9ヶ月ぶりのライブ出演で「アカペラをやる本当の目的」に気づけた話
この記事は、「アカペラアドベントカレンダー2020」の1日目の記事です。
◆アカペラアドベントカレンダー2020 URL
https://media.acappeller.jp/feature/8105/
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2020年も、残すところあとわずか。
昨年に引き続き「アカペラアドベントカレンダー」を仲間とともに企画した。
その第一回として一筆したためられることに、少しの緊張とワクワクを抱きながら、キーボードをたたく。
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年の瀬が近くなると、多くの人々がSNSで投稿する「今年の振り返り」。
自分が生きてきた中で、2020年ほど激動の年はなかっただろう。
不安なこと、やるせないことがたくさんあった。何もできずにもどかしい思いもたくさんしてきた。
だから今回の「アカペラアドベントカレンダー」だけは、希望を持てる話で締めくくりたい。
2020年、よかったと思えること
先が見えない状況の中で、よかったことがひとつだけある。
「自分がアカペラをやる本当の目的」に気づけたことだ。
振り返れば、大学生の頃から9年間、「アカペラ」という音楽に触れてきた。
決してストイックに取り組んできたわけではないが、いつも頭の片隅には「自分は何のためにアカペラをやっているのか」という疑問があった。
ある人にとって、それは「ステージに立つことで注目や拍手を浴びること」かもしれないし、またある人にとっては「アカペラアレンジを通じて自己の感性を表現すること」かもしれない。
どちらも大いに共感できることだし、事実、それらを目的としてアカペラに関わっている時期もあった。
しかしそういった気持ちは、対面でのアカペラができない期間にだんだんと薄れていってしまった。
最初こそリモートアカペラや多重録音作品作りに力を入れていたが、徐々にアカペラそのものへの興味がなくなっていってしまうことに、驚き半分、寂しさ半分の複雑な気持ちを抱きながら、時間だけが過ぎていった。
久々のライブ出演で気づいたこと
そして11月、約9ヶ月ぶりにライブに出演した。
「フェイスシールド付きのマイクで歌う」という慣れない環境とブランクが重なり、お世辞でもいい演奏ができたとは言えない。
しかし、バンドメンバーと一緒に声を合わせられたことや、自分にとって大切な人たちが観に来てくれたことが、ただただ嬉しかった。
https://twitter.com/aichil1164/status/1327914062391377921?s=21
そのとき、気づいた。
自分がアカペラに求めているのは、「大切な誰かとのつながり」だということを。
アカペラを通じてであれば、誰かとすんなり仲良くなれる
身近な人はご存知だろうが、僕は人と親密になるのに結構な時間を必要とする。
今でこそ「初対面の人とも親密に接する」ことを覚えたものの、「今の自分がどう見えているのか」「相手はどういう意図でその言葉を選んでいるのか」を察することに気をとられ、なかなか相手との距離を縮められないことが多い。
そのため、初対面の人が多い飲み会に参加した後などは、どっと疲れて帰り道の電車でうとうとしてしまったりもする。
そんな僕でも、比較的すんなりと人との関係性を築ける場。それがアカペラサークルであり、アカペラグループであり、アカペラライブの会場だった。
アカペラを媒介にすれば、相手に話題を提供できる。相手の話に集中し、興味を持って、もっと知りたいと思える。
社会人になり、東京に来たばかりの頃は、知り合いがほとんどおらず、休日も一人で過ごすことが多かった。
でも今はアカペラを通じて出会った仲間がいて、一緒に歌ったり、なにかを企画したり、美味しいものを食べに行ったり、他愛のない話でゲラゲラ笑ったりできる。
そんな時間がとても尊く感じる。
目的が見つからないからといって、焦る必要はない
このnoteを読んでくださっている方に伝えられることが一つあるとすれば、「アカペラをやる目的はすぐには見つけられなくてもいい」ということだ。
かといって、惰性で続けるのはよくない。
ほどほどにきちんと、ほどほどにゆるめに楽しみつつ、心のどこかで「目的」を探すこと、求め続けることが大切だ。
特に、表面的ではない「本当の目的」は、「他人からどう見えるか」といった意識や、損得勘定を抜きにしたところにある。
そして、「本音で語れる目的を探し求めながら取り組み、継続していくもの」を、人は「趣味」と呼ぶのかもしれない。
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