なかなか家に恵まれない気がする。
暑い、本当に暑い。
雨が降る日も少ないと思っていたら、一部地域ではもう梅雨が明けたそうで。
この時期に必ず思い出すのは、かつて学生時代に経験した雨漏り。
授業が終わって帰宅すると、部屋の中に大きな水たまりができていた。
「そんなことあるかー!」と思いつつ、部屋中を見渡すと何やら壁が濡れている。そして、上下左右と壁をじっくり見つめていたその時、いきなり水滴が上から落ちてきた。水滴は、天井と壁の接続部分である小さな隙間から出ている様子だった。
何を思ったのか、わたしはバケツを持ってきて、壁際に置いた。けれども水滴はバケツの中に入らない。これはドラマで見るような「雨漏り」ではなかったのだ。壁を沿って少しずつ水が落ち、床に溜まっていくというなかなか地味かつ厄介なパターンの雨漏り。
「ぽたっとバケツに入ってくれたら、面白かったのに」と心の中でふと思ったが、楽しんでいる余裕はない。急いで床に現れた水たまりを拭き、雨漏りしている天井の真下にタオルを置いた。
一時的な対応は終わったものの、これはまだ悲劇へのはじまりだった。
その後、雨が降るたびに雨漏りは続き、天井も脆くなっていった。
深夜も水滴の音が鳴り響く部屋で試験勉強しなければならない状況には、さすがに疲労がたまった。
管理会社にも連絡して修理してもらったが、完全な解決には至らず。
そんな中で経験した2018年の西日本豪雨。
度重なる大量の雨に、ついに天井の一部が剥がれてしまった。
その3ヶ月後、大学2年だったわたしは引越しを決意し、家探しをスタート。以前住んでいた家から300m離れた家に移ることになった。
新居こそは平和に過ごしたいと思っていたが、「ヒメアリの巣がある可能性がある」と連絡をもらった。せっかく見つけた家を手放すのはとても惜しかったため、駆除剤を置くことに決めてそのまま家を契約した。(結果、ヒメアリが出てくることはなかった&駆除剤も減っていなかったので、おそらく巣は消えていた。)
大学を卒業し、社会人になってから住み始めた家は換気が難しく、湿気が溜まりやすい。間取り的には問題ないと思っていたが、詳細な原因はいまだに分からず。湿気対策に奮闘する日々。
これまでの経験から様々なチェックポイントを設けていたものの、それを軽々とすり抜けるように現れる新たな難しさたち。ラスボスにたどり着く前段階で足止めされているような感覚。エンドレス。悔しい。
これだけ家を変えていても、家探しは難しい。
どうしたらもっと上達するだろうか、と時々思う。
雨漏りの経験を通して、「そもそも安心できる屋根のある家に住めるだけで幸せだ」という思いが芽生えた。
それでも、「やっぱり落ち着いて過ごしたい」というのが今の願い。