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生きて死ねば それで終わりじゃないでしょ

ロックやクラブミュージックを押し込めて、嫌いなクラシックやニューミュージックを必死で覚えようとした/わたしはYAMAHAやSENNHISERやRMEが好きで、TANNOYやMachintoshにはどうしても馴染めなかった/わたしはビートルズを捨てようとした

二十歳まではトントン拍子だったし、お金がなくても汚らしくてもいいと思っていた/白いMacBookでマイキングとミックスダウンとマスタリングをほぼ独学で覚えた/ハイレゾも使うし道具も増えたけどいまだに最初の音が一番いいと思っている

クラブミュージックに出会って、何度もパーティで踊り続けて、Ableton Liveで作編曲ができるようになった/それまでは生演奏がすべてだった/最後に8人組のバンドをやっていたときも、正直これでいいのかなと思っていた/自分の音楽が突き抜けないのは、いつまでも可能性のなかに生きていたかったからだと思う

ギターが一番どうでもいいと思うようになった/すべてを弾いていたテレキャスターを破壊して、いまでは17000円のストラトキャスターを使っている/ちゃんと調整してピカピカに磨いていたらプロデューサーさんに褒められたのがとても嬉しかった/知人の遺品でもらったJVシリアルのストラトはまだろくに弾いていない/いまでもロック楽器で師匠なんて取るもんじゃないと思っている/譜面を読むのが苦痛だ

高校に入るときも、大学に上がるときも、自分が一番ギターが下手くそなんだろうなと思っていた/他人の評価に溺れるようになったのはいつからだろう/天辺にいる人は名指しで批判できるのに、目の前のステージに立ってる人によくないと言えないのはおかしいと思っていた/くるりの岸田さんにめちゃくちゃかぶれていて、たくさんの人をボロボロに傷つけた

わたしは仏教から逃げ出した/わたしはTwitterから逃げ出した/わたしは下北沢のインディーズシーンから逃げ出した/テレビをつけても、ラジオをつけても、ネットを見ても階段を駆け上がっていくかつての仲間がいて、苦しかった

Adobe CCを志したのは、自分の表現にかかわるWebや物販までフルスタックになりたかったからだ/プログラミングをはじめて、グラフィックなインターフェースより深いところのコンピューティングに衝撃を受けた/制作やステージで仕事と呼べるものにありついたけど、正直ほとんどお金にはならなかった

わたしは発達障害かもしれないし、双極性障害かもしれないし、パーソナリティ障害かもしれないし、グチャグチャになっている/"医者や薬は怖い"という人の意味するところがわかった/なかなか医療につながれなくて、閉鎖病棟に入るしかないかもしれないと思い詰めた/付き合っていた彼女や父親のサポートでギリギリのところで踏みとどまっている

生涯で一度も自立したことがないし、まだ道は遠いと思う/ことしのMac Proがたのしみだな、バイトしてお金貯めようかな/あたためている大曲があって、エンジニアの友人とリリースの計画を立てている/バンドで演っていたけど一回も録ってない曲のことも思い出している

tofubeatsのRIVERを聴いたらボロボロに泣いてしまって、このエントリを書いている/付き合っていた彼女と行った中野サンプラザのくるりのライブは最高だったな/また自分もライブがやりたいな/弾き語りが一番いいって言われるし、バンドセットでもいいし、マニュピレーターやDJ Setを迎えた形でもいいな

ロックは愚者と自殺の歴史でしかないのだろうかと今でも思う/集音した音を歪ませて削って圧縮して擬似的な残響をつけたのがロックなのだから、つまるところこころもそうなっていってしまうのか/作曲家は病んだり死んでしまう人が本当に多い

なにか衝動をぶつけたいけど思っていることの5割もことばにならないなと思ってこの散文みたいなやつを書いている/あしたは役所とジムに行く/断酒、禁煙、ロックンロールといきたいのが本音だな/身近な人との約束を守りたいな/いつだって書きかけでほつれたまんまだな

うまず、たゆまず、頑張ります。
水野健人



このnote内での活動にかかわらず、音楽家としてのわたしを応援してくれる方がいたらとても嬉しいです。読んで、聴いて、リアクションいただけるだけでも、飛び上がるくらい嬉しいです。宜しくお願い致します。