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企業倒産11年ぶりに1万件を突破
東京商工リサーチは2024年の企業倒産の集計を発表した。
倒産件数は前年対比で15.1%増加して、10,006件となった。
2013年以来、11年ぶりの1万件突破。
ただし、2023年の35.1%増と比べると、増加率はかなり鈍化した。
産業別の増加率を見ると上位は下記の通り。
1位 卸売業 26.45%
2位 情報通信業 21.77%
3位 農林漁鉱業 21.5%
4位 小売業 16.93%
5位 製造業 16.78%
2024年問題に直面した建設業、運輸業もそれぞれ、13.6%、9.8%増加した。
一方、減少している産業もあり、金融・保険業は28.57%と大幅に減少した。
不動産業も2.77%と微減した。
地区別でみると全9地区で増加したが、増加率が多い地区は下記の通り。
1位 東北 30.8%
2位 北陸 27.5%
3位 九州 22.9%
4位 四国 20.7%
5位 近畿 18%
2024年の倒産件数が1万件を超えることは早い段階から予想されていた。
11年ぶりに1万件突破と書くと、倒産がすごく増えている印象を与えるが、長いスパンで見るとそれほどでもない。
年間の倒産件数は1984年の20,841件が最多で、ITバブル崩壊の2001年には19,164件。
最近では、リーマンショックのあった2008年の15,646件がピークだった。
また、近年、倒産件数が減少傾向だったが、「休廃業・解散」件数は増加の一途をたどっていた。
2024年は、25.9%増加の62,695件で、過去最高となった(TSR調べ)。
倒産と廃業の違いは、債権者や社員に迷惑をかけずに会社を終了するのが、廃業である。
つまり、倒産の場合、返済できない借入金や買掛金、未払いの給与が払えずに、経営者がギブアップする。
一方、廃業の場合、「経営者が高齢なので、年末で会社を閉めます」などとあらかじ告知して、払うべきものものは払って、会社を終了する。
高齢化が進む日本では、経営者の高齢化も進んでおり、後継者もいなければ、体力と気力の限界で廃業するしか選択肢がない。
ただし、廃業の中には、隠れ倒産のようなケースもあるらしく、油断ではできない。
世間的には「倒産した」より「廃業した」の方が聞こえが良いからだ。
あと、5日後に控えたトランプ大統領の就任が、日本だけでなく、世界の企業が直面する今年最大のリスクである。
まずは20日の就任式を注視したい。
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