2022年夏季OP戦 東芝vs神奈川工科大学 観戦レポ
【おことわり】
リーグ戦期間中に開催されたOP戦の観戦レポになります。公開時期をリーグ戦終了後に設定している関係上、今回もまた時系列がズレているnoteとなりますがご了承ください。
こんにちわ。Yです(@kngw_baseball)
今回は先日の桐蔭横浜大学vs三菱EastのOP戦に引き続き、神奈川工科大学vs東芝の「大学生vs社会人」のOP戦が組まれていたので観戦に行ってきました。秋季リーグ戦を開幕2連勝を飾り幸先のいいスタートを切り、2週目がちょうど空き週の期間だった神奈川工科大学と日本選手権出場が決まっている東芝の一戦。
スタメン
先攻/厚木市・神奈川工科大学
後攻/川崎市・東芝
スコア
※自責点に関してはかなり緩く換算しています
例)八神の登板中の失策はゲッツーを取れていたため本来ならチェンジになっていたという形に置き換えています。
試合展開
東芝の先発は高卒ルーキーの西村 王雅(智辯学園高校)が先発。
高校時代からNPB注目選手として名を馳せていた西村。高卒1年目ながらも3月のスポニチ大会に登板するなど期待値が高い投手の1人。ストレート自体は130キロ台中盤ながらも打者のタイミングを外すチェンジアップやスライダーなどで打たせて取る投球が持ち味の左腕。この日は6回を投げその内4回でランナーを背負っての投球となったがそれでも1失点にまとめたのは社会人野球界で洗練された技術のように感じた。
一方の神奈川工科大学の先発はエース・工藤 佑太(④鶴岡東)がマウンドへ
手元で小さく動くストレートを軸にシンカーやスライダーなどを軸に打たせて取ることも三振を奪うことも出来る変則右腕。ゾーン内で勝負することのできる投手で長いイニングを投げることが出来る。試合日前日までだがプロ志望届を出していないものの、強豪社会人チーム相手に結果を残すことが出来るかに注目をしたい。
試合は初回から動く。東芝は2番・堀米 潤平(白鷗大学)が四球で出塁
その後、神奈川工科大学の野手のエラーと工藤の牽制悪送球でノーヒットで先制点を奪う。特にエラーを記録したのが、併殺を取れる場面での悪送球と打ち取っていた打球だっただけにもったいなかった。
工科大の先発・工藤は3回まで投げて降板。初回の失策絡みの失点はあったものの、結果としては無安打投球で三振も3個奪うなど、都市対抗にも出場した相手に引けを取らない内容だった。
工藤の後を引き継ぎ2番手として2年生右腕・古西 祐羽(富士北陵)がマウンドへ。
春のリーグ戦でデビューした最速140キロ前半を記録する右腕。非常に投げっぷりが良くストライク先行の投球をしてくる。この試合でも4番から始まる東芝打線を3人で切り抜けており、リーグ戦での好投を期待させる結果となった。
5回からは3番手として3年生の新田 譲人(日川)がマウンドへ。
184cmの長身から投げ下ろされる角度のあるボールが持ち味の左腕。この試合で目立っていた投手の1人。下位打線との対戦だったが見逃し三振を奪うなど3者凡退で切り抜けるなど安定感を見せた。
6回、試合が大きく動く。
1アウトから3番に入る長嶋 峻佑(③関東一)が三遊間への内野安打を記録すると、4番・岡田 将宗(④武相)がレフトへ運びチャンスを拡大、死球を挟み満塁とこの試合最大のチャンスを作る。西村にとってはこの試合最大のピンチを迎えた。このチャンスで6番に入っていた4年生の高住 奏太(学法石川)がライトへ犠牲フライを放ち同点に追いつく。リーグ戦経験がほとんどない高住の一打は逆方向へ強い打球であり、リーグ戦でも代打やスタメン起用の可能性が高まる一打のように見えた。しかし、その後が続かずにこの回は同点止まりで終わってしまう。
その裏から工科大は4番手として八神 辰大(④逗葉)をマウンドへ。
1年春からリーグ戦経験のある八神だが、この試合はかなり苦いものとなってしまった。
先頭打者を内野ゴロで簡単に1アウトを取るものの、連続死球と悪送球で1アウト満塁のピンチを招くと、谷川 刀麻(近畿大学)にタイムリーを浴びてしまう。
その後、押し出し四球でさらに失点をしていまい、結果として1アウトしか取れずにマウンドを降りる形に。ストレートの威力や球威などはこの試合に登板していた投手の中でも上位の内容だったが、制球が安定せずに高めに抜けるボールも多くあるなど課題を残してしまった。
満塁のピンチを引き継いだのが5番手投手の東田 翔(③日大三島)が急遽、マウンドへ。
恐らくだが東田は結果として回跨ぎをして次の7回まで投げ切る形になっていたので当初の予定では7回からの登板予定だったのではないだろうか。準備が不足していた訳ではないだろうが、結果としては前倒しの登板となってしまい、登板後直後に小川 裕生(上武大学)にライトへ完璧な満塁ホームランを打たれてしまう。
東芝にビックイニングを作られてしまう。しかし、東田はストレートとブレーキの聞いた変化球を巧みに使い、7回もピンチを無死2、3塁のピンチを招くものの結果、無失点として切り抜けるなど結果を残した。この秋のリーグ戦でも2戦目などで先発を任される可能性やリリーフでの登板も期待できる投手の1人だ。
東芝の先発・西村は7回まで投げて降板。おそらくだが130キロ中盤〜後半の最速ながらも、チェンジアップやスライダーなど多彩な変化球との組み合わせで被安打5、奪三振4、1失点の好投。高卒1年目とは思えないほどの落ち着きと投球術を見せてマウンドを降りた。
8回から東芝は2番手に柴田 祐斗(東京国際大学)をマウンドへ。
1回を投げて奪三振2と大学生を寄せ付けない圧巻の投球を見せた。その中でも長嶋 峻佑がツーベースを放ち一矢報いる打撃は、今すぐ社会人野球チームに在籍しても結果を残せるのでは?という打撃は兄(亮磨・現七十七銀行)を凌駕するのではないだろうか。
工科大は8回から平川 巧(④関東一)がマウンドへ。
春は主に2戦目の先発を任されるなど力のある投手。この日は立ち上がりから東芝打線に合わせられてしまい、ピンチを招く場面もあったが、盗塁阻止などもありなんとか無失点に切り抜けた。秋はリリーフとして既に1試合に登板しており、今後の登板でも粘り強い投球を見せてくれるのではないだろうか。
東芝は3番手として9回から藤村 哲之(横浜商科大学)がマウンドへ。
東芝では吉村と共に左のエースとして登板経験を積んでおり、大学時代と変わらずに被安打数こそ多いものの点を取られない投球を見せ続けており、この試合でも簡単に3人で切り抜けるなど安定感のある投球を見せ試合を締めた。
結果としては7−1で東芝の圧勝という形になったものの、神奈川工科大学は工藤が序盤3回まで好投、長嶋や岡田のマルチ安打と強豪社会人相手にも引けを取らない試合をみせていたのではないでしょうか。一方の東芝は高卒1年目の西村の好投に加え、谷川のタイムリーにベテラン小川の満塁弾と少ないチャンスをものにしていた印象がある。両チーム共にリーグ戦や大会を残しているだけに、今後の戦い方に注目したい。
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