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なぜ「獣の仕業のつくりかた」をやることになったのか〜演劇ワークショップ「獣の仕業のつくりかた」開催のお知らせ(B面)〜
こんにちは、お世話になっております。獣の仕業の立夏です。
演劇ワークショップ「獣の仕業のつくりかた」をなぜやることになったのか、つまり当初の動機に当たる部分を書いてみようと思います。
しかしそれらは開催の”きっかけ”に過ぎず、ワーク内容の説明としては不正確ですし、おまけにいささか私の個人的な理由も含まれておりますので「開催のお知らせB面」と題しました。
ですがむしろこちらのB面の理由のほうがもしかしたら響く人もいるかも知れない……そんなふうに思います。
ですので、これは参加を迷っている人向けです。
すでにご応募済みの皆様はこれを読んでも読まなくても大丈夫です。
ワーク内容に対して正確な開催理由については「A面」としてこちらの記事の冒頭で触れているので未見の方はのちほどご覧ください。こちらはこちらでもちろん、正直な内容です。
きっかけその1「どうやってつくっているのか?」とたくさんたくさん聞かれるから
いきなり元も子もない理由です。俄然このエントリーを「B面です」と宣言した理由がおわかりいただけるのではないかと思います。
これ、とってもたくさん聞かれるのです。
そのたびになんだか「興味持っていただけてありがたいなあ」と感じます。
聞かれるようになったタイミングが明確でして、2020年に上演した第十四回公演「マクベス」の上演終了後から。
その何かが何なのか? 作り手側の私達の変化なのか、見る側の観客の変化なのか。まったく分かりませんがおそらく「なにか」があって。そのなにかが「獣の仕業のつくりかたって なんなのだ?」という質問をうんだのだと思います。
あまりに聞かれるものだから、じゃあお教えしましょうと思いましてね。当時は稽古場の様子を動画撮影してYoutubeで出したりもしました。
ご覧になった方から「いや、さすがにこの稽古では本番のあれにはならないでしょう」と言われました。
いや、なります! なりますよ!
信じていただけないのでもう一本出してみました。
「いやいや獣さん、嘘をついたらいけませんよ」
うーん、ならばもう一本……!
「獣さんもしかして、私達を騙そうと……??」
「し、し、していません……!!」
こ、これは。これはまずいぞ。そう思いましたので腹をくくる事にしました。
「わかりました。それならば、お見せしますのでお越しください」
それが稽古体験ワークショップをやろうと思った本当の最初のきっかけです。みなさんが疑問に感じたことの正体をなるべくそのままお見せします。ワークショップという冠のもとでやりますが、これは率直に「体験」です。テーマに沿った特定のノウハウをお伝えするのではなく、公演の上演に向けた獣の仕業の何回かの稽古のとある一日をただただ体験いただくということです。なるべくそのまま、見栄をはらずに肩肘張らずに。
そこから何を持ち帰るのかはご参加の皆様それぞれに異なろうかと思います。
獣の仕業のつくりかたは独特だなあとより首を傾げることになるのか、標準的な作り方と何も変わらないんだなあと納得されるのか、あるいは本当に動画の通りだったと驚かれるのか。どうなんでしょう。ワーク終わりにはぜひお伺いさせてください。
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使用する脚本は[THE BEAST]。ちょうど先月 #シアトロン3 でも エコダ動物園名義で上演した演目ですから、記憶に新しい方もいらっしゃるのではないでしょうか。シアトロンⅢでの舞台芸術想像機関SAIの倉垣氏による演出バージョンと「獣の仕業のつくりかた」での立夏演出バージョン。両方比べると演出による作品性の違いも参加者の方には体感していただけると思います。
きっかけその2 団体に関心を持ち、決断をしてくださる方との縁を持ちたいから
獣の仕業は2014年「ヴェニスの商人」を最後に公演客演陣の公募を行っておりません。こちらからお声がけをして、それに承諾していただいた方に出演いただくというケースがほとんどです。ほとんどです ということはつまり、いくつか例外はありました。ですがそれはその出演の方が自分で考えて決断されたことですのでここでは明かしません。その方法であれば必ず出演できるわけでもありませんので。
そうすると現在【獣の仕業に出演したいと潜在的に思っている俳優の方がどれくらいいらっしゃるのか、私達自身は把握していない】ということが起きているのです。
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私がそれを知りたくなった ということです。
A面のご挨拶に書いたことを繰り返しますが、今回のワークは特定の公演のオーディションの目的をもっていません。しかし、現状公演に出演するための明確な門戸を持っていない獣の仕業においては、これが唯一の交点となります。
出演することで富や名声が手に入るような団体ではありません。それについては誰がどう見てもそうです。それでも私は自分たちのつくる芝居の価値を信じています。かなりヘンテコで、意外と地味で、なかなかおもしろいです。獣の仕業に出る意志があってもなくても、私達に興味があってもなくても、ワークに参加してよかったな・演劇ってやっぱりいいなと思っていただけるように誠心誠意関わります。
それなら……と、決断をしてくださるあなたと
ご縁が結べればと思っています。
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きっかけその3 つくりあげてきたものを 異なる世代にも連携したいから
こちらはかなり個人的な理由ですが、現在39歳、今年で40歳になります。
メンタル的には人生まだまだこれからで色々なことに挑戦したいと思いつつ、とはいえフィジカルの落ち目はどうしても感じます。ちょっと具合が悪くても気合で徹夜したりもなかなかもう難しいですね。ああ、徹夜は20代の頃からもともとできませんでした。
40歳。仮に80歳まで生きるとしたら人生折返し。
残りの時間でできることってなんだろう、そんなことを最近は意識するようになりました。
まず、自分がいなくなったら獣の仕業もついでになくなるでしょう。
「獣の仕業」というのはやはりどこまでいっても私の団体だからです。それは言葉とおりの意味しかありません。まして悲観的なことはまったくなく、むしろそのほうがいいとすら思います。私がいなくなったらそれでおしまい。それはとても、たぶん、潔いです。私は潔いということがとても好きなので。
団体はそれでいいとして。しかし、個人についてはどうだろう?
劇団員のみんなの演技、俳優としてのあり方、あるいは考え方……。そして自分の作家あるいは演出家としての……。
団体ではなく個人に焦点をおいて考えたときには、次の世代になにか伝えられることがあるのではと思うようになりました。これもきっと歳のせいですね。
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(シアトロンⅡ参加作品)
獣の仕業は同年代の団体です。私達自身も観客も同じように年を重ねていきます。それはとてもよい積み重ねではあるものの、ワークショップを機会として異なる世代とのつながりも持ちつつ、獣の本公演上演を前提しないおおらかでゆったりとした芝居つくりの場をつくりたいと考えました。
この観点においては特に、小林龍二のワークをなるべく多くの方に参加いただきたいと思っています。彼は獣の仕業創設当初から劇団員として在籍し、今は自他ともに認める獣の仕業の看板俳優です。
獣の仕業「らしい」芝居つくりとして、俳優としての領域の多くは間違いなく彼の支えによるものが大きいです。
その小林龍二が担当するワークは創設以来初めてのことになります。ここだけの話、ワークをやってくれという交渉にすこしばかり時間を要しました。あれでなかなか素の本人がシャイなんで。ふふふ、困ったものです。
「獣の仕業のつくりかた」は不定期継続開催を目標にしていますので、小林ワークもなるべくこれからもやるように説得しますが、どうでしょう、こればかりは人間の空模様なので。ですので、今回日程も予定空いているけど、一旦様子見して参加は今度でいっかなあと決めかけているあなたはぜひ今回参加してください。
俳優の方であればどの作品であってもどんな役であってもきっとなにかひとつ持って帰っていただけるものがあるはずです。
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余談も余談なのですが、最近の小林の芝居って、なんていうんでしょう、ちょっと自然現象っぽいと言いますか、すこし人間をやめている感じがしませんか? 自分の劇団のメンバーなので手前味噌が過ぎるのですが、風景そのものというか、芝居そのもののように、私には見えつつあります。
そんなわけで、ちょうど人間をやめてみたかった、という俳優の方におすすめです。
演劇ワークショップ「獣の仕業のつくりかた」開催の概要
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2025/03/09(日)
12:30 - 15:15 ①小林龍二のえんじかた/小林龍二
16:00 - 18:45 ②獣の仕業稽古体験/立夏
2025/03/29(土)
12:30 - 15:15 ③小林龍二のえんじかた/小林龍二
16:00 - 18:45 ④獣の仕業稽古体験/立夏
詳細はこちらを御覧ください。
ご応募方法
応募フォームに必要事項を入力してお送りください。
皆様のご応募 心よりお待ちしております!
各枠前日の23:59まで受け付けます※定員達し次第終了
お支払いは当日精算のみ
48時間以内に担当者より開催場所などを記載した詳細メールを返信いたします。いずれも届かない場合にはお手数ですが「swz@live.jp(獣の仕業)」までお問い合わせください。