妹を看取った時のこと⑦:ぼく的に最高のお葬式

*2021/10/30作成
**ガンとか生き死にの話が出てきます

妹のお式を開くにあたり、喪主であるぼくが考えたのは、「妹を慕う人たちだけで、心を込めて送り出す」ことでした。
緩和ケアの入院時に、本人は「兄ちゃん1人の家族葬でいい」と言ってましたが。
妹の周りには、心から彼女のことを心配してくれる友達や職場の方々がいたので。
その人たちと一緒に、妹を送り出したいと思いました。

なので、唯一、親戚付き合いのある叔母夫婦には、後日報告に行くことを約束して。
会社関係と友達グループだけで、30名くらいの家族葬としました。

お式の案内のメール/LINE文には、香典も香典返しも参加者への品渡しなどのやり取りはしないことを明示して。
受付担当は置かず、受付名簿には氏名と妹との関係性だけ書いてもらうようにしました。

家族側はぼく一人だけだったのですが。
10名ほどの一番妹に近い人たちに助けてもらって、乗りきることができました。

コロナで、緩和ケア病棟といえども、家族2人・1日30分だけしか面会が許されず。
妹の友達には、何回か妹の様子をメールで報告していたので。
彼らにも時間をかけて事実を受け入れる準備ができていたというか、いきなりショックで反応できないという状況でなかったことが、よかったのかもしれません。

喪主が言うのもなんですが。
形式とか義理などの中間物を排除すると、本当に妹を悔やみ、感謝して送り出そうとする気持ちだけが残るので。
とても密度の濃い、居心地のいい送り出しができたと思っています。

霊柩車で火葬場に向かうときに、運転していた葬儀社の方に、
「こんなに雰囲気のいいお式はあまりないです。そういうのはお式に集まった方々を見ていればわかります」
と言ってもらえて、すごくうれしかったです。

まあ勿論、妹が周りの人たちから慕われていたことが、一番の成功要因であり、一番うれしいところなのですが。
喪主の役割を果たせたことに、ほっとしました。

ぼくは自分のことを、他人への気遣いが苦手な人だと思ってましたが。
今回、妹の友達グループに報告メールを送ったり、お式に来てくれた人たちと心のこもった会話ができたり。
少し新しい自分を認識できました。

今回は、こんなお葬式もありますよ、というお話でした。
ではまた。

いいなと思ったら応援しよう!