ONE VOICE ZINE vol.3 Siv(16REASONS,STILL,beyondman)
第3回となりました。今回はバンドのボーカリストととしても先輩で、僕が企画をやった時も出演して貰ったり、実は何かと接点が多い16REASONS,STILL,beyondmanのSivさんです。僕を下の名前で呼ぶ数少ない人物でもあります。SNS等ではなかなか語られることの無いSivオリジンや、山登りの話などをお話を伺いました。
■生い立ち〜音楽との出会い
ー生まれはどちらですか??
生まれたのは東京都です。母親が恵比寿で目黒の病院で生まれて、その後すぐに川崎の中原区に移りました。
ーご家族も音楽好きですよね。前にインスタでお母さんとディクスユニオンでdigってたのが印象的だったのですが。
あったね(笑)母は学生の頃渋谷のユニオンに通っていたらしいです。それもあって小さい頃から両親の青春である70年代ソウルとかがよく家で流れていて。授乳の時から「音楽に関わる事をして欲しい」って思いながらソウルやジャズをかけていたりとか。そういった話は母からよく聞いたりしてました。自分も10年くらい前からソウルを聴くようになって、色々教えてもらったりしています。
■X JAPANからMETALLICAへ
ーそこから自身も音楽に興味を持っていくと思うんですけど、きっかけだったり、初めて買った音源だったりするのは何からですか?
自分が興味を持ったのは、小学校五年くらいかな、友達のお兄さんから流れてきた情報でX JAPAN。「Xが良いらしいぞ」と。それをチラッと聴いて。
ーまだToshIがメイクしてた時期ぐらいですかね。
そう。「TOSHIKIだTOSHIKIだ」なんて言っちゃったりして(笑)
ー合体しちゃってますね(笑)
「TOSHIKIがヤバいなんて」なんて(笑)それで家族で買い物に行った時に"Silent Jerousy"のシングルを買ったんだよ。家にあったラジカセでかけたんだけど、普段では考えられないような大音量でかけたら、頭がスカッとして。今まで無かった感覚が体の中に入り込んだんだよね。それまでのソウルのまったりとは違う刺激が自分の中に来たというか。そこが一番最初かな。
ー友達のお兄さんからの情報が功を奏した、と。
そうそう。あとX JAPANで言うと、「おはよう ナイスデイ」って番組があったじゃないですか。それで東海林(のり子)さんが取材してた事もあって、それで頭に入ってたのもあったかな。
ー過激な音楽への入りは割と早い方ですね。中学生ぐらいの時はどうでした?
小六、中一くらいでLUNA SEAとZIGGYだね。LUNA SEAはXの弟分みたいな紹介をされていて、当時BELIEVEというシングルが出た頃だったかな。初めての洋楽だと、それも多分同じ人(友達のお兄さん)からだと思うんだけどMETALLICA。とにかくMETALLICAが良いぞって話になって。ブラック・アルバム(原題: METALLICA)が出たぐらいの頃なんだけど、当時はCD屋でアルバムは高くて買えなかったんだよ。でもシングルカットしたCD、3曲入りのシングルなら買えるぞと思って買ったのが洋楽の始まりだね。他の曲はそこまででも無かったんだけど、最後にライブ音源が入っていて。ミスフィッツのカバー(Last Caress)~Am I Evil~Batteryっていう流れの。
ー最近もやってる流れですね。
それでBatteryを聴いて、洋楽でも速い曲があるって知って衝撃を受けたんだよ。それが小六とか中一ぐらいかな。友達のお兄さん情報っていうのが、自分には上に兄姉がいなかったから、 それは有り難かったですね。
ー僕の場合、姉がいたのでバンドサウンドのきっかけというとユニコーンでした。9つ歳が離れてるんで、小学校中学年ぐらいで進学のために状況しちゃうんですよ。それで置いていったCDを聴いていくとか、そんな感じでした。
なるほど。バンドサウンドっていうと、ユニコーンもだし、THE BLUE HEARTSとかBUCK-TICKとかも聴いていたけど、音源欲しいんだけど買えないみたいなのが多かったなー。シングル買ってアルバムは持ってる人に借りたりとか、そういう聴き方が多かった。
■洋楽〜メタル〜BAD RELIGIONとの出会い
ーMETALLICAで洋楽に興味を持った後はどうなったんですか?
そこから自然と洋楽にも興味を持ち始めるんだけど、XもLUNA SEAもZIGGYとかも並行して聴いていて、METALLICAの次はMEGADETHやIRON MAIDENにいくんだよね。情報が入らないから、当時はジャケで選んでたんだよ。アートワークのガイコツとか機械みたいなのとかに惹かれて。でも音がそんなに好みじゃなくて…。いざトレイに入れて聴いてみても、Batteryみたいなのじゃなかったりね。(なんか違うな…)と思っても、どうにか良いところを探そうと頑張って聴いてみようとしてたよ。それが中一中二ぐらいまでかな。それからHELLOWEENとかジャーマンメタルを耳にするようになって。
ー意外ですね。メロディアスで速くてバッキング強めな感じですね。
そうそう。それでANGRAとかVIPERとか聴くようになって…
ーVIPER!イサオさん(ASIANBEAUTYMURDER,DISTANCE)以外で話題に出てくるとは。彼は「ブラジルと言ったらSepulturaかVIPERだ」とか、それ極端過ぎないすか?という。。
イサオさん好きだよね(笑)VIPERは友達がテープ作ってくれた中に数曲入っていて、1stかな。良いんだけどでもまだ(ちょっと違う…)と思って聴いていて。並行してB’zとかも聴いてたんだけどね。それで中二ぐらいの時に友達がウチに泊まりに来て、CDを持って来たんだけど、その中にBAD RELIGIONとGREEN DAYがあったんだよ。METALLICAとか教えてくれた友達とは別の人なんだけど、その人には2個上のサーフィンやってるお姉さんがいてね。そういうスケートとかのカルチャーの流れで入って来たんだろうね。それでBAD RELIGIONの"Suffer"なんだけど、これが音聴く前にジャケットでやられちゃったんだよ。格好良過ぎる!ってなっちゃって。曲聴く前に「これだ!」と。
元々自分が受けたアメリカのカルチャーの影響は映画「グーニーズ」からが大きくて、登場人物の着てる服とかやってる事とかね。街並みやコンクリートの道路だったり、平屋の家とかのイメージも印象的だったし。80年代後半くらいにTBSで放送されたもの親が録画しててそれを何度も見てたりして。あとその頃自分も仲間達とスケートやサーフィンを始めたくらいで、何か近いものを"Suffer"から感じたんだろうね。さらに曲を聴いたら、いきなり速いし、アグレッシブだし、メロディアスだし。何より曲が短かったのが良かった。メタルとかより短かったのが自分にフィットしてたのかもしれないですね。そこから今に至るまで全く変わって無いよ。
■ライブ原体験〜コピーバンドへ
ー中学生高校生ぐらいの時ってライブとか行ってましたか?いわゆるコンサートとかも含めて
いや、一切。BAD RELIGIONの日本盤とか買うと来日情報とか帯に載ってたりするよね。それが中学生とかの自分には手の届かない世界だと思ってたんだよ。「あ、日本に来るんだ」とはわかるんだけど、行けるとは思わなかったんだよね。中学の時とか、友達のお兄さんとかがZIGGYのライブに行ったとか聞くと「うちらの街から行けるんだ!」とか、それぐらい遠い世界だと思っちゃってたんだよ。初めて行ったのはAIR JAM 98。これは結構いると思うんだよね。
ーいますね。原体験として結構大きいですよね。
これが高校生の時で、ハイスタ(HI-STANDARD)が出て来た時で、日本のバンドも沢山出てたしね。ハイスタがNOFXのFAT WRECK CHORDSから出したって事もあって、BAD RELIGIONのEpitaph Recordsだったり、情報が色々リンクしてオムニバスとか買って情報を得たりしてたね。後はDevilock Nightとか、赤坂BLITZの。そんな感じだったかと。
ーそれぐらいだと高校二年とか三年?ですよね
そうだね。三年かな。バイトして自分でお金持つようになって、自分でライブに行けるようになって、CDも買えるようになっていって。それで高三でコピーバンドとか始めるようになりましたね。影響を受けたBAD RELIGIONだったりOFF SPRINGだったり。BRAHMANとか。これもよくあるんだけど文化祭でやって。後は高校の卒業ライブをハコを借りてやったんだよ。街が小さかった事もあって、他の学校でバンドをやっているのも集めて3バンドぐらいだったかな。共通の友達がいたりして、割と繋がってはいたんだけど。色んな学区から集まって、結構お客さんが入ったんだよ。
ーその時パートは何だったんですか?
ボーカルです。文化祭のときも。卒業ライブのときも。
ーちなみに何でボーカルを…?
なんでだったかな。そもそもそういうバンドを何で始めたのかも曖昧で。自分がやろうって言い始めたのかな。誰かに誘われてだったか…どうだったのかな。
ーやりたい人が集まってフワッと始まった感じですかね
みんな本当によく聴いていたしね。ハイスタが好きだとかBRAHMANが好きとかね。で、ギターもやっているみたいな。そういう人が結構いたから出来たのかもしれないね。それでスタジオで練習とか始めたりして。ミキサーの使い方がわからない…とかあったよ。1時間ぐらい「音出ねえよ…」とか(笑)
ーそもそも電源入ってませんとかね(笑)ボーカルあるあるですよね。
それで違うとこ上げちゃったりとかね。未だによくわかってなかったらするからね(笑)
ー多少はわかるようになっても、違うスタジオ行くと、見た事ないミキサーがあって(またここからかよ…)と軽く動揺しますね。
セッティング一番早いはずなのに一番最後になってたりね。
■16REASONS加入〜ライブへのスタンス
ーそこから16REASONSですか?その前に何かやっていたりとかは?
16REASONSだね。高三の時にコピーバンドやって、でもバンド自体はそんなにやろうとは思って無かったんだよ。中二ぐらいから聴いていたから、音楽自体は身近な存在にはなっていたんだけど。地元の友達とやってみようと思ってスタジオには入ったりしていたんだけど、メンバーが揃わなくてダメになったりして。それか友達が別のバンドに入って本格的に活動始めたりとかね。それで21歳の時に、当時STM(Start Today Mobile)のBBSのメンバー募集の書き込みを見つけたのがきっかけなんだよ。(募集要項に)書いてるバンドが全部自分の好きなバンドで。Shai Hulud,Stretch Arm Strong,AS FRIENDS RUST,GRADE…その辺のバンドがズラッと書いてあって。「ストレートだけじゃなく緩急つけた変化のあるバンドがやりたいです」みたいな事もね。AR-15やってたベースの森田さんが始めて、後はボーカルだけっていう状況だった。それでハッとなったんだけど、自分の性格的には、そういうのに飛び込む性格じゃないんですよ。俺なんかじゃ…って思ったり、何よりバンドの経験がほとんど無いんだよね。コピーバンドでちょっとやってたぐらいだし。だけど何か飛び込んじゃったんだよね。その決断が今振り返ってみてもビックリというか。それで自分が加入して、16REASONSが出来て、っていう流れだね。
ーそこから16年、もう少しですか。
そうだね。2002年の秋ぐらいにスタジオ入って、2003年の1月に初ライブで。自分の中では準備期間みたいなのが全然無くて。右も左もわからなかった時に「初ライブ決まったよ」なんて言われて。それこそミキサーの使い方なんて全然わからなかったしね。
ーリハの音出しってどういうこと?とかですよね
まさにそれ。「ちょっと聞いといて」なんて言われてもわからないし。今でもわかってないしね(笑)「スネアの音もっと下さい」とか。ボーカルにしても自分が歌うので精一杯だしね。
ー最初モニターの存在とかも、いまいちわからなかったですよね。
そうなんだよ。結構怖かったな最初は。そもそもライブハウスに行き慣れて無かったんだよ。
ー16REASONS始める前はライブハウスにはそんなに行ってなかった?
ちょこちょこは行ってたんだけどね。高校が横須賀で、一緒にやろうとしてた友達が、かぼちゃ屋(横須賀の老舗ライブハウス)でライブするから遊びに来てよって言うので遊びに行ってたりとかね。
ー出演者やステージとなると、また別の話になりますしね。その時と比べると今はどうですか?
あんまり変わってないね(笑)でも緊張はするけど、不安はそんなに無くなったかな。
ー楽器持ってる人と比べると、ピンのボーカルって一応手ぶらで行くじゃないですか。その手持ち無沙汰で余計に何だか落ち着かないんですよね
そうなんだよね。楽器持ってる人はチューニングしたりとか、エフェクターいじったりとか、間がもつんだよね。でもマイク1本だし、バンド自体をコントロールしないといけないんじゃないかってプレッシャーと、お客さんはボーカルを見るんじゃないかって思ったりもしていたし。そういうのは最初の頃はあったりしたかな。ただもう「やるしかない」っていうのはあったかな。
ーそれはSTILLの時も同じなんですか?音が全然違うじゃないですか。16REASONSとSTILLで違う事ってあるんですか?
16REASONSはメロディと叫びを混ぜているから、喉の動かし方である程度コントロールが必要でそこが不安要素になったりすることがあるけど、STILLはわりと勢いに身を任せる事が出来る部分があって少し気は楽かも。
ーbeyondmanでは初楽器ですか?
実は中学校の頃に楽器やっているんだよ。小学校ぐらいにX JAPANを聴いて、お年玉で手が届くくらいの安いストラトギターを買って弾いてたよ。それから高校でコピーバンドやるぐらいまでは弾いていて、ギブソンのレスポールを買ってみたりしたけど16REASONSやるぐらいになってからはあまり触らなくなったかな。beyondmanでベース自体は初めて持ったんだけど、ルート音ぐらいは弾けるだろうって事から弾かせてもらう事になって、ベースも勢いで買ったんだよね。それでbeyondmanでベース持ってライブしたときにめちゃめちゃ楽しくて(笑)ステージに立った時の重圧感とか全然違って。ボーカルって大変なんだって、より再認識しましたね。
ー良い話ですね…(実感たっぷりに)。ボーカルって軽んじられる事が多いので…
良い話かな(笑)でも3バンドやってる中ではBEYOND MANが一番リラックスして立ててる気がしますね。
■昔と今で違うもの〜変わらないもの
ー今って、聴き始めた時期だったりバンドを始めたりした時期と比べて変わったなと思う事ってありますか?個人的にというより、世の中的に。
各個人、ネットである程度の事までは調べられちゃうし、"歳上だから詳しい"みたいなものでもないし。若い頃は自分の周りにあまり詳しい人もいなかったから情報を得ようと思ったら、たまたま見つけた雑誌を読みまくったり、CDのサンクスリストからバンドっぽい名前をメモしてCD屋に行って探したりとか。あまり視聴も出来ない状態だったりしたしね。
ーデジタルはいつ無くなるかわからないから不安でしかないんですよね。。
そう!最近、パソコンに入れてた音源のファイルを整理してて無くなったことがあって、これはもうダメだなと。やっぱりモノの良さっていうのもあるんじゃないかな。手に取ったジャケのインパクトだったりね。
ー匂いとかで覚えてたりしますよ。それこそGREEN DAYのDookieを輸入盤で買ったんですけど、凄まじく臭かったんですよ。紙の匂いなのかインクの匂いなのか。だからGREEN DAY聴くと匂いも思い出します。
デジタル全盛とは言っても、特別な思いがあるものは皆んなフィジカルで買ったりするしね。でも聴け過ぎちゃって重みが薄れているかなって気はするかな。
ーこの後、サブスクで聴いてる人達も「こんなには要らないかな」って思って選別していくと思うんですよね。それで、それこそ思い入れが有るものを買っていくようになるんじゃないかなと。でも、とりあえずフィジカル買って失敗して…みたいなものは少なくなっていくんでしょうね。
失敗を重ねたりとか、ジャケ買いをして名盤と出会ったりだとかは今はもうあんまり無いかもね…。
ーでも案外デジタルでも失敗多かったりするんですよ。ジャケやアートワークが好みで買ってみて、勢いで$3ぐらい出して、1曲少し視聴して買ったは良いものの、通しで聴くと(全然良くない…)ってなって。それで(なんとか良いところを見つけなければ!)と思って聴くんですけどね。
似たような事あるよ。自分の場合だとRAGE AGAINST THE MACHINEだね。中三の時にfineかWARPで紹介されてて「明日このCD買いに行こう」と思って。それで当時、横浜ビブレにあったHMVに行ったら有って。説明書きをちゃんと読めば良かったんだけど、FATとかEpitaph系のものだろうと思って買っちゃって。聴いてみたらラップしてるしで、これ全然違うぞ…と。でも買った以上にはどうにか良さを見つけないと、と思って聴いてたよ。
とはいえサブスクや配信も使ってないわけじゃないし、便利だし、助かってる部分はあるけどね。
■山の話〜なぜ山に登るのか?
ー僕らもバンド始めて働いたり結婚したり、色々生活に変化が生じて来ますよね。その中で趣味の変化も起きてくると思うんですよ。シブさんもそうなんですが、僕の周りでは何故か山好きが多くて。特に極端な例で、ex-BLINDSIDE,DEAD SOULSのタクヤンがトレイルランをやっていた時期があって、十何時間?も意識がブラックアウトするまでとか山を走ったりしていて。皆んな何故そこまで山に魅せられるのか不思議なんですよ。
タカミツくん(DEAD SOULS)もだよね。
ーそうでした。同じバンドで既に2人ですね…(実はまだいる)。何で皆んな山に惹かれて行くのか?と。ここから完全にド素人の質問なのですが、山は子供の頃から登ってたんですか?
登ってないよ。実家の裏に山があって、その上にお寺があって、小学生の時とかに大晦日に除夜の鐘をつくために登ってたぐらいだね。装備を持って準備して山に入るとか一切興味無くて。
ーそれが変わっていく時が来るわけですね。
初めは10年近く前になるんだけど、会社の同僚と富士山に登る事になって、何回かそれで行ったんだけどね。でも仕事終わりにそのまま出発して夜通し登ってっていう弾丸コースで行ったりしてたからから結構辛くて、楽しさまでは見出せなかったかな。
ー楽しさを見出した瞬間があるんですか?
定期的に登って行こうかなと思ったのはnoyのベースのシンゴと富士山の事をTwitter上で話してて、登った事あるから行ってみようかって事で2人で行って。その後にSOUL DISCHARGEのユウキとも山の話になって、今度3人で行こうってなって、それで神奈川県の結構低めの山に3人で登りに行ったんだよね。そこがスタートかな。木が周りにバンバン立ってて、山頂に行って飯食って下りて来てね。楽しかったね、次どこ行こうか?って話しながら飲んだりしてね。それで予定を合わせて3ヶ月に一度のペースぐらいで行くようになったよ。
ー登る、食べる、飲むって良いですね。
その3人で行って最高なコースが奥多摩方面。登って飯食って飲んでって流れだけど、3人の共通と言うか丁度良い解散場所が立川なんだよ。立川、ユニオンがあるでしょ。まず下りて、山行く格好したままレコードをdigって。それで買ったものを眺めつつ、今日は楽しかったねで乾杯、と(笑)
ー最高ですねそれ!
朝早く出れば夕方には下りて来れるからね。それでdigって19時ぐらいから飲み始めても、夜の早い時間に帰ってくる事が出来るしね。その日は1日が充実しているね。
ーそれは今でも続いているんですか?
最近は予定合わなかったりとかで難しいんだけどね。でも自分的に登りたい欲はあって、週末の天気予報見て1人でも行くようになって。3人で予定を合わせて行くのも勿論だけど、サクッと行く分には1人でもOKだなと気づいたのが、ここ3年ぐらいかな。
ー初心者はどの辺の山から登れば良いんですか?あと「自分で調べろよ」って話ですが持ち物とか。。
靴はくるぶしまで覆ってあるしっかりしたものが良いと思う。あと水は大事。綿のTシャツで行くと汗吸って身体が冷えるからあまりオススメしないかな。天気悪い時はレインウェアを用意するとかね。神奈川(KMの住んでいるところ)だったら日帰りなら奥多摩とか高尾山方面かな。丹沢も良いところが多いと思う。西に行けば沢山あるよ。埼玉方面だったら秩父だとかね。
行きやすいのは標高もだけど、駅を降りたら登山口に繋がっているところとか、バスが頻繁に走っているところとか、アクセスが良いところだね。帰り疲れたな…と思った時にケーブルカーが走っているところも良いかもね。自分もビギナーの枠なら抜け切れてないけど、その辺はイサオさん(ASIANBEAUTYMURDER,DISTANCE)辺りも詳しいんじゃない?
ーそうでした。同じバンドで山登ってる人もう1人いました…。イサオさんはカナダにも行ってましたしね。
良いな。自分も一度は海外の山を歩いてみたい。
ーやっぱり歩いてみるのが楽しいんですか?
そこが多分富士山との違いかな。奥多摩とかは比較的地形のバリエーションに富んでるし、尾根を歩いて、その木と木の間から見える景色が綺麗だったりとかね。歩く事を楽しんでいるのかもしれない。
ーインスタでシブさんが上げてる山の写真とか好きですよ。
ありがとう!life love trailだね。写真も好きで、自分の場合、撮りに行くのもセットになっているよ。山歩きと写真とね。必ずカメラを持って行って撮るようにしているよ。そういえばカンちゃん出身山形じゃなかったっけ?山は登らなかったの?
ー僕の場合、海沿いで完全に平野なんですよ。自転車で泳ぎに行って遊んで帰ってくるとかはありましたけどね。あとはプールとか。山だと車が必要になるので、免許取ってから…って人もいるんですが、その前に上京しちゃってるので。
■山とバンド〜バランスの取り方
ー山がバンドに与えた影響ってあります?16REASONSの"Aim High"とかそうかなと思ったんですが
そうそう。もともともSOUL DISCHARGEに"Climb Hard"っていう曲があって、それに自分がfeat.させてもらって。3人で山登ってる時に山の歌みたいな話をしてて、それで出来たんじゃないかなと思ってて。それに因んだアンサーソングとして、ユウキにfeat.してもらってね。
あと山歩いてると沢の音だとか、葉っぱや地面を踏み締める音とか、鳥のさえずりとか、それでもう十分。普段ライブハウスとかで大きな音を聴いているからか、すごく静かな、真逆な環境に身を置く事で自分自身のバランスを取っているのかもしれないです。
■最近どうしてる?〜読者へのメッセージ
ーこういうご時世になって、最近どうしてますか?
外出はなるべくしないようにしちゃってるね。山に関しては電車は控えて、登山口までバイクで行ったりとかだね。ただ、このままのペースで何もしないっていうのもって気持ちもあってね。ライブハウスで遊びたいっていうのもあるし、スタジオに入りたいって気持ちもあるしね。難しいところではあるよね。皆んなそれぞれ環境が違うから、出来る人はやった方が良いと思うし。ライブより音源作りたいなっていうのはあるかな。
ー漠然とで恐縮なんですが、ここまでの内容を踏まえてONE VOICE ZINEを見ている人にメッセージみたいなものはありますか?
周りを気にして何かやりたいことをやらずにいるのは勿体無いなと思ってて。やったもん勝ちというか。ちょっと他人と似てても自分が楽しめたらそれで良いのかなって。それを思うようになってから行動した事っていうのもあるし。あと家族(特に両親)との時間は大切にした方が良いと思っています。年取るとより感じますね。
■いつもと違う?逆質問コーナー
ーこの辺でいつもの逆質問コーナーに行こうと思うんですけど…
フィジカル良いよねって話したけど、5枚しか持てないとしたら何選ぶ??
ーこれ少し決まってるんですよ(とはいえ悩みつつ)
ー1枚目はUNBROKENのRe-Issue,Re-Package,Re-Evaluate、ディスコグラフィですね。反則気味ですけど。
ー次はAbove AllのBlood of Agesですね。90年代ハードコアのCANONとかSEVIN方面では、僕にはそれに匹敵するのがこれです。ただ今年に入って『再結成』という危なっかしいニュースも入って来ているんですけどね。。
ー後はOASISのMorning Gloryです。Don't Look Back in Angerは人生の指針みたいな曲です。歌詞の「自分の人生もままならないロックンローラーに身を任せるな」とか、バンド始める前から肝に銘じて置くものがありました。
ー次はまた違うんですけどMr.ChildrenのAtomic Heartです。今でこそ一定のポジション築いてるんですけど、改めて中年になり聴いてみると、バブルの終わりと、次世代としての尖り方が、この後の作品と比べると異様なものがあります。ヒット曲のInnocent Worldとか当時20代半ばの人が作ったとは思えないぐらい歌詞が達観し過ぎていて、変な言い方ですけど「死ぬ間際か死後の世界の音楽か?」とか思えちゃったりして。いつ聴いても味わい深いですね。1-4曲の流れは特に完璧です。
ー最後はGorilla BiscuitsのStart Todayですね。こんなご時世になって改めて聴いたら「デカいぞ、強いぞ」と気付いて。イントロのファンファーレからデカイじゃないですか。最初、タフなハードコアやNEWSCHOOLとか経過してから聴いたんですが、モッシーだしメロディックだし、youth crewか一般教養ぐらいに…と思って聴いたら度肝を抜かれました。これとUNBROKENを常備しておけばバランスも良いなと。
あとバンドの話になるんだけど、普段歌詞はどうやって書いてる?テーマを決めて書くとか、少しづつ書き溜めるとか?
ー歌詞はバンドと曲の雰囲気に合わせて書くので、ほぼ後攻型です。
Dead Soulsの時は日本語詞だったので、読んで来た日本文学の影響を反映させていました。DISTANCEは海外のハードコアバンドの影響を反映させたくて、シンプルで強い言葉選びにチャレンジしている、と言った感じです。
そもそもそんなに得意な方では無いのと、書かないと書き方忘れるので、一応書き溜めてはいるんですが、基本的なテーマだけ残って、あとは別の歌詞になる事がほとんどですが。。
なるほど。バンドによって使い分けてるんだね。
ーまさか逆質問がここまで来るとは(笑)音楽の話も含めて、まだ話したい事はありますが、今回はここら辺で締めたいと思います。また何かの形で!
そうだね。ハードコアの話も含めて、また!
ー本日はありがとうございました!
■おわりに
いかがでしたでしょうか。熱い逆質問で長々と自分の事に字数を割いて恐縮です。にしても、よく考えたらSivさんと素面で話したのは初めてかもしれない…。途中のメタルの話は(自分は一体だれと話しているんだ??)と一瞬錯覚するぐらい、意外なワードも出て来て、聞いてみるものだなと思いました。
ハードコアの話や、意外な接点の話など、実はまだ語りたい話が沢山あり、いつか何かの形で再登板してもらいたいなと思い、これは何か新しい事出来るんじゃないかと、気づきを得る事になった回でした。
次回もお楽しみに!
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