【第七話】子供を一時保護されるような親は、『親失格』『ダメ親』『毒親』なのか?って話
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「児童相談所に、子供を一時保護してもらった話」
我が家の長男は、精神を病んでしまった妻を治療するため、警察から熱心な『説得』もあって児童相談所に一時保護してもらった。
そのおかげで妻は入院・治療を受けることができ、非常に助かっているが、世間一般的に子供を一時保護される事に良いイメージはないだろう。
以前の記事「【第三話】そもそも、児相に一時保護されるってどういうこと?面会とかできるの?」でも書いた通り、一時保護は子どもの生命の安全を確保するためにある。
厚生労働省が公開している資料「一時保護所の概要」によると、一時保護となる経緯としては以下のようなものがあるそう。
■一時保護の理由、対応内訳
・養護(虐待含む)
・障害
・非行
・育成
・その他
理由としてはナニコレ?感もあるけど、一時保護されるということは、何らかの事情があって家庭で子供を育てられない…と児相や関係機関(警察や病院、学校、保育園など)から判断されてしまっているということだ。
▲子供を一時保護されるような親はダメ親…?
では、子供を一時保護されるような親は、『親失格』『ダメ親』、はたまた『毒親』なのだろうか?
一時保護したことについては、僕自身も自己嫌悪や不安や不満、葛藤、後悔などがある。
「一時保護は、本当に必要だったのだろうか」
「長男ショック受けてるだろうな…ごめん」
「いつ帰ってこられるだろうか」
「児相に過度に干渉される感じが不快」
「子供を一時保護にするなんて、僕はひどい親だ」
雑多に書き出していったが、ドロドロと色んな考えが出てきて、気分は最低最悪である。
実際問題、子供が一時保護になってしまうような親は、ある意味『親失格』なのかもしれない。他人がどうこう言うってことではなく、そのように自覚、痛感して苦しんでいる親も多いだろう。
僕も苦しいし、辛い。
妻に治療を受けさせるためには、他にどうしようもなかったとも思うが強烈な後悔を感じている。
ただ、一時保護になっても親をやめるワケではない。それに一時保護になったからと言って子供が永久に帰ってこないワケではない。
一時保護は、子供の命を守る仕組みではあるが、大前提として子供が再び家庭に戻れるためのセーフティネットとして存在している。
だから、親と子供が再び一緒に暮らしたい、と願っているなら「一時保護になったから、あんた達は親失格ね」という事態には絶対にならないと思う。僕も含めて必ず再び一緒に暮らせるハズ。
▲現代は、子供の前での喧嘩は虐待行為となる。
それに昨今は、子供を怒鳴る、子供の前で喧嘩をすることは虐待とされているが、子供を声を荒げたことがない、パートナーと子供の前で喧嘩したことがない親が存在するのか疑問だ。ひょっとすると、かなり多くの親が『虐待の加害者』になるんじゃなかろうか…
僕も警察や児相の人に「子供の前で喧嘩するのは虐待」と言われ、大変なショックを受け反省したが、じゃあどうすればいいか?と聞いても、警察や児相の人は我慢しろ、としか言わない。
もちろん、虐待は絶対ダメだが、よくわからない我慢で虐待はなくせない。虐待をした親も含めてしっかりとしたケアが必要だと思う。虐待の背景にある問題を解消せずに親だけを責めたところで何も解決しないんだろう。
我が家は一時保護になっており、世間的に見て、ある意味ダメ親とも言える。それ故にエラそうなことは言えた身分ではないが、一時保護になったからこそ、子供の大切さみたいのを痛感する機会を得られたかもしれない。
つづく。
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