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手書きのMOU

現在、日経新聞の私の履歴書では、伊藤忠商事会長の岡藤さんの経歴が連載されています。

万年4位だった伊藤忠を大手商社でトップクラスにした実力者だけに、毎回、読み応えのある内容となっています。

今日の連載で、感銘を受けたのが、手書きのMOUです。

MOUとはMemorandum of Understangingの略で、契約や条約、協定などが正式に締結される前段階の合意文書(覚書)です。

日本語では「基本合意書」と呼ばれます。

M&Aや資本提携など、複雑で大きな契約の場合、基本的な部分を合意してから、詳細なポイントを詰めていくという流れを取ります。

一般的には、何度か話し合いの場を持って、合意に達して、後日、MOUに署名するというパターンが多い。

私自身、コンサルタントとしてそのような大舞台を経験したことは一度しかないが、その時も、このパターンだった。

それを初回の交渉の場で、合意した内容で、手書きでMOUを作成するというのは、まさに、発想の転換です。

本人が言うとおり、シンプルな内容であれば、相手の合意も取り付けやすい。

MOUは、Non-binding(法的拘束力のない)だとしても、書面化できる意義は大きい。

しかも、契約の基本である契約書のたたき台をこちら側から提示するという基本路線にも忠実です。

岡藤さんの考え方、姿勢、行動力、戦略など、毎回、勉強になります。



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牧野和彦@与信管理&コーチング
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