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「推しの子」第17話 成長:心理描写にビックリしたアニメ

*最初から、ネタバレ全開です。
というか、この話を観た人向けに書いてます。


さっき「推しの子」の第17話を観たんですが。
いや~やられました~。
すごいもん、観ちゃったな~とうのが感想です。

前半部分で、「東京ブレイド」の舞台が進んでいって。
スクリーンに映像を映しながらの舞台って、カッコいいじゃん・・と思ってたら。
それは前振りに過ぎなくて。
今回は、キザミ役の鳴嶋メルトのストーリーでした。
しかも、なんだ?あの映像の密度の濃さは??

ということで、熱が冷めないうちに、初見だけで思いつくまま書いていきますが・・。

サブキャラだと思ってたメルトのストーリーがしっかり、熱く描かれてましたね~。
声優さんの、「今日あま」のドラマのときの大根ぶりがとてもうまくて。
これまで、原作先生からの嫌われようがしつこく描かれてたのが、印象に残ってましたが。

今回は、彼が自分の演技の下手さを自覚し、挫折し、もがき苦しみながら、とうとうその壁を越える瞬間を迎えます。
この作品では、ぼくの大好きな有馬かなもそうですが。
何かがうまくいって、いい調子でいて、特に何も考えずにいたら。
状況が一変して、実は自分は何もできてないことが分かって、悔しさや挫折や焦りを味わって。
何とかしなきゃ、どうしたらいい?と苦しむ。
・・という過程は、たいがいの人が経験することなんじゃないかと思います。
なので、ぶっ刺さりますよね~。

そして、メルトが逃げずに、自分に正直に向き合って、受け入れて、謙虚になって、周囲の人から教えを乞うところから始めて。
アクアのアドバイスであったり、どん底での努力の中から、自分の進む道を見つけるシーンに、ついつい自分を重ねて観ちゃってました。
リアルの世界でも、これしかやりようはないし、これこそが本話のタイトルでもある「成長」への王道だと思うのです。

あんなにイヤなヤツだった匁(もんめ)役とか、あんなに疎まれてた「今日あま」の原作先生から認めてもらったシーンには。
ぼろぼろに泣きました。
カタルシスの涙、デトックスの涙でした。

いや~、一度、原作マンガのこの辺りは読んでるはずなんですけどね~。
すっかり忘れてましたし。
まあ、もし憶えてたとしても、マンガからアニメに映像化された際に付加されたものがえげつなくて。
大泣きするのはしゃーなし、でしたけどね。

何?あの、メルトが覚醒する瞬間の目のドス黒さとか、デフォルメされた走馬灯とか??
あのドス黒い目のシーンは、第1話で復讐を誓ったアクアが、五反田監督に「役者にしてくれ」ってお願いするときと同じ映像だし。
過去、何でもうまく行ってたメルトの記憶が、子供が描いた絵やデザイン画のようにデフォルメされていくシーン(→見出し画像)には。
メルトが過去を、ちゃちなものだったと捉えていることとリンクしていて、スゴイ表現だな~!って感動してました。

それと、ちょっと話が横にそれますが・・。
アクアのアドバイスって、微妙なさじ加減がいいなって思うんですよね。
雷田プロデューサーには、「この状況をどうにかできるのは、あなたしかいない」とだけ言い。
マンガ原作者のアビコ先生には、間接的に脚本家のGOAさんの別舞台のチケットを渡し。
そして今回、メルト君には、「下手さを逆に利用して、一点集中しろ」と言ってあげたり。
ヒントは与えるけど、答えはそれぞれ本人に考えさせる、決めるのは本人という線引きは崩さないのが、やさしくてカッコいいなと。

サブキャラのメルトのストーリーだけで、一話の半分のワクをあの品質の映像で埋める熱量に、制作スタッフの創意工夫とエネルギーをビシビシ感じましたし。
この後に来るであろう、本命の有馬かなと黒川あかねの舞台対決はどうなるのよ???と、期待値が上がってしまいます。
いやいや、一度は原作マンガを読んでるんですけどね~すっかり忘れ・・(略)。

あのレベルの映像・演出品質で、挫折・苦悩→成長・乗り越えていくシーンをまざまざと見せつけられて。
カタルシスとデトックスを与えてくれる本作品は。
アニメという枠を超えて、もっと多くの人に観てもらってもいいと思うんですけどね~。

まあそれは、地道に布教していくことにしましょうかね~?

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