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せっかく、とか思わんでいいよ。

昨夜、母に電話した。

こんなはずじゃなかったのに
何やっとるんやろ
せっかくここにきたのに

って泣きじゃくる私に、母は、

こんなはずじゃなかったかもしれんけど、
大丈夫やよ。
あなたはちゃんとやっとるし、ちゃんと頑張っとるよ。
何やっとるんやろなんてことはないやろ、そんなこと言わないの。
せっかく、とか思わんでいいよ、たまたまちょっと場所が変わっただけ。
大丈夫よ、大丈夫。

そう言いながら、ただ、たんたんと、私が泣き止むのを待ってくれた。



たんたんと、は、淡々と、とは違って、
気持ちが落ち着くまで隣にいて背中をさすってくれているような、
そういう、あったかい、たんたんと、だった。

電話を切るころには、また笑えるようになっていた。

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