ともにイノベーションを!―神山まるごと高専と富士通が目指すもの
本年2023年4月から、富士通は、神山まるごと高専のスカラーシップ・パートナー*1 企業(SP企業)としてコラボレーション活動(コラボ活動)を開始しました。
活動を始めて半年が経過し、多くの声・質問をいただきます。
「学生は、SP企業と、どんなコラボ活動をしているの?」
「学生は、SP企業とのコラボ活動で、どんな事を感じているの?」
「富士通は、コラボ活動で、どんなことを大事にしているの?」
など。頂く質問の内容から、多くの方が大きな興味関心を持って下さっているのだなぁと、日々感じています。
今回の記事では、次のことをお伝えできればと思います。
1)2023年度のコラボ活動体制
2)具体的なコラボ活動
3)学生の感じていること
4)本コラボ活動が大切にしていること
2023年度のコラボ活動体制
SP企業は2023年11月時点で、11社あります。各SP企業と一緒に活動する学生はチームとして卒業までの5年間、同じSP企業と活動をします。
2023年度入学者のうち、富士通とともに活動する学生メンバーは、名和(なわ)さん、付(ふ)さん、宮野さん、山口さんの4名です。
各学年における活動テーマは、事前に定められています。
例えば、1年次のテーマは、「企業理解」です。このテーマでは、SP企業のビジネスモデル、組織、社風、文化等を1年通して学び、彼らは学んだ結果を次年度の学生に向けてプレゼンできるようになります。
5年次のテーマは、「新規事業創出」です。「プランの構想や提案だけでなく、“モノづくり”でアウトプット」すること、そして彼らは、“モノをつくる力で、コトを起こす人”となることを目指しています。
具体的なコラボ活動
具体的なコラボ活動の進め方は、SP企業によって、内容や頻度が異なります。本コラボ活動では、週2回(各90分)の定例活動を行っています。
コラボ活動の内容は多岐に渡っていますが、セッティングを行う際には、1年次のテーマにあわせて、富士通のことを学生が理解する場にできるよう、気を付けています。
コラボ活動では、学生は、時には役員も含め、富士通の様々な職種の社員(研究者、デザイナー、事業部メンバー)と共に活動をしています。以下では、1つ、具体的なプロジェクトをご紹介します。
学習ドリル「Fujitsu×うんこドリル*2 AIとのつきあい方」制作
2023年9月には、出版社の文響社と富士通とが共同で作成した学習ドリル*3のうち、本コラボ活動が1ページを担当しました。今回の学習ドリル作成の狙いは、これからのデジタル社会を支えていく子供たちがAI(Artificial Intelligence; 人工知能)技術とのつきあい方を楽しく学ぶことができる助けとなるように、というものです。
本コラボ活動が担当したページは、「未来のAIのニュースを考えよう」という内容でした。作成にあたって、学生らは、富士通のAIの研究者や、プロのデザイナーらとディスカッションを重ねました。学生らのアイディアが盛り込まれることで、より子供たちに興味を持ってもらいやすい内容にできたと思います。このプロジェクトでは、学生の新鮮なアイディアと富士通社員の各専門性によって、良い相乗効果が生み出せたと思います。
その他に、以下の記事では、学生が、富士通データサイエンス部に参加しているインターン活動についても、少しご紹介しています。
ご参考)
フジトラニュース, ともにイノベーションを!神山まるごと高専×富士通のコラボがスタート-前編-
https://www.fujitsu.com/jp/microsite/fujitsutransformationnews/2023-10-20/01/
フジトラニュース, ともにイノベーションを!神山まるごと高専×富士通のコラボがスタート-後編-
https://www.fujitsu.com/jp/microsite/fujitsutransformationnews/2023-10-23/01/
学生の感じていること
SP企業との活動について、学生はどの様に感じているのでしょうか?
学生に質問をしたところ、次のような答えが返ってきました。
「一緒に活動しているSP企業に感謝をしている」
「それぞれ(のプロジェクト)に思いをもって、活動してます」
「富士通のことをもっと知りたい」
「いろんな社員の方と交流をしたい」
週に2回という定例活動の頻度は、学生にとって負担になるのでは?ということも危惧しましたが、学生からも「このペースで取り組みたい」という声もあり、続けています。
もちろん、テスト期間など学校のイベントがある時には、定例活動は実施していません。
神山まるごと高専の開校初年度のカリキュラム自体が、学生の自律的な活動やSP企業とのコラボ活動が可能となるよう、午後の自由度が比較的高いものに設計されていることも、この頻度での定例活動が可能な理由の一つです。
傍で見ている限り、学生は、コラボ活動のそれぞれのプロジェクトを、楽しんでいるようです。
本コラボ活動が大切にしていること
最後に、このコラボ活動が大切にしていることについてです。
神山まるごと高専で学ぶ学生と一緒に過ごすと、学生は、受験を決めた時点で、多くのことを悩み考えてきたのだろうと感じます。自身のキャリア、人生をどう生きるか、また、解決途上にある社会課題など。
神山まるごと高専に、思いをもって新しいことにチャレンジする雰囲気があるのは、そういったことを、自分自身で考えてきたメンバーが多いからこそなのだろうと感じます。
現在、私たちの住む地球・社会は、多くの課題を抱えています。本コラボ活動では、そういう時代に共に生きているからこそ、年齢に関係なく、対話し、共に学び、共に考え、共に行動を起こしたいと思っています。
注記:
記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。