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占いに行ってきた感想メモ 占いとの付き合い方

友人に付き添いを頼まれて占いに行きました。占い師と三人で個室に入り、一人30分間、悩みに対して占いの結果を踏まえたアドバイスをもらえる。
信じる信じないとかはいっそ野暮な話で、タロットカードや手相などいかにもな手法で自分についてあれこれ話してもらう時間は楽しい。

「う〜ん、というか、近いうちに予期せぬ妊娠があるかもしれません」
私の相談タイムに、出た1枚のタロットカードを指差して占い師さんが言った。相談内容は「現在子どもを持たないことを選択しているけれど、将来的にこの決断を後悔しますか?」というもの。あくまで付き添いなのでしいて聞くなら……という温度感だったくせに、yesでもnoでもなく、いえあなた孕まれますよとの回答に、思わず身を乗り出してしまう。
「妊娠するための身体的準備は万全だし、授かったらなかなか良妻賢母になるし、パートナーとも良好な関係が続きそうだし、産むのがおすすめ! ってカードは言ってます」
どんな重い相談にも未来という人間には知り得ない時空の情報を示して回答してくれる、カードの魅力に抱きしめられた瞬間でした。すごい包容力。

あとこれ”私こと占い師個人ではなくカードが”言ってるって差し出し方が大切だなあとも思いました。自分と同じ人間たる占い師さんのほうではなくミステリアスなカードのほうにはもしかしたら何か未知のパワーがあるんじゃないかという期待がしやすいし、なにより意にそぐわない回答にムッとしたとしても「言ってるのはカードなんだから占い師さんに抗議しても仕方ないや」という気持ちにさせられる。匠の業。

ミステリアスパワーに人生の全体重をかけるのは危い。それは多分カードや手相や水晶玉からしても歓迎されないんじゃないだろうか、重すぎて。
でも、何か自分の中では既に答えが決まっていて背中を押すちょっとした力が欲しいとき、もしくは手軽にポジティブな気持ちになりたいとき、思い出せる「そっちに進んでも吉」という言葉があることは気持ちがいいと思う。

たとえば私の場合はというと、占いの結果を経て「じゃあやっぱり子どもを持とう」とはならない。でも一方で、この先予期せぬ妊娠があったとき、唖然とし悩んだ先で「まあでも私って良妻賢母になれるらしいからさ」と笑える可能性ができたことは、よかったなと思う。実用的ではないけれど、ふとしたとき取り出して撫でるのには心地よい、綺麗な石みたいに。

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