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お気に入りの歌

「アイドルに元気をもらう」という現象について考える。
その理屈は千変万化である。

例えば、ただ真っすぐに「あなたは頑張っているんだ」「あなたのことが好きだ」「頑張れ」といったメッセージを受けることによって。

例えば、粉骨砕身なアイドルの姿を見て「こんなにも頑張っているんだから」「自分もまだまだ」と感じることによって。

他にも、パフォーマンスに対する満足度や興奮や期待が、直接エネルギーになる場合。
金銭的な応援欲求が勤務意欲に繋がる場合。
アイドルを応援するという行動がアイデンティティとなり心身を支えている場合。
アイドルが繋ぐ新しい世界・コミュニティが楽しくて生き甲斐となる場合。

私の場合は、う~~~~ん…………
強いて言えば、全部です。総合的に。
【ギリギリの状態で「もう全部やめてやりて~~」となった時、こんなものは、慎太郎くんの多忙さや努力や苦悩に到底及ばないのに、それでもキラキラ笑う姿が美しいあなたに、「別次元だから」という思考を必要とせず、ちょっとだけ優しくされる瞬間や、背中で語られる瞬間に、素直にパワーをもらうことができて、なおかつそんな幸せすぎる生活は、慎太郎くんは自担であるという選択をした自分によるものだという自信があって、交差しない世界に生きているけど、負けたくないとか自慢でありたいというような鼓舞で交差することが許されるような気がして、結局はやっぱりステージで輝くあなたを見て心が震える瞬間に笑顔になれるから】
アイドルに元気をもらっているのだと思う。


………………日本語を選んでいないので、読み飛ばしてもらえるように、あえて読みにくくしました。

あなたは?どんな時に「アイドルに元気をもらう」と感じますか。




裏切らないものを僕らずっと探して生きている
だらしない自分に終点を見ている

昨日楽しく話した人が敵だったとか、懸命に体調管理をしていたけど熱が出たとか、自信のあった創作が否定されたとか、練習したのに本番で失敗したとか。俺たち人間は、数えきれないほどの【裏切り】と共に生きている。
裏切らないものを探している理由は、裏切られたことがあるからだし、裏切られる悲しさを知っているから。

なのに、自分も誰かを裏切っている可能性には目を向けないし、毎日100点の自分でなんて居られやしない。
現状に甘えて生きている自分に気付いた時、今でも十分に恵まれているくせに、これ以上を望む権利なんて無いような気がしてしまう。


そんなうまくいくもんじゃない
でも人生ゲームやめれない
手のひら返し なんていらないし
今更どの面下げて歩いてんの
呑気にお気楽 お気の毒様
まだまだ世の中 こんな薄情?
ラジオノイズ 降りるチョイス
途切れ途切れタクシー

ルーレットに進退を任せて、簡単にライフイベントを得たり失ったり、億万長者になったり。そんなうまくいくもんじゃないけど、少しばかりは重なるところがある。
そんなスリリングが「やめられない」人もいるらしい。義務か虜か中毒かは知らないが。

「手のひら返し」が当たり前の世界で生きる自分を、ネタにして昇華できるようになるまで、どのくらいの力(努力・実力)が要るのだろう。
冒頭「裏切り」の話をしたけれど、決死に蓄えた「力」に対して、コロッと態度を変える底辺の面に、笑顔をふりまかなきゃいけないこともある。

自分のしょうもなさに気付かず、人を馬鹿にして、誰かを裏切って、呑気に生きているお前は、どっちかっていうと「気の毒」でしょ。この歌詞、強くて怖くて笑うしかない。

強気でいるけど、こんな世の中の薄情さに、悲しそうに眉を下げてしまうし、乗ってしまったタクシーから鳴りやまないノイズ音・雑音に、我慢ならず降りてしまう。直通快速なんて無かったから、途切れ途切れだったし。


シーサイド だらだら走ってる
生まれ変わりを未だ信じてる
催眠術
花占いみたいに一枚一枚散る夢の色
無理にでも塗って息を切らしている

ここ、別に慎太郎くんが沢山歌っているわけじゃないけど、ものすごく慎太郎くんの笑顔が浮かぶ。

この水平線の先には、感じたことのない文化や、聞いたことのない言語があって、果てのない海を見ていると、生まれ変われそうな気がする。
催眠術のように、暗示ひとつで自分も他人もコントロールできたとしたら…。
「できる・やめる」「得る・失う」を、決まりきった結果に委ねてみるけど、そんなことしている間に消えてゆく夢もある。今にも消えそうな夢に、必死に息を切らしながら、しがみつく毎日がある。


裏切らないものを僕らずっと探して生きている
だらしない自分に終点を見ている

1人 無音の部屋でゆらぐ夜
エンドロールが流れる
あなたまだ十分こどもでいいんだよ
簡単だったはずのドラマ
毎回ハズレ ガラス越しに取り替えられる

神妙に悩めば悩むほど、【終了】【諦め】【解放】が誘ってくるわけで。辛いなら辞めてもいい、背伸びしなくていい、そんなに空気を読まなくていいのに、大人なふりをしてしまう。
筋書き通りの人生なんてないし、「絶対大丈夫」と思っていた事こそ、「全然大丈夫じゃない」になることってよくある。
唯一無二であるはず自分が、誰かに代わってもこの世界は回るのだと気付いてしまう。


Yo, it's stranger than fiction
目立てば different
でも stay the same
And you're wrong?
Replaceable figures
空っぽ interiors
Caught up in the system
You're gone
Yeah
You're long gone
売る soul
Can't turn it off
探してる another way
Barcodes gotta be erased

人生なんてものは、創作物ではないけれど創作することができて、得体が知れないから不気味で、なんか考えることから逃げている。
「世界一周してみた」とか「起業してみた」とか、歴史に名を刻むような、世界を轟かすような成果を残したいと思ったことってある?私はある。
でも絶対できないし、やらないし、公立の小中高を卒業して、地元の大学に行って一般企業に就職して、家族も友達も良好な関係を築いていて、この【普通】が何よりの幸せだと思っている。全然当たり前じゃないと思うから、ものすごく感謝している。
だけどやっぱり、ぶっとんだことしてみてぇ~~~と思う夜だってあるよ。

人と違うことが【優】で、人と同じことが【劣】なことなんてない。人と違うことが【劣】で、人と同じことが【優】なんてこともない。

だけどそんな綺麗ごとだけでやっていけるわけないから、自分の代わりがごまんといることに唇を噛んだり、自分は何者なのかという感覚を見失ったりする。


ここまであえて、ずっと「人」の話をしてきた。本当は「アイドル」の歌だて分かってる。だけど、別にウチらにもこういうことあるくない??ということを強調するために、あえてやってる。まぁそのあたりは結論(というには曖昧)と繋がるのだけど…


いつまでも後ろ向きのまま
ライトが影を作ってる
未だその3歩前で待ってる
溶けてゆく夜に落ちたままで

背後は危ないし、照明は眩しいから、後ろ向きで歩くしかないもんねぇ。
「ここに立てば輝けるよ」という道標は明らかに存在するのに、その3歩前から進むことができない。あるいは、輝かしい場所には凛と立つ誰かが居て、自分はいつも、その場所まで3歩ほど足りない。
暗い場所のほうが落ち着くし、涼しいし、恥をかかないし、疲れないし。


汚れていくだけの街でずっと僕ら暮らしている
正しさの周りで頭を抱えている

歌詞のまんまで苦しぃ~~~~!!!!!
仰る通り、「汚れていくだけの街でずっと暮らしている」のに自分に浄化作用なんてないし、「正しさの周りで頭を抱えている」だけで正論をぶちかます勇気なんてない。でもそうやって生きているのは、自分だけじゃないよなぁ。


たおやかに番を待つ僕らずっとこらえて生きている
隠してた心はもう見つからないな

「たおやか」って、改めて辞書を引いたけど、「態度や性質が、しとやかで美しく、優しく、上品なさま」と訳すことができた。俺の憧れる人物像である理想とする姿だし、俺がアイドルに求める魅力でもある。
順番が回ってくるまでの間や、耐え忍んでいる間だからこそ、そういう姿でありたいと思う。
振りかざすことができなかった正義、否定されて奥底に仕舞った自我や甘え、それこそが自身を構築する大切な部品であったはずなのに、もう見つからないんだって。悔しいよなぁ。


裏切らないものを僕らずっと探して生きている
正しくあればいい 後悔のない生き方で進もう

いつも振り返る度うなだれる
その足跡を消す度
どこかへ行こう そのための花束を
ショーウィンドウに並ぶ僕ら
代替不可であれよフィギュア
あるがままで

自分が歩いてきた人生を振り返って、マジで黒歴史だらけだし、あいつの記憶から私の存在を消してぇ~!となる。
自分の足跡に自信がなくて消してしまうけれど、その足でまたどこかに行くこともできる。
光を浴びない日だってあるし、「素敵な人」ではいられない日だってあるだろうけど、あなたがまた一歩踏み出す度、花束を贈りたい。

この世界に数多いるアイドルの中で、あなたを選んだ私だから。とっかえひっかえできるアイドルという職業を選び続けるあなただから。「代替不可であれよ」と励まし合うことが許されるのだろうか。「自分らしくありたい」と何度も繰り返すあなたに、また息がしやすくなるから。

これだけ裏切られても「正しくあろう」「後悔の無いように生きてやろう」と思い直せる強さに、励まされてしまうから。


ずっと「人」の話をしようと心がけていたのに、最後「アイドル」の話をしてしまいました!(反省していない顔)


「フィギュア」という歌は、別に切なくもないし、無慈悲なんかじゃないよ。確かにハッピーエンドではないし、夢世界なんて一秒も描いていない。
だけど、アイドルに総合的な思想から応援してもらっていると感じる私にとっては、究極のエールソングです。
まぁこういうのは強がりで、全然アイドルの辛さ・生きにくさに胸が苦しくなる日もあるけど、「だけどお前らこんなにも綺麗だよ」と号泣して勇気をもらう日だってある。
そして自分事のように受け取って、この世界の不条理に「クソみてえだけど俺たち頑張ってるよな」と元気をもらう日だってある。
さらには、ただただ歌詞の巧妙さに「アイドルって文学だぜ!」とワクワクをもらう日だってあるし…………………

数えきれないほどの色をした歌。
そしてそれはすべて、アイドルの力。

この歌を「悲しい歌」で終わらせているうちは、アイドルとして未熟であって、この歌を「仲間の顔を見て笑いながら歌うアイドル」になった彼らだから、この曲のCDがあるんだと思う。
おじいちゃんになっても歌ってほしいな~!!!
変幻自在なエールソング。アイドルソング。
その言葉の訳は、【いつだって君(私)のために歌っている】だと、思っている。


楽曲を聞いて思ったことを記して置いておくと、その時代の自分の状況とかを懐かしむ日が来たときに面白いです。
何かを論じているわけではないし、根拠なんてさらさらないし、ブログというよりはエッセイ(というには格好良すぎるから日記だな)みたいなもの。

馬鹿みたいに忙しくて阿呆みたいに余裕のない今だからこそ、アイドルの心髄に勝手に触れて、むふむふ言いながら言葉を選ぶ時間に、フラットな状態になれた。(重い言葉とか、病んでるような心情に気付くけど、すこぶる元気なのだという弁解時間)

結局どうしようもないアイドルオタクだな、と笑っているだけで花丸だなと思える。そんな力がある、お気に入りの歌のはなし。


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