【大学野球】2021年秋季神奈川リーグ展望


こんばんわ。Yです。

優勝決定戦を経て桐蔭横浜大学の優勝で幕を閉じた春のリーグ戦から早3ヶ月が経過しました。リーグ戦が終了してからの3ヶ月間では桐蔭横浜大学が神奈川リーグ代表として出場した全日本大学野球選手権があり、また全日本に出ていない他大学はオフの期間を挟んで夏のOP戦などでチーム力をさらに向上しており、中には強豪社会人とのOP戦で存在感を出した選手もいたと聞いています。また、8月21日には連盟より秋季リーグ戦の日程が発表されました。他の連盟では開幕延期をしているところも多いだけに、無事に開幕できることと同時に有観客として観戦できるような状況になることを祈っています。

今回は毎シーズン前の恒例として秋季リーグの展望と個人的に注目している選手をピックアップしてご紹介していければなと思いますのでよろしくお願いします。


⚠️敬称略です⚠️
⚠️個人的主観です⚠️


桐蔭横浜大学

全日本大学野球選手権に出場した桐蔭横浜大学。全日本では初戦敗退に終わってしまったものの、全日本の舞台を経験し、殻を破ってきそうな選手も何人か出てきたのは秋のリーグ戦の楽しみな部分になっているのではないでしょうか。

投手陣では最上級生の安定感が大きなポイントになってくると予想。菊地 大稀(右腕・佐渡)森屋 樹(右腕・橘学苑)の両投手が軸になってくるでしょう。菊地は右足首の怪我によりリーグ戦こそ出遅れたが、リーグ戦終盤に復帰すると全日本では先発を任されるまでに状態を上げていった。神宮ではストレートが最速144キロを計測。怪我明けながらもNPB球団が注目するポテンシャルを発揮しており、秋の結果次第では上のステージでのプレーも十分に狙えるのではないでしょうか。森屋は春のリーグ戦で最優秀防御率(0.00)を獲得。球速自体は140キロ台前半ながらもコーナーを丁寧につく制球力で四死球をほとんど出さない投球は現在の桐蔭横浜大学投手陣の中でもまた違ったタイプの投手ではないでしょうか。

野手では吉田 賢吾(捕手・横浜商科大学)に注目が集まる。大舞台での勝負強い打撃でNPBスカウトも注目し始めた3年生捕手。特に注目したいのが三振数の少なさ。2シーズン(2020秋、2021春)では89打数でわずか4三振しかしておらずミート力の高さも非常に際立っているのではないでしょうか。また吉田の前に出塁する可能性が高いのが金井 涼汰(外野手・樹徳)。春のリーグ戦では4割を超える高い出塁率を記録しており、金井の出塁時には約8割の確率で得点に繋がるなど得点源として大きな役割を果たしている。その他にも吉田晃誠(内野手・前橋商業)や平野翔(内野手・中央学院)の両3年生内野手も打撃に積極性があるので吉田の前後に座ることによって得点のチャンスを拡大していく。

また、桐蔭の強みとしてあるのが下級生の活躍が目立つ。特に古謝 樹(左腕・湘南学院)山崎 駿(右腕・桐蔭学園)の両2年生が春のリーグ戦に先発として安定感のある投球を見せてくれたり、加田 拓哉(外野手・帝京)青木 優吾(外野手・中央学院)など1年生ながらも全国の舞台を経験している選手が揃っており、この秋の活躍に期待がかかる選手が多く在籍している



関東学院大学

春は優勝決定戦まで持っていくも最後の最後に負けてしまい2位で終わった関東学院大学。ここ数年、秋のリーグ戦での強さを発揮しているチームで、この5年の間に2度秋のリーグ戦で優勝を飾るなど秋は関東学院大学にとっても非常に縁起の良いシーズンではないでしょうか。

打撃に特化しているチームカラーは今年も健在で、春の打撃上位10選手の中に関東学院大学の選手が3名(松井、磯、黒田)が入るなど1試合平均6.2点の打線を牽引していた。その中でも最上級生となる松井 惇(外野手・東海大菅生)中野 雅人(外野手・龍谷大平安)の2名は安定感のある成績を残しており、中野は打点王を獲得し、松井も打率ランキング2位になるなど4年春のシーズンでしっかりと結果を残してきた。下級生にも磯 一輝(捕手)大河内 陸斗(内野手)の作新学院OBや昨年まで捕手として出場し、春から「4番・ファースト」として試合に出場するようになった黒田 直人(捕手兼内野手・冨島)など攻守に渡り大きく貢献している。1番に入ることの多い仁藤 圭吾(外野手・島田商業)を筆頭に下位打線から1番まででどれだけ中軸の中野、黒田、松井、大河内の前にランナーを出せるのかで試合展開を有利に進められるかが変わってくる。

一方で投手陣には奮起が期待される。4年生の長島 光希(右腕・健大高崎)は昨秋から大幅に成績を向上させ防御率1点台前半の成績を残しており、この秋がラストシーズンとなるが、エースとして1戦目の計算をすることができる。しかし、2番手以降の投手がどうだったかというと春に関しては固定し切れていないというのがある。1年生からリーグ戦経験のある嶋田 勘人(右腕・坂井)上ノ山 倫太郎(左腕・啓新)、春のリーグ戦で好投を見せた大西 海翔(右腕・駒大苫小牧)など力のある投手は揃っているものの、安定感に今一つ不安が残ってしまう。裏を返せば固定されていない分、全投手にチャンスはあると思う。昨年までのOP戦では佐藤 孝輔(左腕・横浜創学館)黒木 拓馬(右腕・冨島)の2年生投手が1年春ののOP戦で好投を見せていたこともある。個人的にここ数年で初めて関東学院大学のOP戦を1試合も観れていないだけに、この秋のリーグ戦でどんな選手が出てくるのか非常に楽しみ。


神奈川大学

春は3位で終わったリーグ戦だったが、桐蔭横浜大や関東学院大と共に最後まで優勝争いを繰り広げた。その原動力となったのは安定感抜群の投手陣の力が大きい部分だと感じた。1年生の頃からリーグ戦での登板経験があり、2021年が大学野球ラストシーズンとなる、前田 秀紀(右腕・聖光学院)が開幕戦で脇腹を痛めるアクシデントに見舞われてしまい、3イニングで降板してしまうなど幸先の悪い出発だった2021年シーズンだった。しかしこのピンチの中でも神野 竜速(右腕・西武台千葉)川合 勇気(右腕・掛川西)の両3年生が投手陣を支えた。その中でも神野はチーム最多の43イニングを投げ、防御率が0.84というとてつもない成績を残した。140キロ台中盤の真っ直ぐとキレ味鋭いスライダーは大学生投手の中でも中々見ることの出来ないボールを投げており、この夏のOP戦では某社会人チームとのOP戦でリリーフ登板ながら151キロ(某チームのスピードガンでの表示)を記録するなど着実にステップアップしている。また開幕週はリリーフに回っていた川合も途中で先発を任されるようになり、前田の復帰に合わせてまたリリーフに戻るなど調整が難しい部分が多かったと思いますが、見事に順応したのではないでしょうか。

野手では、NPB注目と言われている梶原 昂希(外野手・大分雄城台)の活躍が大きな鍵になるのではないでしょうか。春は首位打者を獲得した1年秋に続く成績を残したシーズンとなり、打席でも逆方向への強い打球が増えたシーズンだと感じた。梶原の後ろには強打の土井 克哉(捕手・唐津商業)が控えており、2人でいかにランナーを返していけるかどうかが非常に大きな鍵になってくるのではないでしょうか。神奈川大学には渡邉 宏祐(内野手・桐光学園)を筆頭に庄子 雄大(内野手・横浜)、三浦 大(内野手・秋田商業)など足を使って塁上をかき回すことが出来る選手がおり、どれだけ出塁し投手へプレッシャーをかけられるかが重要になってくるだろう。

リリーフとして活躍した石井 将吾(右腕・相洋)本田 眞也(右腕・相洋)、大型の内野手で力強いスイングが持ち味の吉沢 悠佑(内野手・東海大相模)、試合出場こそなかったもののベンチ入りを果たした江口 巨樹(内野手・天理)など楽しみな選手も数多くおり秋の戦いにも注目したい



神奈川工科大学

春は開幕戦をタイブレークにもつれながらもサヨナラホームランで劇的勝利を飾った神奈川工科大学。上位3校(桐蔭横浜大、関東学院大、神奈川大)からも勝ち星を挙げながらも6カード中5カードで1勝1敗で終わる結果になり、4位に沈んだ形に。

エースの古堀 廉大(右腕・多良木)が防御率1点台後半の安定感のある成績を残し主戦投手としての力を発揮すれば、リーグ戦後半に登板機会の回ってきた工藤 佑太(右腕・鶴岡東)も短いイニングのみの登板ながら無失点で切り抜けるなど、力のある投手はいるだけに古堀、工藤に続く投手の登場に期待したい。期待する投手の中にはOP戦で登板していた笹木 柊之介(右腕・瀬谷)辻 瑛壱彗(右腕・甲府城西)の2投手に期待したい。笹木は140キロに迫るストレートに力強さがあり、空振りを取ることが出来る投手。辻は前の投手が2人ランナーを出したところからリリーフ登板し、曲がりの鋭いスライダーを武器に2者連続三振を含む3者凡退でピンチの場面を切り抜けた。2人とも1イニングのみの登板になったもののリーグ戦でどのような投球をするのか、非常に観たいなと思わせてくれる内容でした。

野手ではOP戦を見た限りの内容にはなりますが、3年生ながら主将を務める一藤木 啓太(内野手・東海大菅生)がスタメンで出ていないのが不思議なくらいの打撃を見せてくれた。春は途中出場する試合が多かったものの、見事に首位打者を獲得しており、OP戦でもNPB注目投手を相手に代打で出てきてすぐにアジャストさせて安打を放つなど打撃に関しては注目度は非常に高い選手なのではないでしょうか。その他にもリーグ戦で高打率を記録した経験のある熱田 光俊(内野手・帝京三)や長打力が魅力の本橋 実生(内野手・東海大菅生)にも注目をしたい。特に熱田に関しては一藤木と同じくNPB注目投手の140キロ後半の速球やキレ味のあるスライダーなどにも対応しており、春はリーグ戦でトップの盗塁数を記録しただけに熱田や本橋、一藤木の前にランナーをためて、3人のチャンスでの一本に期待したい。



横浜商科大学

チーム史上初と言っても過言ではないと言われている「投手が主将に就任」という歴史を作った横浜商科大学。リーグ戦後半は調子を上げていったものの開幕のスタートダッシュが上手くいかなかったのが非常に痛い結果になってしまった。

投手陣では主将の飯田 琉斗(右腕・向上)が開幕週以降2カード連続で早いイニングで降板してしまうなど不安定さが出てしまった。しかし、3カード目の神奈川工科大学戦で完封勝利を挙げるとその後の3カードでは6回以上を投げて自責点2以下に抑えるなど徐々に調子を上げてくる所はエースと言われる部分なのではないでしょうか。OP戦では最速146キロを計測しており秋が楽しみ。2戦目の登板が予想される河野 颯太(右腕・横浜商科大学)にも期待したい。スライダーや真っ直ぐが非常に良いものを持っているので注目したいし、この2人以外にもOP戦を見る限りでは遠藤 和樹(右腕・霧が丘)鷲尾 拓也(右腕・敦賀気比)竹下 奏大(右腕・武相)なども非常に面白いボールを投げておりリーグ戦での登板に期待したい。

野手では1番を打つ鷲田 亮太(外野手・八王子実践)がどれだけ結果を残していけるかがポイントに。今の段階でもすぐに社会人野球でも通用するのでは?というくらい走攻守全てにおいてハイレベルなプレーをしてくる選手で、鷲田の出塁が大きな鍵になってくるでしょう。あとは中軸を任されるであろう八幡 剛(内野手・横浜商業)や勝負強い打撃を見せる千葉 龍大(内野手・平塚学園)などがどれだけ打点を挙げるかに注目したい。下級生では野道 大誠(内野手・敦賀気比)の力強い打撃や竹島 楓斗(外野手・八幡商業)の俊足などにも注目していきたい。



松蔭大学

春に久々に1部昇格した松蔭大学。入れ替え戦に回ったものの1部の舞台を経験し培った粘り強さを発揮し、見事に残留。この秋は1部を久々に経験しどこまで戦うことが出来るか、正念場になると思います。

その中でも投手のキーマンになるのは春に10試合中7試合に登板した小林 駿介(右腕・白山)ではないでしょうか。167cmと小柄ながらも力強い投球を見せており、リーグ最多の49イニングを投げるなど鉄腕ぶりを発揮しベストプレーヤー賞を獲得。上位進出する為にも、1イニングでも多く投げたい所。また2番手以降としては安部 翔(右腕・アレセイア湘南)牧内 都(右腕・磯子)なども力があり面白いボールを投げる。特に安部はサイド気味の変則フォームからキレのあるボールを投げており、春MVPの桐蔭横浜大・吉田 賢吾のバットをへし折るなど優勝した桐蔭横浜大の野手陣にも引かずに攻め続けていたのではないでしょうか。

野手では1番に座る大坪 利明(外野手・川崎北)の出塁でどれだけ塁をかき回していけるか。小柄な選手だが当てる技術に長けており、相手投手に如何に球数を投げさせられるかにかかっていると思います。また弘中 真澄(内野手・川崎北)木村 栄介(内野手・横浜隼人)の中軸にも期待がかかる。特に4番に入ることが予想される弘中に関しては春のリーグ戦でも4盗塁を記録するなど走ることが出来るだけに大坪や弘中の足を生かして攻撃を展開していきたい。



以上が秋のリーグ展望になります。

明日からリーグ戦が開幕します。横浜スタジアムでの観戦のみと限られてはしまいますが1部、2部共にYouTubeでの試合配信を行うなどおうち時間でもみることが出来ますので、是非とも観てみてはいかがでしょうか。







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