未来2024年1月号詠草『フラジャイルを生きる』
未来2024年1月号詠草『フラジャイルを生きる』 風野瑞人
マントルに揺られてメトロポリタンのそびえるビルの不確かと生きる
ふしあわせばかりを書いてAIに答えを求め突き放されて
幻の声とたたかう統合のとれない自我をささえる仕事
善人でいるのに疲れプラカード掲げるひとの行列を見る
王国は鏡のなかだけ もう二度とひとの襟首をつかむこともない
口角をわずかに上げる あいまいな壁にかこまれていることを知る
ねむらないキリンに訊ねる 空白の日記をすべてやぶく方法
霊媒はPCのなか 目に耳にこわれた叫び それでも明日へ
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