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熊大生の大麻乱用防げ 日大生逮捕受け県警第二課が講習会

 日本大学での大麻使用摘発事件など、最近増加している学生の大麻使用摘発の傾向を受け、熊大でも薬物犯罪の現状などを説明する薬物濫用防止講習会が10月4日、全教棟C311教室で行われ、学生・教職員合わせて50名が参加した。
 講演した熊本中央警察署第二課組織犯罪対策係の木原裕一警部補は、特に学生を巡る薬物犯罪の現状として「大麻の摘発が増えている。大麻は室内でも栽培でき成長も早い。最近は室内で人工栽培して加工 したものが取引されることも多い。最近は電子タバコ製のものが販売されることも(大麻リキッドを電子タバコに入れて吸うとばれにくいため人気らしい)あり、区別しにくい」とし、「大麻は祭祀で使うなど、違法でない部位もあるが、犯罪予備罪に問われる恐れもある。種子だからと安易に手に入れるのはやめてほしい」と述べた。
 大麻の乱用方法に関しては、既存の乾燥大麻は覚醒剤と比較して1グラムあたりほぼ10分の1以下と安価であるため流通してきたが、最近は大麻リキッドや水パイプや電子タバコで吸うタイプが増加しているという。木原警部補は「特に大麻リキッドは一見しただけではそれとわからないように含有させたり、加工したりして販売している場合があり、見た目では違法判断が難しいため、特に注意が必要」と注意を促した。

学生・教職員を前に大麻の危険性について講演する木村警部補=10月4日、全教棟C311教室


 違法薬物の再犯率は7割を超えるといい、木原警部補は「薬中心の生活になり人生が壊れ後戻りできないこともある。他人に迷惑をかけないものではなく、他人を害する犯罪を起こす恐れも。今後の人生で取り返しのつかないダメージを受ける」として、大麻利用の害を矮小化する主張に対して強く警告した。
 県内での摘発状況に関しては、10年前よりは減っており、ここ数年は横ばい(130~150人)で推移しているものの、20歳以下の摘発が5年間で6倍に急増していることが問題という。近年は倉庫に偽装して大麻を大量に栽培していたり、水パイプ店など合法を装って売り捌いているなど手口が巧妙化している。
 単独所持でも懲役5年以下の実刑が科されるといい、「目にした場合は止めたり、自分で止めると危険な場合、相談された場合も身近な人や警察に連絡を。未然に防 止できるよう協力してほしい」と呼びかけた。
 講演後、清永生活課長は「熊大としても職員学生一体となって乱用防止に取り組んでいく。今日の講習には教育課の職員も多数参加して いる。困ったことがあれば身近な教職員に相談してほしい」、宇佐川副学長(教育・学生支援担当)は「周りで自分たちが落とし穴に落ちないように注意しあっていきたい」とそれぞれコメントした。
 参加した文化部会役員は「学生として自覚的に、こうした違法薬物に警戒感を持って生活したい」、工学部の学生は「怪しいものには手を出さないというのは大前提だが、巧妙に偽装して販売し、知らないうちに大麻や違法薬物を摂取させられる危険性もあると聞き、かなり怖い。学生間での蔓延が広がらないように自覚的に行動したい」と話していた。

 講演後、木村警部補は熊本大学新聞社記者の取材に応じた。
―若者の違法薬物使用の特徴や傾向は。
「ネットからの違法薬物の入手が多い。ネット側にいる相手はより大きな組織とつながりを持っている場合も多く、秘匿性の高いテレグラムなどのSNSを使ってやり取りしている。安易にやり取りをしないよう気を付けてほしい」
―大麻の合法化論などに関してどう考えるか
「大麻は安全で大麻の合法化が進んでるんでしょ?と言う人がいるが、趣向目的の大麻合法はごく一部に過ぎない。医療目的の使用で合法にしている国はあるが、大麻が安全だから合法化している国はない。合法化している国でも条件(20歳未満×、買うときは身分証明書 など)が付けられている。日本の検挙率は2%で非常に低く、これにより犯罪が起きにくい国となっており、これ以上の蔓延を許してはならない」
―熊本県警としての若者の違法薬物乱用への対策などは
「県警の対策として 講座のほかに取り締まりを強化したり捕まえた人や一般の人からの情報取集を多く行っている。疑わしいことがあったら直ちに県警に通報してほしい」
 
【怪しいと思ったらすぐに相談を!】
熊本県警 拳銃覚せい剤相談電話 096(384)4444


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