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ダブルスの戦い方🖐️

テニスやバドミントンにもダブルスはありますが、最大の違いは交互に打たなければならないという点でしょう。つまり卓球では1人だけが頑張って勝つなんてことは不可能であり、個々の実力とコンビネーションによる総合力が試されます。

卓球のダブルスはローテーションや2回続けて打ってはいけない返球のルールなど、シングルスと違って慣れないと難しい動きがありますが、勝利した時やコンビネーションがうまくいったときなど、二人で分かち合える喜びや楽しみも多いのがおもしろい所です。まだダブルスをやったことがないという方は、ぜひダブルスに挑戦してみてください。きっとその魅力にハマるはずです。


🏓ダブルスの戦術や考え方

(1)こちらがミスをしない為の考え方

①パートナーが3球目攻撃をしやすいサーブ        を出す

ダブルスの試合で使われるサーブは、短い縦回転系が使われることが多いです。その理由としては、ダブルスのサーブはフォアクロスにしか出せないことが挙げられます。シングルスのようにコースで大きく揺さぶることができないので、レシーブが待ちやすく、自由なレシーブができるのです。そのためダブルスの場合はレシーブ側がやや有利と考えられます。

そんな状況で、順横回転、逆横回転と色々なサーブを出すと、ツッツキや流しやチキータと、逆に色々なレシーブが返ってきやすくなってしまいます。さらに横回転が入ると、返ってくるボールに回転が残っていたり、回転を利用されたりするので、3球目を打つパートナーとしては非常にやりにくいのです。

なので、ダブルスの場合はそういった不規則なレシーブが返ってこないように、短い下回転を中心とし、そこにたまにナックルを混ぜる、といったサーブの組み立てが主流となるのです。

②ストレート攻撃を多めに使う

ダブルスではシングルス以上にストレート攻撃が重要となってきます。たとえば、こちら側にサーブ権があり、あなたが3球目を打つ順番だとしましょう。パートナーは短い下回転サーブを出し、対戦相手はこちらのバックサイドへやや甘いツッツキをします。

ここであなたは、チャンスと捉えてバックハンドドライブでクロスへ撃ち抜く。というのが、決まればよいのだが、決まらなかったときはこちらが苦しくなります。このとき、4球目を打つ相手選手は、ニュートラルの位置に構えているので、まともにクロスにブロックされることが考えられます。そうなると、今度はあなたのパートナーが打つ番だが、パートナーは先程サーブを出しているので、フォア側から戻ってくる途中だ。その状態で、あなたが速いボールを打てば打つほど、速いブロックが返ってくるので、パートナーとしては時間的に間に合わずかなり厳しい展開になってしまいます。

ダブルスで大事なのは、一発で自分が決めてしまおうと思わないことです。常にパートナーに託す、くらいの気持ちでちょうどいいのです。十中八九決めきれるボールならばよいが、そうでないならば多少威力を落としてもいいので、ストレートを攻めて次球でパートナーに決めてもらう。その方が、2人ともの足が動いて調子も上がり、よいコンビネーションが生まれるようになるでしょう。

③なるべくフォアハンドを使って打つ

バックハンドを使って基本の動きを練習した際、フォアハンドを使うよりも難しいと述べました。その理由の一つは、バックハンドの方が打球点が高いことです。フォアハンドは基本的にはボールを「体の横」で捉えるのに対して、バックハンドはボールを「体の前」で捉えます。よって、台にバウンドしてから打球するまでのタイミングが早くなる為、自分が打った後にパートナーへ返ってくるボールも早くなり、時間的な余裕がなくなる、というわけです。バックを使うと、相手に早く返球できるが、こちらにも早く返って来てしまう、ということを頭に入れておこきましょう。

そしてもうひとつの理由は、バックハンドを使うと体が邪魔をする、ということです。パートナーが打球している際、あなたは後ろ側にいることが多いので、パートナーがバックハンドで打球をしていると、あなたの視界に見えるのはパートナーの背中だけです。ボールが見えないと、次に返ってくるボールの予測がしづらくなり、非常に苦しくなります。さらに、そのパートナーの体が邪魔になって、次球であなたが台に入るのがどうしても遅れてしまいます。パートナーがフォアハンドで打ってくれていれば、腕があるだけなのでそれほど邪魔にならずスムーズに入り込む事がでます。

なので先ほどの3球目攻撃のケースであった、バックハンドでクロスを狙う、というのはなるべく避けた方がよい、ということになります。できるだけ回り込んでフォアハンド、さらにストレートを狙えれば、次球を打つパートナーにとっては最善となります。

(2)レシーブにおける戦術

♣ダブルスで最も有効なレシーブはツッツキ

私の経験から、ダブルスにおいて最も有効なレシーブはツッツキです。理由は3つあります。

①ツッツキは最も相手の3球目攻撃を限定できる技術であることだ。相手のフォア側にツッツキを送れば、カットマンでない限りほぼ100%フォアハンドドライブが来るだろう。それを待っていれば、パートナーの待ち方は「クロスへのドライブ待ち」となり、「4球目をブロックをする」ということが確定できる。これが、あなたがストップをすると、パートナーはダブルストップ待ち、フリック待ち、流し待ち、ないしはチキータ待ちと、全く的を絞れなくなってしまうのだ。ダブルスでは常に、次に打つパートナーの負担が最も軽くなることを考えなければいけない。

②ツッツキは時間的な余裕が生まれるからです。ツッツキで相手コート深くに返球できれば、それだけ3球目のドライブのボールがこちらに届くまでに時間がかかる。その上、ツッツキ、つまり下回転のボールをドライブで打つ際は、ボールが卓球台にバウンドして、頂点からやや落ちた地点を捉えるのが一般的です。たとえば、あなたがフリックレシーブをした際は、相手はバウンドしてすぐを捉えれば返球できる。あなたのフリックが速ければ速いほど、こちらにも「速く」そして「早く」返ってくるので、パートナーの時間的余裕がなくなる。

③ツッツキに対するドライブは回転に逆らう技術なので、難しいということだ。初心者の頃を思い出してほしい。最初のフォア打ちは、ラケットに正しくボールを当てることができれば、それほど難なく習得できたはずです。しかし、下回転のボールをドライブで上回転にして返球することに関しては、かなり練習したのではないでしょうか。これはボールの回転に対して「従う」のではなく「逆らう」技術なので、基本的に難易度が高いのです。その為こういったボールは、競り合いの緊張した場面などでは、相手もつい打点を落とし過ぎてボールが甘くなったり、ミスをしたり、ということが出できます。逆にフリックなどの上回転のボールでは、ラケットを出して当てるだけで、とりあえずは返せてしまう可能性が高いです。

以上の3つの観点から、基本的には私はダブルスではツッツキを主体にレシーブを組み立てることをオススメしています。ただしもちろん、それだけでは慣れられるので、的を絞らせない為に、ストップやフリックを何本か「見せておく」ことは大事です。

(3)サーブにおける戦術

♣最もいいサーブは、センターラインギリギ       リ
ダブルスではサーブはフォアサイドにしか出してはいけない。しかし「サーブはフォアに出しておけばいいんだ」とだけ考えていたのでは、ダブルスで上達することはできない。右利きの選手に対して、最も有効なのはセンターラインギリギリにサーブを落とすことである。基本的に相手はフォアハンドでレシーブをしようと待っている。センターライン付近へ出すことで、相手はかならず詰まって窮屈な形になります。さらにはレシーブ後に逃げる際に、フォア側から逃げるにも距離が長くなるし、バック側から逃げると相手パートナーの目の前を遮る形になるので、相手の4球目攻撃の精度を下げることができます。

相手がそれを嫌がってバックハンドでレシーブをするそぶりを見せれば、すかさずロングサーブを出して詰まらせましょう。こういった「センターギリギリを狙う」という一見地味な戦術も、試合が進むに連れてじわじわと効いてきます。これを日頃から意識するのとしないのとでは大きな差が出てくるでしょう。

(4)試合全体を通しての戦術

♣3、4球目まででほとんどのラリーは終わる

試合全体で見たときの考え方についてです。基本的にダブルスはシングルスよりも「返球する」ことが難しいので、ラリーが続かないです。8割以上は3球目、4球目でラリーが終わると思ってよいでしょう。なので、シングルス以上にサーブレシーブにおける戦術や技術の精度が重要になってくるのです。基本的には先程の考え方で、深いツッツキを主体に組み立てていきましょう。

♣2ゲーム目までに相手の弱点を探る

ただその一方で、相手の弱点を探っておくことも大事です。2ゲーム目までで、相手のB選手はフォア前ストップの処理が下手だ、とか、バックへの回り込みは苦手そうだ、といった情報は蓄積していかなければなりません。そのような弱点を突いて、片方の選手の調子を崩すことができれば、もう一方の選手は「自分が無理をしてでも決めなければならない」という心理状態に陥り、焦って余計にミスを重ねるという好循環が生まれる可能性が高いのです。

何度も言うように、ダブルスはミスをしないことが重要です。ラリーになっても、無理をして決めに行こうとせず、7割くらいの威力で確実に入れて、パートナーを信じて託す。そして常に、どういうボールを送ればパートナーが次の球を打ちやすいかを第一に考えましょう。そして、なるべくしっかり動いてフォアハンドを使う様にしましょう。

♣「見せ球」を有効に活用する

ただもちろん、全てを安全に入れればいいというわけではないのです。レシーブにおいては、ゲーム中盤までの万が一ミスをしても致命的にならない局面で、一発で決めにいくような攻撃的ボールを「見せておく」と言う事も必要になってきます。そうすることで、相手の頭に「レシーブから強打されるかもしれない」というイメージを植え付けることができるので、後々に効いてきます。
9-9の場面でいきなり、それまでしてこなかったレシーブ強打を試みるのはリスクが高いので、くれぐれもそのようなことがないようにしましょう。

今回の話のまとめとして、もちろん上級者やプロの世界では、ツッツキは一発で撃ち抜かれてしまうことが多いのでストップ主体で展開されたりもしますが、根本的な考え方としてはそう大きくは変わらないでしょう。

繰り返しになりますが、最も大事なのは「パートナーにつなぐ」という意識です。難しいことはなるべく考えずなるべくシンプルに。サーブレシーブにしっかりと神経を注いで、ラリーになったら動いて確実に入れる。これらができるだけでも、ある程度は勝ち進めるはずです。

ダブルスは1+1が3にも4にもなる競技ですので、非常に奥が深い種目です。さらに団体戦ではダブルスの内容が試合結果に大きく左右してきます。ぜひ今回の記事を参考に、ダブルスが上手な選手を目指していって下さい。

次回はイヨイヨ待ちに待ったラケット&ピン球を使った練習方法の紹介をさせていただきたいと思います。



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