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2024年神奈川大学野球総括


こんばんわYです。
11月8日に行われた横浜市長杯の横浜商科大学vs創価大学の試合結果を持って2024年度の神奈川大学野球の公式戦が全て終了しました。2024年は桐蔭横浜大学の4連覇や2人の選手のNPB指名など今年も色々とあった神奈川大学野球を今回のnoteで総括をしていければと思います。


※注意事項※
・敬称略です
・大学名の掲載順は秋のリーグ戦の順位にしています
・2024年の4年生は学年表記なしで表示しています
・2024年の3年生以下に関しては2025年の学年で表記しています。




神奈川大学

春は3位も秋に見事優勝を勝ち取った神奈川大学。
下級生の頃から活躍した選手に加え、新たにリーグ戦に絡んだ選手との融合が成功した秋のシーズンなのではなかっただろうか。

【投手】

2024年の神奈川大学の中心にいた投手の1人は松平 快聖(新3年・市原中央)だろう。昨年までは主にリリーフやクローザーなどで登板するケースが多かったが、この春から先発を任されるように。アンダースローながら130キロ台中盤を記録するストレートを軸に春は3勝を記録しベストプレイヤー賞、秋は4勝を挙げて最優秀投手賞を受賞。12月に行われる大学日本代表候補合宿にも参加が決まるなど飛躍の1年となった。来年もエースとしての投球を見せてくれることを楽しみにしたい。

エースとして更なる飛躍が期待される松平

4年生で言うとリリーフエースとして活躍した石井 将吾(相洋/TDK)は150キロのストレートに加えて縦に鋭く落ちる変化球で三振の山を量産し続けるなど神奈川大学のブルペンを支えた。

石井は神大OBが多いTDKへ進むことに

そして怪我から復活し横浜市長杯でマウンドへ戻ってきた本田 眞也(相洋/JFE西日本)など下級生の頃から登板していた選手のラストシーズンでもあるなど感慨深いものはある。

本田は土井と同じJFE西日本へ進む


2025年度は横浜市長杯でも先発をした天野 大空(新4年・宇部鴻城)が松平と共に先発の軸として回っていくだろう。春のリーグ戦ではリーグ3位の防御率となる1.72を記録し、秋のリーグ戦では2勝を挙げて優勝に貢献するなどフォークが武器の期待される投手の1人だ。

横浜市長杯でも先発した天野


石井の後釜にハマりたいのが上村 海斗(新4年・三浦学苑)本間 陸斗(新3年・松本国際)だ。上村は秋のリーグ戦でロングリリーフをこなし防御率がリーグ2位の1.23を記録。横浜市長杯でもリリーフで登板するなどブルペンを支える1人になるだろう。本間は150キロ超えの速球を武器に勝負する本格派右腕。1年生の頃からリーグ戦経験をしており今のリーグでは珍しいストレートで勝負をすることができる投手なだけあり期待がかかる投手。

ロングリリーフもこなす上村
150キロ超えるストレートが持ち味の本間


【野手】

庄子 雄大(横浜/福岡ソフトバンクホークス)の活躍を存在が何よりも大きかったシーズンだと感じた。春のリーグ戦・最終戦で通算100安打を記録すると、秋のリーグ戦でリーグ記録を更新する116安打を記録。ドラフト会議では福岡ソフトバンクホークスから2位指名されるなどリーグの顔として注目を集めた。NPBの舞台でも自慢の俊足を武器にグラウンドを駆け巡ってほしい。

リーグ記録を樹立した庄子

庄子以外の選手では4年生の活躍が目立った1年だと思う。
勝負強い打撃で打点を稼いだ陶山 歩夢(常総学院)や横浜市長杯で代打3ランホームランを放った山下 竜矢(横浜隼人)、安定した守備と卓越した選球眼でチャンスメイクを果たした佐藤 大陽(浜松商業/埼玉西武ライオンズ)など挙げ出したらキリがないほどここぞの場面での4年生の頼りがいのあるプレーが目立った。佐藤は埼玉西武ライオンズに育成指名されており、ここから支配下へ上がってほしい。

安定した守備としぶとい打撃を見せた陶山
春も秋も横浜スタジアムでホームランを放った山下
主将としてチームを牽引した佐藤大陽

下級生で目立った活躍を見せたのは岩田 悠聖(新3年・山梨学院)丸木 悠汰(新4年・横浜)の2名だ。岩田は今年1年4番をメインで任されており本塁打こそ多くはなかったもののチャンスの場面でしっかりと弾き返す打席を幾度となく放った。順調に安打を積み重ねており現時点ですでに41安打を記録しておりリーグ戦100安打も視界に十分入っているだけに来年は1番などでも見てみたい選手の1人。

庄子に続いて100安打が狙える岩田

丸木に関しては秋は5番を任されることが多く期待されている選手の1人でこちらも勝負強い打撃が目立った。何より彼が打つと大きなガッツポーズなどをしベンチやスタンドも盛り上がる光景がみられるだけに、来年以降の活躍にも期待したい。

チャンスに強い丸木

この夏はB戦という形で立教大学とのオープン戦を組んでおり実際に観戦、その際に先発登板していた伊波 慶治朗(新2年・沖縄尚学)はテンポのいい投球と大きく曲がる変化球で3回を無失点に抑えるなどの好投を見せており、来年リーグ戦のメンバーに食い込んできそうな予感がする。

来年以降に期待したい伊波

また新人戦で登板していた籾山 寛大(新2年・大森学園)は大きく曲がる変化球で三振の山を築き7回1/3を投げて10奪三振を記録するなど目立っていた印象がある。来年以降の神奈川大学投手陣を支える1人になるのではないだろうか。

新人戦で好投を見せた籾山

野手では立教大学とのオープン戦で板倉 大志(新4年・向上)が力強い打球を飛ばすなど2安打1打点を記録するなど目立っていた。板倉はリーグ戦経験もあるだけに横浜スタジアムで躍動する姿をみたい。

来年は横浜スタジアムで見てみたい板倉

2025年度は吉岡 道泰(新4年生・専修大学松戸)が主将に選出。
ここ数年はリーグ戦出場がないものの1年春からリーグ戦を経験しており、今年の横浜市長杯ではベンチ入りこそなかったものの登録メンバー入りしており、どんなチームになっていくのか注目してみていきたい。

1年春に試合に出ていた吉岡。どんなチームを作るのか楽しみである


横浜商科大学

あと一歩のところで掴めるところまでいくものの最後の最後ですり抜けていった神宮への切符。しかし、着実に力をつけてきているチームであることは間違いないだろう。

【投手】

誰が何を言おうと高根 匠人(文星芸術大学附属/JFE東日本)の存在は大きかった。

来年からはJFE東日本でプレーする高根

下級生の頃から先発としてチームを引っ張り続け、昨秋は肘の怪我でリリーフに回るものの今年は主戦投手として復帰。この秋のリーグ戦ではリーグ3位となる奪三振数を記録するなどリーグでも上位の成績を残した。そして横浜市長杯では筑波大学戦で完投勝利、創価大学戦では9回2アウトまで無失点で抑えるなど好投を見せ存在感を出した。卒業後は社会人野球での継続が決まっており、チーム状況的に1年目から登板の機会が得られる可能性は高いのではないだろうか。

棟方 響(湘南工科大学附属/軟式・アンリツ)は秋10試合にリリーフ登板しチームのピンチを幾度となく救った。

リリーフエース・棟方

秋は1試合のみの登板になってしまったが春は2戦目の先発として好投を見せ、鷺宮製作所に進むことが決まった岩瀬 風馬(国士舘/鷺宮製作所)の両左腕も投手陣を支えるなど下級生の頃からの活躍をしていた選手が多かった。

OBの千葉と同じ鷺宮製作所に進む岩瀬


2025年は駒井 秀成(新2年・平塚学園)工藤 逞(新2年・文星芸術大学附属)の両右腕が投手陣の中心になっていくだろう。駒井に関しては秋のリーグ戦で初先発を飾ると、14回1/3連続無失点を記録し横浜市長杯では同じリーグの神奈川大学相手に完投勝利を挙げるなど高根の後継者として一気に頭角を現してきた。球速自体は140キロ前後だが時折100キロを切るカーブなどを巧みに操りストライク先行の投球で投げ込む投球スタイルで2025年は先発の1戦目の筆頭候補ではないだろうか。

市長杯では完投勝利を挙げた駒井

工藤は1年生ながらリリーフとして登板機会を掴んだ。新人戦では先発登板した次の日にリリーフ登板をし新人戦優勝に貢献すると、秋のリーグ戦では主にクローザーとして難しい場面での登板も経験。こちらも140キロ台のストレートを軸にチェンジアップを決め球として緩急を上手く使って相手打者の芯を外す投球で勝利を手繰り寄せた。来季は先発なのかリリーフなのか不明だが、こちらも今後に注目したい投手の1人だ。

守護神として試合を締めた工藤


【野手】

個人的に2024年の野手MVPと言ってもいいのではと思っているのが、渡辺 優斗(新3年・敦賀気比)だ。1年生の頃からベンチ入りを経験し満を辞してこの春から正捕手の座を掴み取った選手。守備面では2025年度リーグNo.1と言っても過言ではない安定感があり強肩で相手走者を塁上で釘付けにした。打撃面でも春は2割台前半だったのが秋は.314まで上昇しており、来年以降も中心選手として期待したい。

4年生では田村 和希(大阪商業大学)竹島 楓斗(八幡商業/サムティ)の安定感が目立った。その中でも特に目立った活躍をしたのが主将を任された田村だ。春は打率.350を記録し秋は打率.450で首位打者を獲得するなど1年間で31本もの安打を積み重ねた。打順は主に5番を任されることが多かったものの、横浜市長杯では3番に入りチャンスでの場面で打点を記録するなど打線を牽引した。

主将としてチームを牽引した田村

竹島は1番を任される機会が多かったが、時には3番などの中軸に入ることもあった。安打でのチャンスメイクや自らの足を生かした盗塁など幅広いプレーを展開し、下級生の頃から試合に出ている経験を存分に活かしセンターラインを固めた1人となった。卒業後は社会人野球での継続が決まっており今後に注目したい。

1番として打線を牽引した竹島


2025年度の主将には宮崎 海(新4年生・愛知工業大学名電)が選出
リーグ戦通じて4番を打ち、春の大学日本代表候補合宿にも参加。横浜市長杯では本塁打を放つなど秋の公式戦14試合全てで安打を記録したバットメーカー。4番かつ主将として25シーズンぶりの優勝を目指す。

大学日本代表候補合宿にも参加した宮崎



関東学院大学

秋は1つでも落とせない場面から2連勝を挙げて逆転で横浜市長杯への出場を果たすなどここぞの場面での勝負強さを見せた。

【投手】

2024年は長友 稜太(新3年・宮崎商業)原崎 雄陽(新3年・駿河総合)久米 徳之介(新3年・東海大学付属甲府)の3名の存在感が目立った。長友は先発、リリーフ両方で大車輪の活躍を見せた。特に春のリーグ戦・横浜商科大学3戦目は159球を投げ切り完投勝利を記録するなどスタミナ面は十分であることを見せつけ、夏のオープン戦ではセガサミー相手に5回無失点と結果を残しており来年も先発としての登板に注目したい。

粘り強い投球を見せる長友

原崎は主にリリーフがメインだったが変化球が非常に良く、180cm後半の身長から投げ下ろされるストレートにも力があり空振りを奪うことができる。横浜市長杯でも先発のマウンドを任されるなど期待されている投手の1人。

角度のあるストレートが武器の原崎

久米もスライダーが非常に良く空振りを奪うことができる投手で、リーグ戦では主にリリーフでの登板が多かったものの、強豪社会人とのオープン戦でも先発して無失点で抑えるなどこちらも存在感を出している。

スライダーが武器の久米

そして1年秋にエース格として先発登板していたものの、ここ数シーズンはなかなか登板機会がない山岸 翠(新4年・横浜創学館)やこちらも1年生の頃からリーグ戦でリリーフ登板をしていた堀内 琢斗(新4年・上田西)などの復活に期待したい。

復活に期待したい山岸
オープン戦では先発も任された堀内



【野手】

4年生の存在感が非常に大きく、まさしくチームを引っ張る存在として活躍を見せてくれた。4番を任されていた木川 玲(高崎健康福祉大学高崎/日本製鉄かずさマジック)は秋のリーグ戦では怪我の影響で本調子ではない期間が多かったように感じたが、その中でも横浜市長杯での本塁打などここぞの場面での一打の印象が非常に強く残っているし、木村 一矢(飛龍/矢場とんブースターズ)は下級生投手陣を引っ張り盛り立てれば、濱田 蓮(立花学園/ニチダイ)やは広角にヒットを量産し、渡辺 輔久(花巻東/日本製鉄室蘭シャークス)は豪快なスイングでアーチを描くなど印象深い選手たちが多い。今年の4年生の多くは社会人野球での継続が決まっておりこれから先の活躍に期待したい。

かずさマジックで続けることが決まった木川


正捕手として安定した守備を見せた木村は矢場とんブースターズで継続することに
広角に打ち分けて安打を量産した濱田はニチダイへ
パワーはチームでもトップクラスの渡辺は室蘭シャークスへ


下級生では伊藤 海翔(新2年・木更津総合)の活躍が目立った。

22安打を記録した伊藤


夏のオープン戦からスタメン出場をし、結果を残すとそのままレギュラーの座を掴み取り、最多安打となる22安打・打率2位を記録しベストナインを受賞するなど一気に飛躍した。2025年は中軸としての活躍に加え相手校からのマークも厳しくなることが予想されるだけに、どこまでの成績を残していくかに注目したい。

2025年度の主将には久次米 陸士(新4年・日本航空山梨)が選出。
春はライトで出場し、秋はセカンドのレギュラーとして出場するなど職人タイプの選手。関東学院大学の主将は春、毎年苦しんでいる印象があるだけにジンクスを打破してもらいたい所だ。

2024年春からレギュラーとして定着した久次米


神奈川工科大学

あと一歩で7年ぶりの横浜市長杯出場というところまで見えていたが最後の最後で捲られてしまった。しかし秋の戦いは来年以降に繋がるのではないだろうか。

【投手】

エースでもある古西 祐羽(富士北稜/軟式・マルハニチロ)は秋のリーグ戦で48イニングを投げるなど全週で1戦目の先発を任されるなど5勝を挙げて最多勝になるなどまさしく大車輪の活躍を見せた。被安打や四死球など数字面だけで見てしまうと、リーグの中でも多いが、ピンチを招いても失点をしない投手という粘り強い投球でチームを支えた。

下級生の頃からリーグ戦経験した古西

秋のリーグ戦では古西が粘りの投球を見せた後に大橋 建仁(新3年・静岡商業)がクローザーとしてマウンドへ上がり試合を締めるという継投が多かった。サイドハンド気味のフォームから投げ込まれるストレートは相手打者が釣られて手を出してしまうほどの威力で三振を奪うなどクローザーとしての役割を果たした。

クローザーとして活躍した大橋

2025年は上記で挙げた大橋を軸に、2戦目の先発を任された橘 海斗(新4年・藤沢翔陵)阿部 龍之介(新2年・厚木北)、リリーフ登板していた郡司掛 暁(新4年・茅ヶ崎)も控えており、リーグ戦経験の豊富な投手が残るだけに上位に食い込める力を残した。

2024年にリーグ戦デビューした橘
1年生ながらリーグ戦の舞台に立った阿部
貴重な左腕としてリリーフ登板した郡司掛


【野手】

伊藤 幸希(東海大学付属静岡翔洋/軟式・アンリツ)と主将を務めた堀口 鳳士(常葉大学付属菊川/軟式・静岡ガス)の二遊間と千島 広大(日本文理/軟式・東京ガスエコモ)のセンターラインが際立った。伊藤は春も秋も打率3割超えの高打率を記録すると、守備では広い守備範囲でアウトをもぎ取るなど非常にバランスの取れた選手。惜しくも2024年はベストナインなどのタイトルに縁がなかったが、リーグでもトップクラスの選手だった。堀口はパンチ力のある打撃で横浜スタジアムで本塁打を放つなど3番打者として勝負強い打撃を見せた。千島は下級生の頃からベンチ入りし、昨年の秋からスタメンマスクを被り始めると、今年は満を辞して正捕手として投手陣を引っ張り続けた。スローイングの安定感と強肩でランナーの進塁を防ぐなど守備面での貢献度が非常に高い選手だった。

セカンドのレギュラーとして走攻守全てで躍動
パンチ力ある打撃で本塁打を放った堀口
強肩で幾度となくピンチを救った千島

2024年のレギュラーメンバーとして試合に出場していた選手の多くは4年生ということもあり、大きなメンバー変更が予想される。その中でも1年生ながら4番を任された清水 登夢(新2年・創価)などが中心となり新生・神奈川工科大学を作ってもらいたい。

発展途上だが伸びしろのある清水

2025年の主将に木本 光祐(新4年・三重)が選出。
春はリーグ3位の打率を記録し、秋はベストナインを受賞するなど神奈川工科大学の中心選手となった1年だったように感じる。数少ない下級生の頃からの中心メンバーなだけに彼の手腕に期待したい。

今年の春はベストナインを獲得した木本

桐蔭横浜大学

春は4連覇を達成したものの、秋はまさかの5位で終えるなど酸いも甘いも経験した1年だったのではないだろうか。

【投手】

春のリーグ戦では勝ち負けこそ付かない試合が多かったものの、髙田 恭平(壱岐)が中心となり僅差の試合へ持ち込むなどゲームメイクをすると、全日本大学野球選手権でも先発のマウンドへ立つなどチームを引っ張った。

相手打者の的を絞らせなかった投球を見せた髙田

秋は薮野 哲也(新4年・鹿島学園)が主に1戦目として先発。39奪三振とリーグ最多となる奪三振を記録。特に秋のリーグ戦・神奈川大学1戦目では9回途中まで投げて17奪三振を記録するなど実力を発揮した。一方で序盤で打ち込まれてマウンドを降りる試合もあっただけに、最上級生となる2025年は今年以上の活躍を見たい。

来年もエースとしての投球が期待される薮野

リリーフでは伊吹 聖矢(帝京第五/富山GRNサンダーバーズ)甲斐 一馬(新4年・郁文館)が大車輪の活躍を見せた。特に伊吹は春のリーグ戦で最優秀防御率のタイトルを獲得し、クローザーとしてピンチの場面で見事な火消しを見せた。甲斐は主にロングリリーフなどでの登板が多かったものの、相手打者を打たせて取る投球でアウトを積み重ねており来年の投球にも期待したい。

来年から独立リーグに挑戦する伊吹
リリーフとして存在感を出した甲斐


【野手】

秋のリーグ戦で自慢の長打力を遺憾無く発揮した加田 拓哉(帝京/徳島インディゴソックス)と1春のリーグ戦で彗星の如く現れた梅澤 蒼空(新2年・藤沢翔陵)が目立った。加田は豪快なスイングでリーグ戦通算13本のアーチを放った右の長距離砲。1年春にリーグ戦未出場ながら全日本大学野球選手権でスタメン出場を経験し、3年春から主軸として試合に。この秋は横浜国立大学戦で1試合3本塁打を放つなど圧倒的なパワーを見せ見事に打点賞を獲得するなどこれぞ4番という姿を見せてくれた。

加田は来年から四国IL・徳島へ。徳島からNPBへ羽ばたいてほしい

梅澤は開幕戦こそ出場はなかったものの、3戦目に代打で出場するとその後は主にDHとしてスタメンに。4月21日の関東学院大学戦では5打数5安打を記録し、神奈川工科大学戦では2試合連続本塁打を放つなど打率・本塁打でリーグトップ、打点もリーグ3位の成績を残した。バットに当てる技術に卓越しており、この秋は39打席立ち三振0という脅威の数字も持っている。来年以降も中軸を任されることが予想されるだけに春以上の成績を残すことを期待したい。

来年も中軸として活躍が期待される梅澤

他にも広角に打ち分ける打撃で安打を積み重ねた佐藤 塁大(新4年・山村学園)や1番打者として打線を牽引した山崎 隼(日本大学藤沢/トヨタ自動車東日本)などの上級生の活躍も十分にあっただけに来年以降の下級生の奮起、そして桐蔭横浜大学の名物でもある4年生のシーズンでの躍動する選手に期待したい。

OBの瀬戸がいるトヨタ自動車東日本へ進む山崎
中心選手としての活躍に期待したい佐藤塁大

2025年度の主将には山本 啓介(新4年・京都翔英)が選出。
2024年はベンチ入りはなかったものの、下級生の頃はベンチ入りもしていた。部員数が100名を超える大所帯でもある桐蔭横浜大学を引っ張るのは並大抵なことではないが是非とも頑張ってほしい。



横浜国立大学

2023年秋は国大旋風を巻き起こして3位まで飛躍し、今年は優勝を狙うシーズンだったものの結果としては2季連続で入替戦に回るなど苦しいシーズンだったがしっかりと入替戦で残留を決めるなど意地を見せた。

【投手】

エース級の投手が居る訳ではないものの、ベンチ入りした投手のほとんどが登板するなどまさしく投手陣一丸となって戦っていた印象が強い。その中でも目立っていたのが中島 治紀(新4年・向陽)永山 琢己(新4年・市立金沢)の2人だ。

主に1戦目の先発を任された中島は被安打や四死球を出さないわけではなく、得点圏にランナーを背負う場面が多いもののホームへ帰さない粘りの投球で試合を作るシーンが多く見られた。2025年も先発にリリーフと大車輪の活躍が期待されるだけに今年の経験を生かしてほしい。

主戦投手として投げ続けた中島

1年秋からリーグ戦での登板経験のある永山はこの春は先発として、秋はリリーフとして短いイニングからロングリリーフまで幅広く登板。インコースを強気に攻める投球で相手打者を打ち取るなどチームの窮地を幾度となく救った右腕。入替戦では5回1/3を投げて被安打1と圧倒的な成績を残した。2025年度は主戦投手としての活躍が期待されるだけに非常に楽しみな投手の1人だ。

中島と共に主戦としての活躍が期待される永山


【野手】

やはり藤澤 涼介(佐野日本大学/社会人野球で継続予定)の存在が1番大きかったのではないだろうか。NPB注目の大型外野手はこの1年で公式戦6本塁打を記録するなど自慢の長打力を発揮。特に神奈川大学戦で松平から放ったホームランは一振りで試合を振り出しに戻すなどチームに勢い付ける一打になり、その後のリーグ戦では4番を任されるなどチームの主力としての存在感を出した。

社会人での継続が決まっている藤澤

藤澤以外では1番打者として試合に出た毛利 隆仁(新2年・木更津総合)は秋に3割を超える打率を記録し、出塁率は4割を超えるなど1番打者としての活躍を十分に果たせば、秋のリーグ戦で代打出場から結果を残しスタメンの座を勝ち取ると、打率3割超えの成績を残した金森 太輝(新4年・東海大学付属高輪台)の新戦力が躍動。この秋全試合スタメンでショートのポジションを守り続け、サヨナラ打を放つなどここぞの場面での勝負強さを見せた江本 颯太(市立金沢)や主将としてチームを牽引した加藤 椋平(安房)など苦しんだシーズンの中でも来年に繋がる希望や4年生の意地を見ることができたのはプラスではないだろうか。

春から試合で結果を出し続けた毛利
代打から這い上がってきた金森
ショートとしてチームの要になった江本

2025年度の主将には真鍋 旺大(新4年・日本大学藤沢)が選出。
今年は代打での出場のみだったが、ファーストストライクからスイングをしていける積極性を持ち合わせており、そのプレースタイル同様にチームを引っ張ってもらいたい。

代打で結果を残した真鍋が主将に


2025年度新1年生情報

12/31の神奈川新聞に2025年度の推薦入学予定選手が公表されていました。
今年は学生コーチなどのスタッフを含めて170名が神奈川大学野球の門を叩くことに。その中でもNPBも注目し、本人が悩んだ末に進学が決まった古川 遼(右投/日本学園→桐蔭横浜大学)や甲子園でも登板した小熊 梓龍(左投/札幌日本大学→桐蔭横浜大学)など次世代の神奈川大学野球を牽引する選手たちが多く入ってきた。オープン戦などで観戦する機会があるだけに今から非常に楽しみである。


最後に

2024年も1年間大変お世話になりました。
2024年は選手の皆様、チームの皆様のおかげで約90試合もの試合を見させていただくことができました。本当にありがとうございました。
このnoteを書き始めたのは横浜市長杯が終わってすぐのタイミングだったので完成までに1ヶ月以上を費やす形になってしまいました。毎年、このようなnoteを書いていますが「変な文書になっていないか」や「自分の言いたいことが変に伝わってしまわないか」、「選手へ失礼な文章になっていないか」を考えながら書いては消しての繰り返しでここまで仕上げることができました。2024年は全国の舞台で神奈川大学野球連盟が勝利を挙げることは出来ずに終わってしまいましたが、2025年こそは全国大会での勝利を見届けたいと思います。

長くなりましたがここで今回のnoteを締めさせて頂きます。
2025年も何卒、よろしくお願いいたします。


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