5/20(月) タイトル未定 東京ワンマン「TETRAPOD」感想 ~川本空というアイドルのこと~
川本空ちゃんと、タイトル未定の冨樫優花さん、阿部葉菜さん、谷乃愛さんに最上級の愛を。
タイトル未定をまだ知らない人に、まだ知られていない最高の音楽を。
それを伝えるためにこの記事を書いています。
※参考:タイトル未定 ワンマンライブ東京 TETRAPOD ¥2,000 (アーカイブ期限:6/3(月))
https://twitcasting.tv/soundlabmolecas/movie/793981194
卒業発表は突然に
4/4(木) 21:00 仕事を終えて、疲れた体を電車に預けて家路につくころ、iPhoneにTwitterの通知が飛び込んだ。タイトル未定公式の新着ツイートだ。
タップして開く。
悪い知らせだ。そういう書き方だ。
URLを開いた。
体の真ん中が締め付けられた。次に、肩の力が抜けた。
公式リリースの文字をじっと見ていた。内容を理解するのが精神的に困難だったし、注意深く見ればなにか逃げ道のようなことが書いてあるのではないかと祈っていた。
いくら読んでもそんなことは書いてなかった。事実として、5/20に開催される、待ち望んでいた東京ワンマンを最後に川本空に二度と会えなくなることしか書いてなかった。
自分は過去記事でも言及したとおり、昨年8/6のTIFのステージを見たことをきっかけにタイトル未定を推し始めた人間だ。
まだ1年も通ってない。
直近ではIDORISE FESTIVALの3日間を共に過ごして、より一層グループとメンバーへの想いを強くしているときだった。
まったく、対処の仕方がわからなかった。
好きなグループからメンバーが卒業したり脱退したりという経験は一応あるけど、こんなにグループへの熱がホットな状態のときに、個人的にもとても好意的におもっていた子が卒業することは初めてだった。
名古屋へ
とにかく会って話をしないことには、と思った。
告知だけでは、本人やメンバーのツイートだけでは置かれた状況から一個も先へ進まない。
この精神状態を野放しにするのは、自分にとって非常によくないと思われた。
そのとき直近で参加予定だったのは4/7(日) 代々木で開催される有田祭 Special Vol.5だったが、このイベントは北海道への戻り時間の都合上、特典会を実施しないことが発表された。
無理だろそれは。
いまライブだけ観て話せないんじゃ、募る想いや不満はこじらすだけだ。
同日の昼は名古屋で2ndシングル「群青」のリリースイベントが開催されることになっていた。
正直行く予定ではなかったが、とにもかくにもいま会わなければいけないと思い、早朝の新幹線で名古屋に向かうことにした。
タイトル未定のライブはやはり楽しかったし、参加することを誰にも告げてなかったので、谷乃愛ちゃんには驚きとともに感激されて、いい思いをした。
一見ほんとに何事も無かったようなライブだった。
空ちゃんとも話をした。
笑顔で話ができた。
それは彼女が望んでいたこと(卒業まで笑顔で過ごしたい)に従ったからでもあったし、結局いままで会話してきた関係性もあって、いつものように彼女が名前を呼んでくれて、明るい声で喋って、さらっと「驚かせちゃったから~」なんて普段と同じテンションで言うので「こやつめ……w」と思いつつ自然と笑いながら喋れた。
駆け抜ける
そして、その後の4-5月のライブスケジュールは怒涛のように過ぎ去っていった。(つっても基本関東しか行かへんからGW中の活動メインやな。意外となかった)
・4/27 かすみ草とステラ1期生×タイトル未定 2マン企画 「SPRING HAS COME」
・4/28 ROMAN CANDIES SPECIAL 2024
・4/29 タイトル未定 東京メイドチェキ会
・4/29 Ringwanderung presents 「SYNC」
・5/5 北海道アイドル紀行 道新ホールSPECIAL
・5/5 タイトル未定 ワンマンライブ 北海道 「STAY BLUE」川本空 卒業公演
・5/6 iCON DOLL LOUNGE 2024 SPECIAL CIRCUIT
・5/17 〜新宿LOFT歌舞伎町移転25周年記念〜 きのホ。& しんじゅくろふとの共同企画 『京町娘の珍道中〜其ノ参〜
・5/18「群青」リリイベ(タワーレコード渋谷)
・5/19「群青」リリイベ(ダイバーシティ東京プラザ)
特典会の川本列は「絶対お前ら普段並んでへんかったやんけ」と突っ込みたくなるほど毎回長蛇の列で。
彼女がたくさんの人に惜しまれて、愛されていることを実感した。
北へ
5/5の卒業公演は、これも突発で参加した。卒業の話はここでしかやらないなんて言うから。。
アイドルネッサンス「前髪」のカバー中に谷乃愛が涙ぐんで歌えなくなったり、湿っぽい場面もあったが、全体的には川本空プロデュース公演といった印象が強かった。
オーイシマサヨシの「なまらめんこいギャル」のソロカバーからのラストにP、スタッフ、事務所の姉妹グループまで動員して全員で踊るなんて発想はなかった。
してやられたなぁと思った。
歌唱も、振りも、レスも、感情を乗せるところも、最大限にアイドルしてて、いや、正直こんなに空ちゃんすごい子だったっけ?と思わせるほど。
それはやり残しがないようにするための、彼女の最後の輝きなのかもしれなかったが、そのパフォーマンスにとても魅せられたし、同時に彼女がもうすぐステージから去るという事実が改めて惜しかった。
当日
5/20(月) ついにその日がやってきてしまった。
正直不安であった。
空ちゃんは連日のライブと特典会で、18日には喉を痛めてしまっていた。
19日のお台場のライブでは、谷と冨樫も本調子ではないように聞こえて、元気に見えるのは阿部のみという状況。
これからどう巻き返しても、万全なコンディションでのラスト公演、そしてワンマンライブは観られないだろうと悲観していた。
午前中仕事してからの前特典会に参加するためにお台場にスーツで駆けつけ、いよいよこれからという空気のタイトル未定がいて、不思議な感覚に陥る。
※前特典会ってほとんど初めて参加したしな。。
その後一度帰宅して着替え、再度お台場へ。。(全休にしていたらこの無駄往復もなかったのだが)
開場前に物販だけあるので再度並んだものの、ここで川本チェキ券完売。。。
販売時間の15分前ぐらいから並んでもこれ。
当日はチェキ券購入制限が一会計につき3枚までとなっていたが、
その内訳まで制限されていなかったため最初に並んでた数十人(もいるか?)で終わってしまったよう。
さすがに前特典会のチェキが最後の接近になるのは避けたい。。
ライブ終わってから即物販並ばんと厳しいなあ。
ラストダンス
優先チケットのため前方は確約されているが、まあ最前は取れんでしょな番号。
チケットを差し出し、リストバンドを巻かれ、ドリンク代を支払った後、そのまま番号を崩さず1列に並び、スタッフの誘導にしたがい一人ずつ入場。
よーいどんだとわちゃわちゃしちゃうからね。北海道の卒業公演でも同じ仕組みだったけど、正直ありがたかった。
やや空いてそうな上手側。空ちゃんの立ち位置。今日は流石にここだろ。
開演。
紗幕の裏からタイトル未定が浮かんで、波紋の映像とともにイントロが流れる。
「水流」だ。
紗幕越しの「水流」始まりはセンスいい。
マイクトラブルなければもっと良かった。
ワンマンだから、タイトル未定の客しかいないんだけど、まあそれゆえに、ゴリゴリに1曲目から自分たちのカラーを原色でかましてくるのがアツい。
歌詞が大きく映し出されていて(現地では距離近すぎてほぼ見えてないのだが)改めてこのタイミングで読むと一種の決意表明のようで意味深。
そのまま幕は上がらず「黎明」
幕の向こうで歌詞の世界に憑依しながら歌い踊る4人。
アウトロで幕が落ちて一転、明るい曲調の「桜味」
「夏のオレンジ」と続く。
「栞」をやってるあたりで、
ああ、もうこの4人でパフォーマンスする楽曲がどんどん終わっていく……という気持ちにさせられる。
空ちゃん卒業において、鉄壁だった冨樫優花さんがついに崩壊する「春霞」
冨樫優花さん。いつも表現力がすごくて。
パフォーマンスに命をかけている人だから、こういう涙に絆されない(という表現は適切じゃないか)人だと思っていた。空ちゃん卒業発表されて以降も唯一歌唱中に崩れてなかったから。
だからこそ、あそこで空ちゃんと顔を見合わせて涙涙で歌う姿に尊さをおぼえるし、観れてよかったなと思う。
そこから暗転し、空気を一変して「薄明光線」
この日の「薄明光線」はまた凄かった。
1Aで語りかけるパートを「私って……皆にとって特別な存在だよね?」と歌詞を変えて問いかける川本。
それを受けて涙を薄皮一枚で堪えながら歌う阿部。
毎回この曲は固唾をのんで見守っているけど、初めて聴く色をしていた。
普段から曲の世界観に沿った感情が詰め込まれて溺れそうだけど、この日はさらに今日の想いを乗せて崩壊寸前だった。
それでも涙で曲のクオリティが死ぬことはない。すごいな。
そういえば、序盤で懸念していた声の不調が気にならなくなっていた。
「溺れる」
この曲は、自分がタイトル未定を追い始めてからも進化を続けていた曲。
川本の感情表現がどんどん進化していた印象がある。
だから最近は、川本空の曲としてみていた部分がある。
その、最後の披露。川本の歌唱と芝居が最大限にウェット。
そして、谷も今回ありったけをぶつけるように歌う。
谷乃愛の表現は、これも感情芝居が秀逸で、だけどバランスを取って心を失わないのだが、今回は限界までぶっ放していた。曲として成立するギリギリまで。
そして落ちサビ、ひとり儚くサビの一節を歌う冨樫。最後の盛り上がり、そこで
冨樫が「Zeppいくぞ!!!!!」と信じられないような声色で叫ぶ
それを受けて3人も「足りない」「足りない」と叫ぶように歌う。
駄目だったね。涙と汗と髪を振り乱しながら頭揺らすしかなかった。なんだったんだろうねあの体験は。
その後川本空のサビが印象的な「僕ら」を挟み、MC、ピアノ弾き語りに乗せた「にたものどうし」。
タイトル未定のアンセム「青春群像」。Cメロであの子の名前を叫んだし、アウトロでZeppの天井まで跳びつづけた。
そして「鼓動」
Aメロの助走のようなメロディで阿部が「声を!」と叫ぶ。
そしてBメロ入りで冨樫が「行こう!!」と投げる。
ここは、、ここでこそ、そう言ってくれると思ってました冨樫さん。
本当に高まるときにしか言わないんだもんあそこ(自分が行った限りではTIF3日目、IDORISE2日目トリ、今回のみ)
嬉しかったな。
もうありったけ、拳も声も捧げたよ。
最後、最新シングルの「群青」を会場中の光とともに歌い上げて本編終了。
アンコール、今回ばかりはずっと声を上げてた。長かったな。。
アンコール明けはギター・ピアノ・カホン・バイオリンを加えたアコースティックセット。
事前にコーナーがあることは伝えられていたものの、まさかのアンコール後。
構成の妙。
デビュー曲「踏切」のイントロのピアノが流れた瞬間泣く。
あまりに綺麗すぎて。
「だけどそんな強くはなれないよ 帰り道の途中」
空ちゃんが歌う。最後だ。最後になる。
こんな素晴らしい音楽が聴けなくなる。
一転してアップテンポの「蜃気楼」
本当に好きなんだよね、この曲。ベスト5に入るぐらい。
サビのハモが綺麗すぎて。空ちゃんの上ハモはこんなときでも美しい。
「灯火」
自分が最初にタイトル未定をみたときにも最後に歌われていた曲。
大事な曲。
曲前に川本が観客に伝える。
1Aのラップを歌い終わる川本がすでに涙ぐんでいる。
2サビのあたりから、サビを歌う冨樫の隣で号泣している。
ぼくはそれを目の前で見ていた。
終わっちゃう。
落ちサビ、空ちゃんのパート。歌唱はなく、
「導いてくれて、ありがとう」
泣きながら伝える。
耐えられなかった。おんおん泣きながら、でもステージを見なくちゃと思った。
こちらこそでしょう、導いてくれたのは。
せいいっぱい、最後の歌詞をかみしめながら手を振った。
そしてワンマンライブは終わった。
すべてが終わったあとに
終演後、優先チケットから先に物販に行けたおかげで空ちゃんへの最後の挨拶のチェキ券はなんとかゲットできた。
長い、長い列だった。
先にサヨナラを済ませたオタクが号泣してるのを見てもらい泣きした。
最後は、笑顔で写真撮って、真面目に想いを伝えて、それで終われるかなと思ったけど、
最後どうしても涙が滲んで、カッコ悪いバイバイになっちゃった。
終わって、涙が零れないようにやや上を向きながら列の間を抜けた。
さいごに。
ありがとう、タイトル未定。
この4人が大好きでした。未来がどうなるかわからないけれど、大きな別れがあってさえ、むしろますます大きくなることを望んでいます。
引き続き、このグループがどこへ行くのかを見ていたい。
これからもよろしくね。
川本空ちゃん、出会ってくれてありがとう。どうかお元気で、お幸せに。