たいていの既製品のは縫製されてて解けないものが多いし、
…無理でした。
毛糸はいいものがおそらく使われてるのに残念でした。」
ーと、ご自分の経験による実感から、感想をお聞かせくださったのです。
私たち業界の人間からしたら目からウロコ!
こちらの方が仰っているのは、昔良く流通していた
ハンドニット製品、若しくはそれ風の太い番手の糸で編まれた
セーターなどのことを仰っているのではないか、と思うのですが、
私が20~30代に勤めていたアパレルで企画していたニット商品は
高額品の企画は「完全成型編み」という製造手法を使い、
工業用編機のスペックを駆使して、
1本の糸が繋がったままで型紙通りの形に編み上げて
リンキングミシンという特殊ミシンを使って組み立てることで
一か所たりともハサミを入れずに作り上げていました。
現代はどうしても価格重視が究極まで進み、
そのような特殊技術の製作工程や手法についての専門知識を
知る人は激減していて、
私たちも【絶滅危惧種】呼ばわりされています(苦笑)
又、リンキング縫製の技術の担い手も国内で激減しています。
今なら、まだ、何とかあるので、あるうちに、
次世代に残していけたらいいなーと思っています。
そんな考え方に少しでも賛同いただけれる方があれば、
業種限らずこの「作り手の想いを着る人に届ける」プロジェクトへの
ご参加も随時募集中ですので、
お気軽にコメントいただければと思います( *´艸`)
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