堀音-1

音で繋ぐ過去と未来 - 京都堀川音楽高校67期同窓演奏会【Bridge Vol.1掲載記事】

※当記事は、3月28日に創刊したフリーペーパーのBridge Vol.1に掲載した記事を再構成したものです。

堀川音楽高校を巣立ち、3年。
67期卒業生が再び集まり、音を合わせる。

2019年5月5日に同校の音楽ホールで開催される同窓演奏会は、彼らにとって卒業後初の試みだ。
「卒業したら、67期で演奏会をやりたいね」
「ヨーロッパ研修旅行での演奏会、楽しかったよね」
そんな高校時代の声から始まった、今回の企画。
当時は自分達で演奏会を開くということに現実味がなく「普通に卒業しても会いたいね」といった軽い感覚だったものが、卒業してから3年経った今、「67期同窓演奏会」という形で現実となる。

歌って踊る京都堀川音楽高校67期

京都堀川音楽高校は一学年一クラス40人からなる。今回の演奏会では、そのうち22人が出演。67期は互いの距離感を大事しながらも、団結力もあるのが特徴的だ。普段の体育の授業では、歌ったり踊ったりと騒がしく、先生に怒られるような学年ではあったが、ヨーロッパ研修旅行など、いざというときに力を発揮し、最後まで悔いなくやりきる姿勢を貫いてきた。高校から大学へと学びの地を変えた今でも、音楽に対する取り組み方に大きな変化はない。将来のことを考えるようにはなったものの、「上手く弾けるようになりたい」「好きなことだから楽しい」という気持ちは変わらず持ち続けている。そのような思いは、少しでも隙間時間をみつけ練習するという態度にも表れている。  

高校2年時に実施されたヨーロッパ研修旅行では、チェコとウィーンを訪ねた。現地の大学院で事前に練習してきた曲のレッスンを受け、コンサートに備える。そしてそれぞれの地でアンサンブル、ソロ、合唱などのコンサート出演も経験。その演奏会は、それは自分たちで開催した初めての演奏会だった。この印象深い経験は、今回の同窓演奏会実施への原点にもなっている。

今回、堀川音楽高校を卒業後、現在京都市芸術大学でヴァイオリンを専攻する木田奏帆さんと作曲専攻の影近舞帆さんに話を伺った。
恩師・友人をはじめ、音楽を愛するすべての人に楽しんでいただくことをねらいとした今回の演奏会。ヨーロッパの研修旅行から4年、高校を卒業して3年。「自分と違う音楽性を持つ人と演奏するのが楽しい、言い合いも含めてアンサンブルが楽しい」そう話す木田さん。高校時代とは全く違ったテイストの合わせ方になるのか、それともかつてのカラーが再び見られるのか、懐かしい旧友とのアンサンブルに彼女も心を躍らせる。高校時代と変わらないでできるのか、全く違ったテイストの合わせ方になるのか。彼女たちも成長を感じてもらえる演奏にしたいと意気込んでおり、あの頃に比べより成熟した演奏に期待が高まる。

また、影近さん自身が創作した作品による初演も、聴きどころのひとつ。「聴き終わった後に、作品によって心を動かされ、楽しいと感じてもらえるようなものを作りたい」そう話す影近さん。日本語歌詞によるソプラノ、フルート、ピアノからなるアンサンブル作品を披露する。

大学生活もいよいよ終盤。卒業後は、さらに違う道をそれぞれ歩むことになる。彼らの新たなスタートとなるこの演奏会に、ぜひ注目したい。

(左:金丸 真子/インタビュアー)
(右:木田 奏帆/京都市立堀川音楽高校卒業、現在京都市立芸術大学4年)

京都市立京都堀川音楽高等学校67期卒業生有志による同窓演奏会
2019年5月5日(日・祝)
開場 13:30 / 開演 14:00
京都堀川音楽高等学校 音楽ホール
入場料 1,000円(全席自由)

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文責・金丸

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