ボールの捉え方!「分厚く」と「薄く」の違いについて
卓球の練習をしていると、ドライブを打つ時やスマッシュを打つ時などに「もっとボールを分厚く捉える」や「もっとボールを薄く擦りにいく」と言った表現を聞いたことがあると思います。
この表現は卓球をしている人であれば、誰でも使うようになる表現です。ですが、初心者の方や卓球を始めたばかりの人にとってはかなり難しい表現で「ドライブを打つ時はもっと薄く擦りにいけ」などと言われてもよくわからなかったり、意味は分かっても上手くその通りにボールを捉えられないことがあります。
今回は、そんな方々のためになるべくわかりやすく「分厚く」と「薄く」について解説していきたいと思います。捉え方について悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
(1)卓球のボールの捉え方には2種類ある
卓球では、2種類のボールの捉え方があります。それは「分厚く」と「薄く」です。このボールの捉え方の表現は、ある程度卓球を経験している人であれば練習中、当たり前のように使われている表現です。
ですが、初心者の方にこの「分厚く」と「薄く」という表現は難しいと思うので、まずはここを違う表現で説明させていただきます。
❶分厚く捉えるとは!?
まず「分厚く捉える」ですが、スピードのあるドライブやスマッシュを打ちたい時に、ボールを分厚く捉えます。ではボールを分厚く捉えるというのはどうすればいいかと言うと、ラケットでボールを正面から当てにいくと分厚く捉えやすいです。
ラケットの面を下に向けずボールの方向に向けて、ボールの方向にスイングするとボールを正面から当てやすくなります。イメージで言うと、ボールをスポンジまでしっかり食い込ませて打つイメージです。
他の言葉で言うと「インパクトを強くする」「当たった時にパチンと音が鳴るように」「少し弾くようなイメージ」という表現があります。
このいろいろな表現の仕方を、すべて理解する必要はありません。1度、1つ1つを意識しながら打っていただき、しっくり来た表現があれば、それが「分厚く捉える」です。まずはいろいろなイメージを試してみてください。
❷薄く捉えるとは!?
続いて「薄く捉える」ですが、ループドライブなどしっかり回転をかけたい時に、ボールを薄く捉えるようにして打ちます。ボールを薄く捉えるように打つにはどうすればいいかと言うと、ラケットでボールを斜めから捉えにいくと薄く捉えやすいです。
イメージとしては、ボールをラケットの角に当てにいくようにしてスイングすると薄く捉えやすかったり、ラバーのシートだけで打つようなイメージですね。難しいですね(笑)
他の表現では「強く当てずボールの表面を擦るイメージ」「打った時にパチンと音をさせず、音が鳴らないように打つ」「スイングした後にボールを飛ばすイメージ」などがあります。
(2)ボールを薄く捉える方が難しい
ボールの「分厚く当てる」「薄く当てる」について説明ましたが、分厚く当てることは意外と簡単で、薄く当てる方が難しいです。初心者の方でも、スマッシュなど分厚く当てる打ち方はすぐにできるようになりますが、ループドライブや下回転サーブなど薄く捉える技術で苦戦することが多いです。
稀に運動神経が良い方やセンスのある方がすぐにできるようになっていますが、基本的にはこういう感覚的な技術は難しいので、時間をかけて練習してできるようになります。
ですので「練習し始めたけど全然できないや」とすぐに諦めないようにしましょう。薄く捉えるのは感覚が身に付くまで時間がかかるので、めげずに練習することが大事です。
(3)分厚く捉える打ち方と薄く捉える打ち 方
ここまででボールを「分厚く捉える」と「薄く捉える」について、理解が深まったと思います。では実際に分厚く、薄く捉えるためにはどのようにスイングして打てばいいでしょうか?特にスイングの方向に焦点を当てて説明していきます。
❶分厚く捉える打ち方
まずボールを分厚く捉える打ち方ですが、ラケットのラバーの面が向いている方向にめがけてスイングすると、ボールを分厚く捉えることができます。
ボールを分厚く捉えるということは、スピードのあるボールを打ちたいということだと思いますが、ラケットの面が向いている方向にスイングすることで、回転があまりかからず弾道は直線的になってボールのスピードが上がります。
ですのでボールを分厚く捉えたい時、スピードのあるボールを打ちたい時は、ラケットのラバーの面が向いている方向にめがけてスイングするようにしましょう。
❷薄く捉える打ち方
ボールを薄く捉える打ち方ですが、ラケットの角(側面)の方向にめがけてスイングすると、ボールを薄く捉えることができます。
ボールを薄く捉えるということは、回転がしっかりかかったボールを打ちたいということだと思いますが、ラケットの角が向いている方向にスイングすることで、スピードはあまり出ませんが薄く捉えることができて、弾道が弧線的になり回転のかかったボールを打つことができます。
ですのでボールを薄く捉えたい時、回転のかかったボールを打ちたい時は、ラケットの角(側面)が向いている方向にめがけてスイングするようにしましょう。
(4)分厚く捉える場面と薄く捉える場面
最後にボールを分厚く捉える場面と、薄く捉える場面を紹介していきます。どういう時にボールを分厚く捉えるのか、薄く捉えるのかわからない方もいると思います。この記事をしっかり読んで、どんな場面でどのように捉えたらいいか、しっかりイメージしながら理解していきましょう。
❶分厚く捉える場面とは!?
ボールを分厚く捉える場面は、相手のツッツキが浮いてくるなど甘くなってきた、チャンスボールを打つ時や一発で決めにいきたい時です。
相手のツッツキが少しでも浮いてきたら、分厚く捉えてスピードドライブを打ちますし、ブロックなどが高く上がってきたら分厚く捉えてスマッシュを打ちます。
基本的にはこのようにチャンスボールが返ってきた場合に、ボールを分厚く捉えて打ちにいきます。
❷薄く捉える場面とは!?
ボールを薄く捉える場面は、下回転サーブをしっかりかけたい時だったり、相手のツッツキが低くループドライブを打ちたい時です。
下回転サーブは分厚く当たってしまうと回転がかからないので、薄く捉える必要があります。相手の低いツッツキに対して分厚く当ててドライブを打ちにいくと、回転に負けて必ずネットミスしてしまいます。
このように、出すサーブや相手のボールの高さや技術によって「分厚く捉える」と「薄く捉える」は使い分ける必要があります。
♣まとめ
今回は、ボールの「分厚く」と「薄く」の捉え方の違いについて詳しく解説させていただきましたが、いかがでしたでしょうか!?
分厚くや薄くという表現は、卓球をしている人の中では当たり前のように使われています。初心者の方は、まずこの言葉の違いや意味について理解していきましょう。
そして分厚くと薄くの捉え方の表現はいろいろあります。この表現を1つ1つ意識して練習してみて、しっくりくる表現を探してみましょう。感覚的な話になるので、教えてくれる人それぞれの表現の仕方も違います。すべて吸収する必要はありません。一番しっくりくる教え方だけを聞いて練習することが、分厚くや薄くの感覚を掴む近道です。
また練習し始めて、感覚がつかめないからと言って諦めないでください。特に薄く捉える感覚はすぐに身に付くものではありません。繰り返し練習してようやく身に付く感覚なので、この記事を参考にしてめげずに練習してください。
次回は、【初級者必見】ラバーの種類とその違いを紹介させていただきたいと思います。