滋賀の痛ましい事故と、ゾッとするマスコミや民衆の言動

こんにちは、キャバデリ・ドライバーのナイツです。

池袋の暴走事故に続いて、滋賀でもいたたまれない事故が起きました。
クルマを運転する身として事故は常に意識するし、いつ自分が関係者になるかもしれないので、このような報道は考えさせられることが多いです。

事故は右直事故で、写真だけを見ると直進車である軽自動車の運転席のドア付近と、右折車である乗用車の右バンパーがぶつかっているようなので、右折車が曲がり始めた瞬間にぶつかったと予想できます。その弾みで軽自動車は歩道のほうへ進路が変わって、園児の列に突っ込んだという感じでしょうか。
事故は速度や他のクルマの存在や、もっと言えば太陽の位置、クルマや周辺の建物の色なども関係してきます。また双方とも速度や危険予測に注意を払っていれば防げたかもしれませんし、ぶつかった後、軽自動車が交差点の電柱にぶつかっていればここまで大きな事故にならなかったかもしれません。

ただ、事故とはそういうもので、様々な要因が重なった”結果”なんです。

保育園側が記者会見させられていますが、マスコミはいったい何を聞き出したいのでしょうか? 園側も悲しむ姿ですか? それとも加害者への怒りの言葉でしょうか?

それに記事では園児の列に突っ込んだクルマが自動ブレーキ装備車種であり、ホンダのそれと性能比較した動画を引用しています。
個人的には「自動ブレーキ?だからなに?」って感じです。クルマの制御は運転者が行う責任があります。自動ブレーキなんて名称を付けるのであたかも万能に聞こえますが、あくまでも防げる場合がある程度のもので、記事のように性能云々で今回の事故を語るのはナンセンスだと思っています。


そして、園児の列に突っ込んだ直進車の運転手が釈放されたことについても世間が怒りの声を上げています。

今回の事故は業務上過失致死罪ではあるものの交通事故なので、一連の取り調べが終わって運転者に逃走の恐れが無いと判断されれば釈放されるでしょう。これに対し、この運転者や警察を批判する声を上げているネット民にはゾッとします。「これだけの事故を起こしたのだから相当の制裁が与えられるべき。」という考えをもってのことだと思いますが、逮捕・勾留は刑罰ではありません。

池袋の事故では"上級国民"などというキーワードがバズったこともあり話題になりました。最近の風潮として、このような人々に対して、SNS等で自分の意見としての発言としてならまだしも、個人を特定し個人情報を晒し、自宅や会社などに嫌がらせ電話などをして社会的に抹殺しようとする集団リンチのような現象も本当に嫌気が差します。

本人の過失の程度はありつつも、様々な要因が重なってほんの少し道を外してしまった人に対しては、何をやってもいいのでしょうか? 交通事故を起こす人は、他の犯罪者とは違います。それは当事者の家族や親戚も然りです。
本人も相当のショックを受けているはずで、精神的にも崖っぷちなはずです。そういう人に対してしがみつく手を振り払い、崖に突き落とすようなことは何人たりとも許されるものではありません。

もちろん怪我をしたり、亡くなった園児や、その家族、保育園の悲しみや怒りは計り知れないものがあります。いくら報道することが社会役割だったとしても被害者の心を抉るような取材や報道は行うべきではないと考えます。

警察の捜査が進めば次第に事故の原因はわかってくると思います。それによって運転者双方の過失割合も決まり、それに応じた刑罰や行政処分、損害賠償額も決まることでしょう。だからと言って亡くなった園児やその家族の無念が癒やされるわけではありません。

クルマを運転する者として、しっかりと心に刻み込んで、より一層安全運転を心がける必要がありますね。


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