001_ハマスホイを観て感じた隔たり
概要
『ハマスホイとデンマーク絵画展』
会場:東京都美術館
会期:2020年1月21日〜3月26日
来訪日:2020年2月16日
重い腰をあげて、noteを再開します。
ハードルを下げるため更新頻度をあげていこうと思う。備忘録的に日記的に。
とりあえず、ネタを増やすため春休みくらいのものから多少掘り起こして書いていきます〜
ハマスホイに関しては予備知識は特にありませんでしたが、結果として行ってよかった展示でした。
北欧のずっしり重い空気感がそのまま絵画に現れている作品が多かった。
そんなハマスホイを個人的に気になった点でまとめてみます。
1. 描かれているものの距離感や関係性
隣接したもの同士、それは人と人であったり人とモノであったりするわけですが、その関係や距離感、隔たり方が独特でした。一見そこには何も起きていないように見えるんだけど、じっと向き合っているうちに、違和感が浮き彫りになってくる。
確かに同じ空間にあるのに、決して繋がらないような関係性。展示内のキャプションにも描かれていましたが、絵画の構図のために意図的に添景をずらして描かれていたようです。
2. 光による焦点の誘導や鮮明さ
どんよりした独特の空気感だからこそ、光の描かれ方に意識が集まるのは至極当然なわけですが、だからこそ光の描写による焦点の誘導や着彩の鮮明さを強調にすることによる全体の強弱が印象的な作品が多いように感じました。
これは窓の位置にも関係が深く、どこに窓があるかによって絵画に大きな影響を及ぼすと言えます。室内を描いた作品も多く見受けられましたが、北欧の室内における空気感とそれを切り裂くような採光はとても意識的に描かれていました。
3. 空の比率、構図の割り方
これは推測の域を出ないのですが、上記に加えてキャンバスの分割の仕方にも共通点があり、比較的空の比率が大きいように感じた。独特の空気感を描くために"空の存在=空気の存在"は重要な役割を担っているように伺えました。
4. 非現実のような、10秒を切り取ったような
これは抽象的で完全に僕の個人的な印象なのですが、おぼろげな、どこか非現実のような風景が描かれいるなというのが全体を通しての感想です。
それは2の構図や添景の置き方や、あるいは光の描き方によるのだと思いますが、そうした掴み所のない空気感を描こうとした結果、一瞬を切り取ったのではなく、ある10秒間を切り取ったような空気感や物語性が生まれているような印象を受けました。
とても感覚的なことでこれ以上うまく説明できないのですが、その"10秒を切り取ったかのような"が自分にとってとてもしっくりくる全体を通しての感想です。
それだけ含蓄のある空気感を掴み取るようなハマスホイはじめデンマークの絵画を見て、改めて北欧に行きたくなりました〜
今年は行けるかな〜