見出し画像

【その後8】妻から再び包丁を向けられた話、精神疾患によって起こる『負の連鎖』は超絶ヘビー…

★このマガジンの説明・記事一覧
精神病院に強制入院、その後…について

前回書いた通り、妻を実家に帰した。
次の通院まで…ということで2週間ばかし。2週間、実家でゆっくりできたようで、妻は少し元気なって帰ってきたが、僕はちょっとグッタリ。

もうちょっと離れていたい…

あんまりグダグダ言うのもアレだが、どっと疲れてしまった。精神疾患の家族を支えるのは簡単ではないんだな、と実感。「どちらかの一方的な犠牲や我慢は良くないな」と心底思った。

色んな本やガイドラインみたいなのには、「家族が温かく…」「暖かい無関心」「ゆっくり療養させてあげて」とか書いてあるが、激ムズだろ!もっと簡単な方法を教えれ!と思う。

ともかく2週間静養した妻が帰ってきた。
帰ってきたのだが…「私は元気になったから色々やるぞい」的な怪しいモード。本当に元気で色々できるなら良いが、たった2週間の静養で寛解するような病状じゃーなかったぞ。

そんなんで何とかなるなら、医療保護入院いらないじゃん。

そして何やら色々やろうとしていたが、次の日からは希死念慮全開になってしまった。

うーん。このパターン、今まで何回やっただろうか。精神疾患の患者本人が回復を焦るケースは多いと思う。

家族に迷惑かけてる…
あれ?私ってこんなにポンコツだったっけ
早く仕事に復帰したい
こんな風に考えて、何かしようとして失敗⇒嫌になる⇒少し休む⇒何かする⇒失敗…という負の連鎖にハマる人も少なくないんじゃないだろうか。

少なくとも我が家はこの連鎖に苦しんでいる。そんな状況の中、妻は包丁を取り出した。

もう死にたい!

そう言いながら包丁を僕に向けて近づいてきた。
入院以前にも包丁を向けられたことは何度もあるし、言い方は悪いが慣れてしまっている。それに実際「死にたい」というのは、言葉通りではない。

うまく言えないが、死にたいというより生きていたくないみたいな意味だと思ってる。リセットボタンがあったら押したくなるみたいなやつというか…ともかく落ち着かせて包丁を置かせた。

慣れている、悪く言えば茶番なのだがすり減る。これだと身が持たない。
あと、たまたま子供がいなかったが、子供の前で…だと恐ろしすぎる。子供も、そんな状況に陥っている母親・父親を見たくないだろう。

それに事情を知らない人が見たら間違いなく通報するだろう。そうなったら、子供が再び一時保護されるようなことになってもおかしくない。

このまま家では静養できないと思い、妻の実家に電話。
もうしばらく実家で静養してもらうことにした。(少なくとも実家は落ち着ける、ということはわかったので)

服薬は続けてもらい、病院も実家近くで行くことになった。

静養って超難しい。
多くの患者とその家族は、1秒でも早く寛解状態になって欲しいと思ってる。「焦っちゃダメ」とか言われても、焦らずにはいられない。

幸い、今は少しだけ時間の猶予がある。
静養すらできないほど忙しくて余裕がない、という状況ではないので、お互いしっかり休みたい。

とは言っても、精神疾患の負の連鎖は超ヘビーだなぁ。いつの間にか我慢を重ねていくと家族もパンクする…というのを嫌と言うほど思い知った。

つづく。

いいなと思ったら応援しよう!

こなん@精神科に妻を強制入院させた話
サポート、よろしくお願いします。