ピンクのジャケ写でいいと思う。-Vaundy『strobo』
共感覚持ちの私にとって、Vaundyの色は赤です。
真っ赤ではなくて、少し濁りがあって、ワインレッドまではいかないけれど、大人っぽい、でも少し子供っぽさが残る赤。
だから、今回1stアルバム「strobo」のジャケットがピンク一色だったのを見て、最初すごく違和感を感じたんです。えーーちがくなーーーい? って。
結局のところ、ピンクでよかったと思います。その答えは最後に。
完成度で言えば、”この年齢で”この完成度か、すっごいバケモンだな。という感想。というのも、Vaundy、まだ19歳(誕生日は6月6日なので、もうすぐ20歳ですね)。ただし、冠詞にかならず”この年齢で”がつく気がする。
YUIや絢香を輩出したことでも知られる音楽塾ヴォイス出身のその歌唱力は見事なものですし、色っぽくスモーキーな曲から元気ポップな曲調まで歌いこなすふり幅もさすが。
最初にVaundyを世間に押し出した「東京フラッシュ」は、その歌詞のけだるげなイメージをうまく曲に載せてますし、Cメロのピアノがめちゃくちゃささりますね。
「東京フラッシュ」で一気に「ああ、エモい曲うたうんだな」と思わせておいて、「怪獣の花歌」。さわやかなんですよ。
ふり幅まじですごい。サビの疾走感はもちろん、オクターブ下でハモりを入れてるんですが、その共鳴感と音域の広さ。Cメロのセルフハモの神々しさ。
クセのない声だからこそできる違和感のないメロに寄り添うハモが美しいなぁと思います。
か!ら!の!またこれもエモエモな「life hack」。実は私が初めて聞いたVaundyはこの「life hack」なんですけど、「自分のことを好きになっていく」っていう歌詞にちょっとヤられちゃって。
コーラスにさとうもかを迎えたこの曲、途中で電話のやりとりっぽいワンシーンがあるのですが、それも青春を謳歌している19歳のありのままの感じがして、すんごい甘酸っぱいんですよねー。
このアルバムで初登場のマイナー調曲「不可抗力」、ちょっとテクノっぽさを加えながらAメロをラップで整えた「soramimi」、コーラスがこれまた印象的な心地いいテンポ曲「napori」。
そしてなんといっても「僕は今日も」がこのアルバムの目玉かなと思いました。
壮大なピアノと低音パーカスから始まる、少し切ない物語のような曲。バックサウンドに大きくリバーブをかけてるので、声とのミキシングが難しいはず。特にコーラスにはラジオサウンドのようなエフェクトがかかってるっぽいので、よく調合したなあという印象です。
ラストはアコギで軽快に進む「Bye by me」。歌詞の詳しい解釈は割愛しますが、「僕、このアルバム頑張ったよ、また会おうね」と言われている気がして。とても素敵でした。
まとめますと、このアルバムのジャケットはピンクでよかったと思います。
たしかにVaundyの声って赤のイメージなんですけれども、”この年齢で”が冠詞につくアルバムだからこそ、まだ粗削りで、伸びしろがあるんだろうなって思うんです(超上から目線)。なら、赤じゃなくて、一つ手前のピンクでいいと思う。これからどんどん赤が濃くなって、今よりももっと深い赤になっていくと思う。
にしても、私はこのアルバムとても好きです。1stアルバムとしての完成度として、非常に高いものが出てきたな、という印象。
きっとタイアップとか今後もたくさんやってくれるアーティストだと思うので、もっと公に出てきてくれることを期待します。
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