神奈川からプロへ行くためには
忘れもしない。2020年3月3日14時43分の出来事だ。昼寝から起きたYですのスマホに1通の通知が入っていた。その内容がこちらである。
非常に難しい内容を振ってきたな…と言うのが第1印象ですね。ただ、あのやまけんさんからのパスですので誠心誠意答えていきたいと思います。
まず初めに
今回の質問を答えるに辺り、何点かお断りだけさせていただければと思います。ここに書いているのは全て個人的な意見であり、絶対ではないと言うことだけご了承いただければと。ここ数年の神奈川リーグの外野手の成績を調べてみました。また調べるに辺り2016年春以降のデータを調べています。まず、神奈川リーグからNPBの舞台へ進んだ選手は2016年以降で見ると5名(内、社会人経由3名)その野手でプロ入りしているのは0名という結果。神奈川リーグから野手としてプロ入りしているのは2015年の足立 祐一(神奈川大学〜パナソニック)が最後となっています。
上記の表は、2016年春以降の外野手で主に上位の成績を残した選手をまとめた表になっています。この表だけ見ると、プロへ進んでいる選手はいないものの、強豪社会人チームへ進んでいる選手は何人もいます(進路に関しては1度のみしか掲載していません)社会人チームへ進んでいる選手の中で言うと、日本通運の佐藤 ウイットロウ デシャーン 広之選手(横浜創学館〜横浜商科大学)や日立製作所の濱元 航輝選手(柳川高校〜神奈川大学)は大学4年生の時にプロ志望届を出していますが惜しくも指名がなかったという経緯もあります。なので今回はこの2人を比較し、指名されなかった理由とプロに指名されるにはどうすれば良いのかを自分なりに考えてみたいと思います。
濱元 航輝のプレースタイル
濱元のプレースタイルは巧打の俊足外野手タイプ。長打を打つと言うよりかは足を生かして単打を二塁打にしたり、内野ゴロを安打にしたりする脚力が武器の選手で1塁への到達タイムが4秒前後とかなり速いタイムを記録する事が出来ます。そんな濱元は3年間(1年生の時は試合出場なし)でリーグ通算79安打とかなり安打を量産しているのにも関わらず、何故指名されなかったのかを考えていきたいと思います。
濱元が指名されなかった理由
(出典元 神奈川大学野球部HP)
ここからはあくまでも個人的な考えになりますので、絶対にこの理由で正しいと言うわけではないので、予めご了承ください。濱元がプロ志望届を出した年に支配下で指名された外野手は4名。その内訳は高校生2名(細川→DeNA5位、鈴木→西武4位)、大学生2名(田中→楽天3位、森山→日ハム5位)という内訳でした。この年の外野手としては細川や森山の長打力が持ち味の打者で、田中は長打も打てるが総合力が高い選手、鈴木は俊足を武器にした外野手となっており、この中では鈴木とタイプが近かったのではなかったのではないでしょうか。では何故、鈴木が指名されて濱元が指名漏れになってしまったのか。理由としては1番打者としての確実性とパワーの部分があげられるのではないでしょうか。4年生の時には減ってはいるものの、3年秋の11三振というは非常に多いかなと思いますし、安打数はコンスタントに1シーズンに10安打放ってはいるものの、その殆どが単打であり指名された田中や森山は長打が打てていますし、現代のNPBでは左打ちの俊足巧打の選手は非常に多く、同じタイプで被ってしまっているので指名が見送られた可能性が高いのではないでしょうか。
佐藤 ウイットロウ デシャーン 広之のプレースタイル
186cm/95kgの大型外野手。ストレートに非常に強く、横浜市長杯では中塚(白鴎大→西武)の147キロのストレートに振り負けず左中間フェンスダイレクトの打球を放つなどパワーがある選手。1塁到達タイムも4秒前半を記録するなど足も使える選手。その俊足を生かした守備範囲の広さも彼の持ち味の1つになっている。
デシャーンが指名されなかった理由
濱元の時に似ている部分があるのですが、彼が指名されなかった理由を考えた時に挙げられるのが三振の多さと打率の低さが挙げられるのではないでしょうか。確かに、当たった時の飛距離は凄く、飛ばすことも出来るがこの年の指名選手の岩見(慶應義塾大学→楽天)と比べてしまうと飛距離やパワーは劣ってしまうし、島田(上武大学→阪神)のような俊足ではない。良いところがあるけれども特出しているかと言われるとそうでもないという、言い方が悪くなれば器用貧乏に近い状態になってしまっていたのではないでしょうか。
神奈川リーグから指名されるためには
では、ここからが本題になってきます。今回の質問をもう1度確認しましょう。
まずこの選手がどういうタイプの選手なのか、右打ちなのか左打ちなのか分からないが、まず言えるのはベンチに入るところが重要なのではないでしょうか。その後を言うのであれば個人的には右打者であれば「リーグ通算100安打」左打者であれば「リーグ通算20本塁打」がクリアするべき数字なのではないでしょうか。濱元は左打者で79安打でも指名されなかったのですが今秋のドラフト候補の関は右打者で3年秋までに通算94安打を放っているのを見ると、右打者では長打もあるに越したことはないが、100安打を達成するというのでも注目されるポイントになるのではないでしょうか。左打者では「リーグ通算20本塁打」が目安になるかと思います。一見するとかなり無謀な数字にも見えると思いますが、大神田(桐蔭横浜大学→鷺宮製作所)はリーグ通算19本塁打を記録。彼は3年秋に怪我離脱さえなければ20本到達していた可能性がありますし、昨年秋もプロ志望届は出さなかったのですが、もし仮にプロ志望届を出していれば指名されていた可能性は少なからずあったのではないでしょうか。NPBでは長打を打てる選手は限られておりその中に割って入るにはやはり「長打」は1つの大きなアピール材料になってくると思います。
最後に・まとめ
神奈川リーグからプロを目指すためには…
①まずベンチ入り
②右打者なら100安打、左打者なら20本塁打
を目標にやってみていただければ、少なからずスカウトの目にも止まるのではないでしょうか。ただ、今回はあくまでも「打撃」にフォーカスを当てただけなので、当然の様に守りに不安があるなどとなってくると指名される可能性が非常に少なくなってきます。ただ「打てるだけ」なんてのは上のステージでは数多くいるので、その中で如何に「自分らしさ」を出していけるかがポイントになってくると思います。特に今のSNSでは打撃理論などを現役選手が情報共有している時代なので、自分に合ったものが見つかれば飛躍する可能性も高いのではないでしょうか。
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