パートナーを輝かせる(サロメ出演者紹介②小林龍二)
今週末、獣の仕業という劇団で「サロメ」というオスカー・ワイルド原作の演劇をします。ひとりでも多くの人に見ていただきたく、出演する俳優たちの紹介をします。五十音順で行きます。
第一回きえるはこちら▼
第二回は小林龍二。オモシロお芝居マンです。
私は主演をやる劇団員の「素材としての魅力」と「作品のテーマ」をミックスしたいタイプです。劇団員の魅力と作品の魅力の交点で公演を打っていると言えばいいでしょうか。
それでは小林の素材の魅力はどうなのかというと「孤独感」。
ある時はメンバーが世界でたったひとりのエンゲキジンになった男を
またある時は「ヴェニスの商人」におけるユダヤ人の金貸しシャイロックを(そのときはシャイロックを主人公にして上演をしたのです)
本人が意識しようとしまいとジワリと感じる孤独感。
それを活かそうとした結果、いつも彼が演じる人物はひとりぼっち。周りの人は彼と距離のあるところでキャイキャイ楽しそうにしていて、小林はそれを遠くから見ている。それを見ながら、渾身の独白炸裂。
一人の時に輝く俳優。
私も(そして多分本人も)俳優小林龍二をそう解釈しています。
そんな小林に「サロメ」で請け負ってもらった役は「ファサエリス」
ワイルドの原作では存在は触れられるのみで本人自体は登場しませんが、ユダヤの王ヘロデが最初に娶った女性としてきちんと記録もある人物です。
獣の仕業サロメの一番大きな脚色点として、このファサエリスを役として登場させていることがあります。そしてもうひとり、妃ヘロディアの最初の夫であるフィリポも。
そう、今回の小林龍二には対になるパートナーがいるのです。
フィリポ役の佐藤天衣さん。
主演としてひとりで真ん中に立つことで力を発揮してきた小林だからこそ、助演同士のパートナーとともに芝居を作る経験を今のタイミングでしてみてほしかった。
主演を演じることと助演を演じることには、全く別の能力が必要です。両方できたらこの先の小林がさらに楽しみになると思いませんか。
そんな私のワクワクも込めて。
なにせひとりきりで作ることができないのが舞台のいいところですからね。
稽古序盤はどうしたらいいのかなとモゴモゴしている様子も見られたのですが、今は佐藤さんの周りでキラキラと輝いておりすっかり味をしめてそうです。おや、人を輝かせるときにも人は輝くのかもしれません。人生の不思議。人間の妙。
そんなレアな助演小林のコンビネーション芝居が見られるのが獣の仕業の「サロメ」です。バキバキの身体も駆使して舞台を縦横無尽に切り開いていますよ。こんなに動く小林もなかなか珍しいです。
今週上演。ぜひ、劇場で配信で、見届けてください。
獣の仕業 第十五回公演「サロメ」
[■■■, ■■■, Lema Sabachthani?]
2/23(金祝) 20:00
2/24(土) 14:00/19:00
2/25(日) 13:00/18:00※生配信回
会場:シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京・王子神谷)
劇場チケット予約
劇場チケット:2,500円
劇場+紙脚本付チケット:3,000円
上演時間:約95分
受付開始・開場は開演30分前
未就学児童入場不可
舞台上で水を使用する演出が一部あります。意図的に観客席に水をかけることはありませんが、お席によっては飛沫がかかる可能性があります。ご了承ください
配信チケット購入
【配信での観劇購入(生配信+アーカイブ視聴)】
販売期間:1/7(日)20:00~3/24(日)23:59
配信期間:2/25(日)18:00~3/25(月)23:59
応援キャスト指定でのご予約をご希望の方は「備考」欄へのご記入をお願いいたします
作=オスカー・ワイルド
翻訳=森鴎外
脚色・演出=立夏
出演=
サロメ(ユダヤの王女 ヘロディアの娘)…雑賀玲衣
ヘロデ(ユダヤの王、サロメの義父)…手塚優希
ヘロデの穢れ ファサエリス(ヘロデの先妻)…小林龍二
ヘロディア(ヘロデの後妻、サロメの母)…柳橋龍(兎団)
ヘロディアの穢れ フィリポ(ヘロディアの先夫、ヘロデの兄、サロメの実父)…佐藤天衣(兎団)
ナアマン(首斬役)…古川ゆかり
ヨカナーン(預言者、イエスの洗礼者)…きえる
スタッフ:
舞台監督:小林龍二
照明:寺田香織
音響:新直人(salty rock/零'sRecord)
撮影・配信:U-3
衣装:きえる
写真撮影:加藤春日
宣伝美術:立夏
制作:手塚優希
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