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【ペニーさん】おしえて!?欲がないことこの上ないペニーさん。
マリー・ホール・エッツのデビュー作です。
ペニーさんは年取った男の人で、今にもこわれそうな小屋に住んでいました。おおぜいの家族と。
彼は家族のために、何年も何年も町の工場で働いてきました。
"家族が大勢いると貧乏から抜け出せないもんだ…さりとて、家族なしにどうやってやっていけよう…"
ペニーさんの家族は、ペニーさんの家の居心地の良さや、優しさにつけ込んでぬくぬくと居座っていませんか?本当はたいして痛くなくても、優しく手当てしてくれるペニーさんがいるから、そこに居るって、ズルくないですか?そんな風に思ってしまう、怠け者で面倒くさがりやな家族ばかりです・・・
絵本「ペニーさん」を読むと、私はとても胸が痛むのです。
ペニーさんの家族は、馬や豚やニワトリetc…。
怠け者やお調子もの。ペニーさんの愛情を、当たり前のように受け取って、毎日を、過ごしています。ある日彼らの好き勝手な行動が、ペニーさんを大変な窮地に追い込みます。
お隣の畑を荒らして住人を怒らせてしまい、ペニーさんには多額の賠償金が降りかかってきます。
弁償できないのなら、動物どもを自分によこせ、売りはらってやると要求するお隣さんに、それだけは絶対にできないといいます。
ひたすら家族の心配をし、どうやってその責任を果たそうか、真剣に悩みます。家族を手放すことなど、彼にはありえないこと。
苦悩するペニーさんを見た、その子達(?)は、やがて自分たちが、出来る事になんとなく気がつきます。
なんとなくです。
ペニーさんは、彼らに何も要求しません。
でも、お隣さんの賠償請求に、彼らはなんとなく答える事が、できるのです。自分の本分で。
沢山のミルクを出すこと。良いたまごを産むこと。雑草を刈り、畑を耕すこと。
その彼らの自分の本分で、なんとなく出来たことが、ペニーさんを救います。豊かな生活が訪れて、皆に羨ましがられるほどのあたたかい家を実現することができて、お話は幸せに終わります。
欲がないことこの上ないペニーさんが、結果的に実現したものは、ひょっとして、誰もが手に入れる事が可能なものなんじゃないか。
私はこの物語を読んで、いつも、たくさんの自問自答をしてしまうことになるのです。
今日も読んでいただき、ありがとうございます。
(この記事は再投稿です。)
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